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30年前の、ゲームキャラに恋した話

2023年もあと半月で終わろうとしていますが、ふと某ゲームセンターのチャンネルで動画を観ていますと、「餓狼伝説スペシャル30周年記念大会」なるものが目に入りました。

主人公テリーと宿敵ギース。未だに人気の二人ですね

そうなんです、格ゲーブームのさ中、カプコンに次ぐ二番手メーカーだったSNKが初めてストⅡを越える人気を獲得した、と個人的には思っているガロスペこと餓狼伝説スペシャルが1993年のゲームだったんですね。ですが、私個人としては93年の格ゲーとして、ガロスペより、スーパーストⅡより、初代サムライスピリッツより思い出深いタイトルがあります。
それは、
「ワールドヒーローズ2」
です。

今は亡き、アルファ電子工業の一作

今ならPS4やSwitchのアケアカで遊べます

ワールドヒーローズ2、略してワーヒー2は前年に出た1作目の半年後という、異例の早さで発売されたADKなるメーカーの格闘ゲームです。歴史上の人物がタイムマシーンによって集い、最強を決めるべく戦うというかなり奇怪な設定のゲームになっています。

キャラは全部で14人、大半が「変なキャラ」で、格闘家らしいのは
ほとんどおりません

一作目は動きが非常にモッサリしていて、「スピードで翻弄する」とか謳われているキャラが全然翻弄できなかったりしたものですが、2からはスピーディーなゲームになりました。ボタンを連打するだけで連続技が出来たり、飛び道具を直前でガードすると跳ね返せたり、相手の投げ技を、掴まれた瞬間にボタンを押すことで掴み返したりできたり…と、当時の対戦格闘ゲームとしては斬新な試みが沢山あったゲームです。キャラボイスも1の時は棒読みだったりしたキャラが格好良く叫んだり、見栄え、聞き映えが良くなって驚いたものです。

これだけ進歩したゲームなら、ブームに乗ってさぞ大人気だったろうと思われそうですが、残念ながらそこまで流行りませんでした。理由は、以前「龍虎の拳2」の記事で書いた事に似ていて、やはり対戦バランスに問題があったんですね。今の格闘ゲームは連続技…コンボを決めると大抵補正がかかり、威力が調整されていきます。このワーヒー2にはそれが無いので、連続技一回で瀕死→気絶してもう一度喰らって終わり、な展開が往々にしてありました。今の様にアップデートによる修正もないですから、「大味なゲーム」として早々に見限られてしまった不遇の作品です。
ついでに言うと、一人用、CPU戦の難易度も非常に高く、歩いて投げにきたり、こちらの起き上がりに投げに来たり、何かと腹の立つやられ方をしてしまうのもマイナス面だったかと思います。ここはやがて攻略されていきますが、初見だと大体3人目辺りで終わってしまう、そんな難易度でしたね。

当時バイブルだったゲーメスト増刊号。
ボロボロになってページが取れるまで読み込んだものです

しかしこんなゲームでも、いやだからこそ、当時中学生だった私はハマったんですね。難しい一人用を攻略しエンディングを見る、その事に喜びを見出しており、全14キャラのエンディングを見るまでやり込みました。もちろん1コインオールクリアです、コンティニューは邪道だと考えていました。

淡い恋の思い出

いきなり見出しが別の話のようですが、間違っていません。
私がこの、今やマイナーゲーム、当時もそこまで人気ではなかったワーヒー2に入れ込んだ理由は、あるキャラに惚れ込んだからです。

リョウコ。
2からの新キャラでした

とにかく、初めてゲーム画面で見た時から「ビビッ!」ときたのが彼女だったんですね。小柄ながら、巨漢キャラをポーンと放り投げて凄まじいダメージを奪う、勝つと笑顔で「やったね♪」。

「か…かわいい❤」 …思春期の心に、彼女の姿が刺さりました。

このリョウコ、後にフルネームが出雲良子だと判明するのですが、まさに心を鷲掴みにされてしまったんですね。ゲーム内でも強い部類のキャラでしたし、高威力の投げ技を持っていて爽快感もありました。ある意味現在スト6でマノンを使っているのは、このリョウコの流れを汲んでいるかもしれません。この頃、格ゲーの女性キャラといえば高飛車キャラ、が定番だった中で初めておしとやか系が出てきて新鮮だった、というのもあります。もっともリョウコの直後にナコルルが出てきてお株を奪われた感はありましたが。チッ。
ワーヒー2はその後、スーパーファミコン、PCエンジンに移植され、もちろん家庭用ネオジオでも遊べました。そして私は、全機種所有していましたね、これは「リョウコ愛」ゆえにです。

…スーファミ版、リョウコの肌の色が紫になるカラーがあったりして「ふざけんな!!」って叫んだのも、いい思い出です。

ゲームキャラに対する、初恋でしたね

この「ワーヒー」シリーズはその後4作目まで発売されました。
その度リョウコを使っていたのは言うまでも無く、振り返っていて今でも良いキャラだなぁと思っています。ADKは格ゲーブームの終焉と共に倒産し、ワーヒーキャラはその後別の格ゲーにゲスト的に参戦することはありましたが、本編としての登場は28年ほど、無いままです。

この「初恋」からもう30年経ったのかぁ、と思いを馳せたりした、2023年の年の瀬でした。

リョウコ、可愛いと思いません?

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