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1杯で酔ってしまう僕がクラフトビールの醸造所をつくる理由

こんにちは、佐藤大智です!
ビールを1杯飲んだら酔ってしまう福島出身、世田谷在住28歳です。普段はNPO法人グリーンズで働いています。

現在、千葉のいすみ市(かなり田舎の外房の方)に醸造所(ブリュワリー)を立ち上げるべく、準備を進めています。

えぇ、お酒が弱いのに、ビールをたくさん作ろうとしているんです。

じゃあ、なぜわざわざブリュワリーをつくるのかということについて話したいと思います。

知り合いのみなさんには近況報告としてお伝えできればと思います。

はじめましての方は、どうやってこの記事にたどり着いたんだろう。ありがとうございます。
クラフトビール好き?田舎での起業に興味があるのかな?
何かの参考になれば幸いです。

ビールよりコーラ。コーラよりハーゲンダッツ。

ビールをはじめて飲んだのは、たしか大学生のときのサークルの飲み会。
そのときは苦くて美味しいと思えませんでした。(コーラの方が美味しい)
あんな苦い液体をピッチャーから直接飲むやつなんて狂気の沙汰だなと引いて見ていました。

僕はジョッキ1杯で試合終了。600円払うなら家でハーゲンダッツを2つ食べた方が圧倒的に贅沢な夜だよな…と悲しみと怒り混じりに考えてました。あー、ハーゲンダッツのストロベリーを食べてから、抹茶も食べたらどれだけ幸せなことか。

クラフトビールの衝撃1

それから数年後、たしか23歳のときに友達誘われてオクトバーフェストに行きました。
駒沢公園や日比谷公園などてやっているあのドイツビールのイベントです。

そこで白ビールなるものを飲んだら、なんだこの花みたいな香り!!苦くない!!美味しい!!
強い衝撃1を受けました。

これも、いつものあのビールと同じビールなのか!?
うちのお母さんと黒木瞳が同じ人間とは思えないけど、それ以上にこの白ビールと普段のビールが同じビールとは信じられませんでした。

(この時にときに飲んだ白ビールはヴァイツェンというスタイルで、小麦を使ったドイツのビール。当時はなにがなんだかわからずに飲んでいた)

クラフトビールの衝撃2

5年前、夏の蒸し暑い夜。友達と渋谷を歩いていて、お酒が飲みたくなってちょうど近くにあった道玄坂の酒屋に入りました。

見たことがないビールがたくさん並んでいてびっくり。でも、よくわからないので、ふと目に留まった青い缶のビールが気になってお会計。お店を出て、路上でプシュっと開けて、友達と乾杯。

缶を口に近づけて飲もうとした瞬間、「ん?なんかめっちゃいい香りがするぞ」と違和感を0.1秒認識したものの、すでに缶は傾きはじめていてビールが口の中へ。

なんじゃこりゃーーー!!!!!
うまっ!めっちゃ美味しい。苦い!けど、めっちゃいい香り。オレンジ?グレープフルーツ?パイナップル?白ぶどう?よくわかんないけどめっちゃいい香り!苦い!けど、美味しい!!
強い衝撃2を味わいました。

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(このときに飲んだビールはPUNK IPA。ブリュワー(醸造家)がまさにパンクの精神でビールをつくっていて、ロンドン証券取引所に戦車で乗り付けたりもしている。路上で飲まずに、ぜひグラスに注いでより香りを楽しみながら飲んでほしい)

こうしてクラフトビール沼へ

子供の頃から食べることが大好きで、肉も野菜も魚も虫もいろいろ美味しいものを食べてきたけど、クラフトビールが味わいの幅の広さと衝撃の強さでダントツ1位になってしまいました。

味についてばかり書いてしまいましたが、味だけでなくクラフトビールの自由と伝統が混じり合ったカルチャーにも心酔してしまいました。(詳しくは後日)

こうしてビールが嫌いだったのに、1杯にこだわっていたら大好きに。

クラフトビールにハマってからは、飲んだことがないビールを手当たり次第飲んでみたり(手当たり次第と言ってもすぐ酔ってしまうので、地道に1日1種類程度)、20箇所以上のブリュワリーを見学したり、ビール天国のオレゴン州ポートランドに2回行ったり(世田谷区ぐらいの広さのエリアにブリュワリーが70箇所以上ある)、ビール仲間とオリジナルビールをつくったり(合法的に)、ビールが給水のランニングイベントを開催したり、裏千家の作法を踏襲してビールを飲む会をやったり、日々クラフトビールに楽しませてもらっています。

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なぜブリュワリーを立ち上げるのか

これまでの出来事を振り返って書いていたらアツくなってしまい、序章がだいぶ長くなってしまいましたw

ちょっと打つのも疲れてきたw 短くまとめるのでもう少しお付き合いください!

