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なんてことない日常の中に、映画のような名場面は隠れている。

今日は家の近所にいるおばあさんの話。

毎日のリハビリ

僕の家の近所には、毎日足を引きずるようにして歩いているおばあさんがいる。
多分なのだけど、そのおばあさんは交通事故か何かのリハビリとして、毎日歩いているようだった。
(大変失礼ながら、足が少し曲がっており、歩き方も少し歪んでいる)

だから歩くスピードはとにかく遅い。少し歩いては立ち止まって、壁に手をついて休憩。
少ししたらまた歩き出すの繰り返し。

僕は買い物に行く時等、そのおばあさんをよく見かけるのだけど、僕とは歩くスピードが全然違うから、すぐにおばあさんを追い越してしまう。
で、その後買い物を済ませて帰ってくると、おばあさんはほんの数メートルしか進んでいない、みたいな感じ。
(これはおおげさじゃない)

それでも、おばあさんはずっと歩き続けている。

週末の散歩

僕は週末天気が良いと、好きな音楽を聴きながら散歩をするようにしている。
ある週末、いつものように散歩に出てみると、そのおばあさんが歩いていた。
いつもと違ったのは、横に長身のスラっとした紳士がいたこと。

服装はパリッとしたベージュのコートにハット。ばっちりと決まっている。
まるで映画ゴッドファーザーに出てくるトム・ヘイゲンのような見た目だ。
とにかくめちゃくちゃ格好いい。(僕はトム・ヘイゲンが大好きだ)

一方、おばあさんは動きやすい紺のジャージ上下に身を包んでいる。

おばあさんの歩くスピードはいつも通りに遅い。紳士は、そんなおばあさんを優しく見守るように、黙ってその後をずっと付いて行く。
特に会話もなく、おばあさんと紳士は、ゆっくりと歩き続ける。

それから週末、同じ時間帯に同じ散歩道に行くと、二人はいつも一緒に歩いていることを知った。

なんてことない日常の中に、映画のような名場面は隠れている。

僕はこの二人を見て、とても羨ましいと思った。
なんというか、二人の関係性が最高に渋いなと(語彙力)

きっとその紳士は、おばあさんのことを尊敬している。
おばあさんを支える際のふとした仕草だったり、気遣う行動からそのことがひしひしと伝わってきた。

僕は紳士がおばあさんを尊敬する気持ちがよくわかった。
状況がどうであれ、毎日自分のベストを尽くしているように見えるおばあさんは、とても素敵で魅力的だと思う。
たとえそれが地味で大変な作業であろうと、そのおばあさんは黙って、リハビリを頑張り続ける。

一方で、おばあさんを黙って支え続ける紳士も僕はとても恰好良いと思った。毎週、ずっとリハビリに付き添い続けるというのは、なかなかできることじゃないと思う。それも、服装はいつもバシッと決めながらだ。

そんなお洒落な紳士と、ジャージ姿のおばあさんが二人でゆっくり歩いている光景は、少し滑稽な感じに思えるかもしれない。

でも、そんなことは大した問題じゃないなーと。

もしかしたら昔はおばあさんも紳士と一緒にお洒落をして、イケてるレストランやバーで食事をしていたのかもしれない。
今は状況が少し変わったから、服装はジャージになったし、二人の行くところは近所のなんてことない散歩道になった。

でもよくよく考えてみたら、場所だってどこでもいい。状況は変われど、二人の関係性が変わることはない。
どんなに大変な状況になろうとも、そのことを二人で静かに受け入れ、ただ粛々とやるべきことをやる。

歩むスピードは遅くなったかもしれないけれど、きっと前よりも二人の絆は強くなっているのだと思う。

ゆっくり歩を進める度に。

なんてことない日常の中に、映画のような名場面は隠れている。

連休明け&令和最初の仕事はじめということで、いつも通り7:30に出社し気合を入れたのだけど、自分のPCのアカウントパスワードを更新し忘れ、システムに入れないという失態を犯してしまった。。
(今は管理者に更新してもらい、何とかなっている)
自分でも驚くほど幸先の悪いスタートになってしまったけれど、気を取り直して今週も頑張ろうと思う。。

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