見出し画像

ブルーズ歌詞和訳 〜 Stormy Monday (T-Bone Walker, Allman Brothers Band, Robert Jr. Lockwood..) ♫

前説, そして歌詞和訳「ことわり書き」

昨日「Stormy Monday 〜 そのベストスリーを選ぶ」というタイトルでブルーズ・スタンダードの超有名曲 "Stormy Monday" の極私的ベストスリーについて note 投稿した。

その中で、月曜日から日曜日まで「一週間」の全ての曜日に律儀に(まぁ曜日に義理があるわけではないんだけど, でも日曜日とかはクリスチャンにとっては特別な意味があるって言えばそんなもんかな)触れながら自らの境遇を悲嘆するような内容のこのアフロ・アメリカンによるブルーズ "Stormy Monday" の歌詞が、同じく「一週間」の全ての曜日に日曜から土曜まで順に触れながら、穏やかな毎日を送るロシア人女性の生活について歌うロシア民謡の「一週間」という意味のタイトルの歌(原題は Неделька, カタカナ読みすると「ニェジェーリカ」で直訳すると「週」ということらしい)と比べて、何とまぁえらい違いだなぁと些か(っていうか, かなり、笑)強引に「一週間」つながりだけでロシア民謡を持ち出して巫山戯たりもしたんだけど、その際、結局この "Stormy Monday" の歌詞を日本語にするとどうなるか、おおよそざくっとやってみてしまった。

というわけで、この際「正式に」(なんだそれ?)ブルーズ歌詞和訳として別途、 note 投稿してみようと思い立ったわけであります。

以下、この歌の作者であり最初にこの歌をレコーディングした T-Bone Walker のヴァージョン、そして実に沢山ある優れたカヴァーの中から、ロック史に永遠に残されるべき The Allman Brothers Band の 1971年 ニューヨーク Fillmore East におけるライヴ・ヴァージョン、さらに拙者が一番好きなヴァージョン つまり Robert Jr. Lockwood の 1974年の日本公演におけるライヴ・ヴァージョンのそれぞれを、順に ... 

結局、昨日の note 投稿で取り上げた拙者にとっての "Stormy Monday" ベストスリーの 3位, 2位, 1位なんだけど、今日は日本語訳つき。

歌詞の日本語訳といっても基本、「趣味シュミ」洋楽歌詞「和訳」翻訳者の筆者が特定の歌の歌詞の内容の「解釈」を試みるにあたり歌詞にある言葉・表現のそれぞれを「ほぼ」順になぞって日本語にしていくという、そういうものであって、そうやって日本語に置き換えるのが(個人的に)楽しいからやってるわけだけど。つまり、もともと歌詞の作者が本当に伝えたかったことを厳密に正確に理解することは不可能であって、当然ながら歌詞の日本語訳という作業によって原詞の意味が完全に正確に伝わるということも有り得ない。歌詞を日本語に訳す(訳して日本語であらためて表現する)ということは、ある意味、翻訳をしてその結果を日本語の「詩のようなもの」で表わそうとする当事者が元の歌詞をどう解釈したか、それをどう日本語で表現するかということをやっているに過ぎない... 当たり前のことを言ってるんだけど、まぁそういうことに「過ぎない」わけです。

これまで色んな歌の歌詞の日本語訳を note 上に投稿してきたけれど、この際あらためて念のための「ことわり書き」をしておきたく、ごちゃごちゃっと前置きさせてもらった(って誰かに「させてもらった」わけでもないけど、笑)。

ではでは、ミュージック、いやミュージックと歌詞和訳作業、スタート ♫

T-Bone Walker

まずはこの歌の作者であり、最初にこの歌をレコーディングした人であり、この歌のヒットにより B.B. King などの数多のギタリスト達をそれまでのアクースティック・ギターによるブルーズからエレクトリック・ギターによるブルーズに向かわせたというモダン・ブルースの先達,  T-Bone Walker (May 28, 1910 – March 16, 1975) のヴァージョン。

"Call It Stormy Monday (But Tuesday Is Just as Bad)" (commonly, often, referred to as "Stormy Monday") 〜 T-Bone Walker (1947)

*一般社団法人日本音楽著作権協会(JASRAC)より「著作権を有する音楽著作物の著作権を侵害している」旨, 指摘を受けた為, 当初 私の誤認識によりここに掲載していた英語歌詞を削除しました。英語歌詞・原詞は公式サイト等に掲載されているものを確認してください(2022.9.2 加筆/削除/編集)。

..............................

