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【短編童話】金色の羽

昔々、森の中に小さな雀の姫が住んでいました。彼女の名前は小雪。彼女はその美しい歌声で森を満たし、動物たちに楽園のような場所を提供していました。

ある日、小雪は美しい金色の羽を見つけました。その羽はまるで太陽の輝きを受けているかのようで、小雪はその輝きに心奪われました。小雪は金色の羽を身につけ、ますます美しくなりました。

しかし、金色の羽には特別な力がありました。小雪の歌声が森に響くたび、彼女の心も金色に変わり、欲望と孤独が心を埋め尽くしました。

小雪はどんどん独りぼっちになり、彼女の美しい歌も次第に悲しげになっていきました。他の動物たちは小雪の変わり果てた姿を見て、彼女とは距離を置くようになりました。

ある日、小雪は金色の羽を外して歌い始めました。彼女は懐かしい調べで昔の歌を歌い、心の中に残った純粋な感情を呼び覚ましたのです。

すると、森の中に優雅な音楽が広がりました。他の動物たちも小雪の歌に耳を傾け、心を通わせることができました。小雪は金色の羽を捨て、自分らしい歌声で森を元気づけました。

しかし、小雪の心は儚い切なさに包まれていました。金色の羽の影響で彼女は一度傷ついた心を癒せず、静かな夜空に寂しさを託して歌い続けるのでした。




#小説 #短編小説 #掌編小説

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