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3つにまとめるとこうです。

1、本当に美味しいビールを飲みたい。

2、受け手から、作り手へ。自分の手で生み出したい。

3、周りの人の笑顔のために。

1、本当に美味しいビールを飲みたい

これまでも美味しいビールにたくさん出会ってきましたが、未体験の衝撃的に美味しいビールを飲みたい!それが一番の理由です。誰かがつくってくれるのを待っているのではなく、自らつかみとりにいきたくなってしまいました。

そして、お酒が弱い僕としては、自分の好みの味を自分で作っちゃえば間違いなくない?ということも重要なポイントです。ブリュワリーは自分のための拡張冷蔵庫、拡張酒屋、拡張ビアバー。

ネガティブな話をすると、クラフトビールは決して安くありません。なのに別にパッとしない味のビールだったり、酷いときには明らかに良くない発酵状態、保存状態のものがビアバーで1杯1000円くらいの値段で売られていることがあります。飲み物1杯で1000円ですよ!?(ハーゲンダッツ4個分!)そんなに高価なものなのに品質が伴わないビールに出会ってしまったときは、怒りと悲しみに包まれます。そんな体験をしないように、させないように美味しいビールを提供したくてブリュワリーをつくります。

2、受け手から、作り手へ。自分の手で生み出したい。

上に書いたことと一部重複しますが、誰かが作ってくれるのを待っているのではなく、自分で作ることをやりたくなってしまったんです。それは、クラフトビールの液体を作ることだけなく、クラフトビールシーンを自分の手つくりたいんです。

一個人で飲んで楽しむことから発展して、クラフトビールが飲まれるシーンにもっと自分の手を介入させて、その行為も楽しみたい気持ちが大きくなってきました。

3、周りの人の笑顔のために。

自分が作ったビールを飲んで目の前の人が笑顔になったら最高じゃないですか!そんなシーンにたくさん出会いたいです。

普段の仕事で正直誰の笑顔のためにこの作業をしているのかわからないときもあります(僕の想像力不足)。そんな僕でもビールを作って、それを飲んで笑顔になってもらうという図式はとてもシンプルで明確なので理解できるし、やりがいの実感もしやすくて、さらに頑張って美味しいビールを作るといういいループができそうだなと。(単純)

直接的な笑顔だけでなく、経済循環の視点でも笑顔を増やしたいと考えています。

どういうことかと言うと、仮に100人の村があってみんな食事はマクドナルドで食べるとします。(あくまでマクドナルドはチェーン店の例)そうすると売り上げは、一部がその村に住む従業員の給料になりますが、残りの大部分のお金は東京の本社、ひいてはアメリカのマクドナルト本社に流れていってしまいます。

住民が食事をすればするほど、どんどんその地域から他の地域へお金が流出していき、どんどんその地域は貧しくなっていってしまいます。

個人のお金の使い方だけでなく、稼ぎ方に目を向けても、自分の仕事のアウトプットがその地域の暮らす人のためでない場合、働けど、働けど自分が暮らす地域は一向によくなりません。(10km離れた村で汗水ながして橋を作っても、自分の村には橋は無いまま。当たり前だけど)

その地域、住民のために働いていても、会社の所在地がその地域でない場合は、資本が蓄積せず、経済活動のうまみは全部他の地域へと流出してしまします。

仕事の成果も利益も外へ流出し、給料から使うお金も外へと流出…

こんな状況に陥って衰退していく田舎が日本の各地にあるのではないでしょうか。

※1 グローバル企業撲滅!と言いたいのではなく、お金の稼ぎ方も使い方も考えるきっかけになったらなと。実は自分で自分を貧しくさせているかもよ。依存しすぎず、うまいバランスで。難しいけど。

※2 だいぶ簡略的に説明しているので、つっこみどころはあると思いますがご容赦ください(地域経済について詳しい方、教えてほしいです!)

地域に根ざすことに関しては、思い起こすと小学生のころから自治力を高めたいという謎の欲求があって、それに動かされている気もします。

いすみでただ醸造所をやるだけでなく、そこで出た利益でいすみの教育支援など街がより良くなるようにお金を使おうと仲間と話しています。これから登記する会社として最初の事業はビールの醸造、販売ですが、いすみがより良くなる事業は他にもやっていく前提で準備を進めています。

ビールを飲めば、飲むほど、街が豊かになっていく。

そんな未来を想像しています。

もっと話したいことはたくさんありますが、今日はこのへんで。

だいぶ自分本意で理由を書きましたが、自分がやる理由だからしょうがない。「誰かのために」ということでも根源的な理由が自分に紐付いていないと浮ついたものになってしまう気がして。

詳しくは、今度飲んだときに話しましょう!

この記事の反響がよかったら、ビールに関することをnoteで書いていこうと思います。

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