嵐の月曜日だっていうけど, 火曜日もやっぱ悪い
月曜日は荒れ模様だっていうけど, 火曜日だって悪いじゃないか
水曜日になるとさらに悪くて、木曜日は相変わらず悲しいよ

そうさ、金曜日には給料が出るんだ(*)、それで土曜日は憂さ晴らしに出掛ける
金曜日には給料が出て、土曜日は遊びに出掛けるのさ
日曜日になると教会に行って、今度はそこでひざまずいて祈るんだけどね

おお神よ, ご慈悲を, 神よ, ご慈悲をお与えください
おお神よ, ご慈悲を, 私は惨めさに打ちひしがれているんです
あの娘に夢中で気が狂いそうです, どうかあの娘を私のもとに戻して( .. ってね)

....................................

* "Eagle" はアメリカの 1ドル紙幣の裏に描かれている Eagle (つまり鷲) を指していると思われ、flies となると「金が飛んでいってしまう」イメージになりがちな気もするが、後に続く "and Saturday I go out to play" から察するに、ここは「金が飛んでくる」ということだろう。おそらくは金曜日が(週給制の労働者である)この歌の主人公にとっての給料日で、金曜になれば「給料が入る」ってことなんだと思う。ただし、ちょっとだけ気になるのは.. 要するに、「金が飛んでいってしまう」というのも有り得るのかなと。つまり例えば借金か何かのために「金曜日には金が出て行ってしまう」んだけど、にもかかわらず俺は「土曜日には憂さ晴らししたくて なけなし の金を使って遊んでしまうってわけさ」みたいな可能性もあるのかな? 歌詞の解釈的にどうなのかということと、またそれとは別に、"Eagle" はドル紙幣=カネのことだという前提でなおかつ "Eagle flies" という英語、ここでの "flies" の意味を英語専門家ならどうとるのかね。

The Allman Brothers Band

実に沢山ある、この歌の優れたカヴァーの中から、ロック史に永遠に残ってほしい The Allman Brothers Band の 1971年、Gregg Allman (December 8, 1947 – May 27, 2017) は勿論のこと、Duane Allman (November 20, 1946 – October 29, 1971) も Berry Oakley (April 4, 1948 – November 11, 1972) もみな健在だった時の、ニューヨーク Fillmore East におけるライヴ・ヴァージョン。 

Stormy MondayThe Allman Brothers Band LIVE at the Fillmore East in New York City on March 13, 1971, from their 1992-release-CD set "The Fillmore Concerts" (originally included on their 1971 album "At Fillmore East")

*一般社団法人日本音楽著作権協会(JASRAC)より「著作権を有する音楽著作物の著作権を侵害している」旨, 指摘を受けた為, 当初 私の誤認識によりここに掲載していた英語歌詞を削除しました。英語歌詞・原詞は公式サイト等に掲載されているものを確認してください(2022.9.2 加筆/削除/編集)。

..............................

嵐の月曜日だっていうが,
しかし火曜日もやっぱり悪い
月曜日は荒れ模様だっていうが,
火曜日だって同じくらい悪いんだ
おお神よ, 水曜日になるともっと悪いじゃないか
木曜日だって相変わらず悲しい気分だ

金曜日には給料が出るんだ(*)
それで土曜日は憂さ晴らしさ
金曜日には給料が出て
土曜日は遊びに出掛けるのさ
日曜日になると教会に行って
今度はそこでひざまずいて祈るんだけどね

おお神よ, ご慈悲を
神よ, ご慈悲をお与えください
おお神よ, どうかご慈悲を
神よ, どうかご慈悲をお与えください
何度も何度も俺のあの娘を見つけ出そうとしてるってのに,
誰も彼女を俺のところに連れ戻してくれないんだ .. おお神よ!

