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「チーム」を詠んでみた

天才を仲間に持ってラッキーと思えば勝ちだジョージ・ハリスン

作曲は四人でやったことにするバンド仲間の望んだ自縛
仲間割れっていうけどその前にそもそも仲間だったか僕ら
仲間だと呼ばれなくなり過ちの重さに気づく風は吹かない

2022年3月13日のNHK短歌、テーマは「チーム」でした。私が投稿した短歌を紹介します。
1首目のチームは言わずと知れたビートルズ。ポールとジョンという天才に挟まれつつ、独自色を出していったジョージの苦悩を思いつつ詠んでみました。
2首目以降は別のバンドを念頭に詠んでみました。バンドっていろいろ難しそうだな、って思ったりして・・・

惜しまれて去るのが理想チームからもったいないと引き留められて

チーム(集合)写真の真ん中で笑顔の彼はあした辞めます
三田会の絆は強いただ学校に在籍すれば特別になる

次の「チーム」は会社です。5首目は私自身の理想のリタイヤです。引き留められる程度には仕事ができる状態で引退したいものですが、どうなることやら。
6首目は回転の早い私の属する業界の実態です。チーム写真を撮ってもすぐに退職者が出るので、古いものになってしまいます。
7首目は学閥ですね。仕事ができてもできなくても、「慶応」出身者というだけでかばい合ったり、なんなんだあの人たちは?と思うことも。

われらには班長がいて無敵だしカレーの日には大盛りがくる

父親の違うあんたは別だよ、と苺はりんごの仲間だろうか

最後の2首では各々、学校と家庭を詠みました。私の子供時代は、複雑な家庭だったために家族の「チーム感」はなきに等しいものでした。とはいえ、家族は家族です。「連れ子だから」と何かにつけて区別されたある時期に、ここまでの仕打ちをされることの意味について子供ながらに考えたものです。(終わり)


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