天疱瘡という難病の体験記_第0話入院まで

これは、2023年7月18日に天疱瘡という国指定の難病との診断を受け、7/21に入院した私の体験を記録したものです。

私自身は、理学療法士という医療資格を有し、パートナーと3人の子供と長野県で暮らしています。

体験記を書こうと思った背景

この数日で、さまざまな情報を調べました。医学的情報例えば天疱瘡の病状や治療ガイドラインはすぐ見つかります。

それに比べ、福祉制度は難解で様々な種類があるものの、情報はその所管官庁がバラバラに出しており、いつ、誰に、何を、どのように準備すれば良いのか、網羅的に包括化された例えば表のような資料すら見当たりません。

そもそも、日本の様々な制度は申請主義と呼ばれる状態で、申請しないと恩恵は受けられません。これは、社会的に弱い立場にいる人ほど難易度が高く、例えば行政文書を読み解く必要があったり、紙の書類に手書きで記入しなければならないなどです。難病になると、該当する制度があるのですが、同様の状況です。

この辺りは、Social Change Agencyの横山北斗さんの記事がとても分かりやすいです。

そして、こちらの団体が運営するチャット相談も利用させて頂きました。
とても丁寧で、直感的で使いやすかったです。
ちょっと聞きたいことがある方は、おススメです!

また、最も知りたい情報の一つが当事者の情報です。一人の方以外の情報を見つけることができませんでした。SNSでは散発的に当事者情報あるのですが、もう少し知りたいと感じています。

この経験を踏まえ、この記録がこれから難病になった方や天疱瘡になった方また、そのご家族にとって、少しでもお役に立てばと思い書いております。
あくまで、一人の当事者の情報でもあるので、ご家族や医師、医療福祉の専門家と良く相談しながら、治療や生活の方針を立てて頂ければと思います。

症状の経過について

  • 2022.9 風邪症状の後、皮膚の湿疹始まる

  • 2023.2 症状悪化しクリニックでステロイド(塗るタイプ)を初めて処方を受ける

  • 2023.5 さらに症状悪化し、額が広範囲に炎症となる(当初は被れとの説明)

  • 2023.6 症状悪化し、ジベル薔薇色粃糠疹(じべるばらいろひこうしん)との診断を受ける。その後、ステロイドが残りわずかとなり、処方受けるのが難しくなったため、一時中断

  • 2023.7.7 症状変化し、総合病院へ紹介を受ける。

  • 2023.7.10 総合病院の皮膚科受診し、皮膚生検(皮膚を切って病態を見る検査)、採血する

  • 2023.7.18 総合病院にて、落葉状天疱瘡との診断を受け、今週中に入院治療が必要な説明を受ける。このタイミングで、医事課(医療事務関係の人)限度額適用認定証の説明を受け、その場で書類を記入し封筒にまで入れ、帰路にて投函する。また、入院するまでにマイナンバーを取る必要についてレクチャー受ける。

診断から入院までにしたこと

  • 7.18 午前中に診断を受け、午後から入院などの準備や関係者の方へご連絡

  • 7.19 予定通り仕事のため宮城へ出張。夕方病院の相談員より電話にて、指定難病患者への医療費助成制度の説明と、入院までに準備する資料を教えて頂く。

  • 7.20 宮城から帰宅。移動中に、難病の先輩からレクチャー受ける

  • 7.21 8:30にマイナンバー、住民票、課税証明書を役所で取得し、仕事へ。その後、14時入院

上記の通り、ほぼ時間がない状況でした。

入院までの時間がない中で、必要な書類を整えるのはとても大変なことです。これらがないと、入院費が膨大になることなどを考えると、とても悩ましいです。

とにかく、これらの制度は手続き重視で、もう少し人間ファーストになった方が良いと思います。今回は書かないですが、これら医療や福祉の手続きが必要な人はマジョリティー側でもあり、そのために本人や家族の時間が失われることによる損失は、とても大きいと思います。
早く、オンラインでも手続き出来るようにして欲しいです!

当事者情報については、幸いなことに難病の大先輩から、入院中の過ごし方や、入院にあたっての準備物など教えて頂いたのでとても助かりました。
とにかく大きいのが、この先どうなるか分からないことによる不安です。

病状の経過や治療効果、そしてリスクは、ある程度は医学的な病気の治療に関するガイドラインを見ると理解できます。

もちろん、ステロイドの服用による副作用も書いてあるのですが、やっぱり体験した人の声を聞きたい。

病気は違っても、難病の先輩からステロイドのことを聞くことができたのは、入院に向けた安心につながりました。

家族と

7.7に天疱瘡かもしれないとクリニックの医師から告げられ、すぐに天疱瘡の治療を調べました。すると、入院する可能性があることが分かり、家族に伝えました。

子供は8歳、5歳、1歳と小さいのですが、8歳くらいになるとなんとなく理解しているようでした。
入院中は、コロナもあって面会が出来ないということで、それが一番残念です。衣服などはナースステーションを通してのやり取りです。
テレビ電話は大丈夫なようです。

仕事と

ちょうど、出張の予定があったので7/19に病状や今後の見通し、と言っても難病なので完治はせず見通せないことの方が多いのですが、それらをコアメンバーで話をすることができました。

とても良いタイミングでした。病院でもPC使えることから、ある程度リモートで仕事は継続できるのですが、zoomなどはさすがに難しそうです。
病院にも、患者用のコワークのような場があったら良いなーと思うものの、逆効果もあるだろうから、まあ良いのかもしれません。

仕事での不安は、入院中の病状の悪化やステロイドの副作用による精神症状や感染しやすくなるので風邪をひくことです。
退院後は、やはり仕事の継続が可能かどうか、そして出張ができるかどうかです。
ただでさえ、入院でお金もかかり、経済面の不安はとても大きいです。


ちょっと書こうと思ったら、初回からかなり多くなってしまいました。
最後までご覧頂き有難うございます。

次回は、入院した日について書こうと思います。

では、皆さん良い時間を!!

難病の方の情報

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