おお神よ, ご慈悲を
神よ, ご慈悲をお与えください
おお神よ, どうかご慈悲を
神よ, どうかご慈悲をお与えください
何度も何度もあの娘を見つけ出そうとしてるってのに..
おお .. 彼女を連れ戻してくれよ

....................................

* "Eagle" はアメリカの 1ドル紙幣の裏に描かれている Eagle (つまり鷲) を指していると思われ、flies となると「金が飛んでいってしまう」イメージになりがちな気もするが、後に続く "Saturday I go out to play" から察するに、ここは「金が飛んでくる」ということだろう。おそらくは金曜日が(週給制の労働者である)この歌の主人公にとっての給料日で、金曜になれば「給料が入る」ってことなんだと思う。ただし、ちょっとだけ気になるのは.. 要するに、「金が飛んでいってしまう」というのも有り得るのかなと。つまり例えば借金か何かのために「金曜日には金が出て行ってしまう」んだけど、にもかかわらず俺は「土曜日には憂さ晴らししたくて なけなし の金を使って遊んでしまうってわけさ」みたいな可能性もあるのかな? 歌詞の解釈的にどうなのかということと、またそれとは別に、"Eagle" はドル紙幣=カネのことだという前提でなおかつ "Eagle flies" という英語、ここでの "flies" の意味を英語専門家ならどうとるのかね。

Robert Jr. Lockwood

拙者が一番好きな "Stormy Monday" の歌とギター演奏を 1974年の日本公演におけるライヴ録音で残した Robert Jr. Lockwood (Robert Lockwood Jr., March 27, 1915 – November 21, 2006) のライヴ・ヴァージョン。

我がブルーズ「愛聴」史上最高のブルーズ・アルバム、今も燦然と輝く歴史的名盤 "Robert Jr. Lockwood & The Aces BLUES LIVE!" (1974年11月の日本公演でのライヴ音源, リリースは 1975年)に収録されたもの。

The Aces のギタリスト Louis Myers のカッティングに(ってかあそこは Louis Myers が弾いてると思えばいいのか、それとも Lockwood 自身なのか、どっちなのかあらためて考えるとなんだか分からなくなるが、それはともかく!)Robert Jr. Lockwood がキーを叫ぶ声が重なり、Lockwood のギター・ソロが続いていくイントロで始まる、その流麗なギター・プレイと哀愁を帯びたヴォーカルによる逸品。まさしく絶品 ♫

Stormy MondayRobert Jr. Lockwood (March 27, 1915 – November 21, 2006) & The Aces LIVE in Japan 1974, from their 1975 album "BLUES LIVE!"

*一般社団法人日本音楽著作権協会(JASRAC)より「著作権を有する音楽著作物の著作権を侵害している」旨, 指摘を受けた為, 当初 私の誤認識によりここに掲載していた英語歌詞を削除しました。英語歌詞・原詞は公式サイト等に掲載されているものを確認してください(2022.9.2 加筆/削除/編集)。

..............................

嵐の月曜日だっていうが,
しかし火曜日もやっぱり悪い
月曜日は荒れ模様だっていうが,
火曜日だって同じくらい悪いんだ
水曜日になるともっと悪い
木曜日にもなると全く悲しい気分になる

そりゃ, 金曜日には給料が出るさ(*)
それで土曜日には憂さ晴らしができる
金曜日には給料が出て
それで土曜日になると, 遊びに出掛ける
日曜日になると教会に行って
今度はそこでひざまずいて祈るんだけどね

分かるだろ, 分かるだろ, 俺は泣いてるんだ
神よ, ご慈悲を
おお神よ, どうかご慈悲をお与えください
神よ, ご慈悲を
全く惨めな気分だ
あの娘に夢中なんだ, おお .. 彼女を連れ戻してくれよ

....................................

* "Eagle" はアメリカの 1ドル紙幣の裏に描かれている Eagle (つまり鷲) を指していると思われ、flies となると「金が飛んでいってしまう」イメージになりがちな気もするが、後に続く "And Saturday I go out to play" から察するに、ここは「金が飛んでくる」ということだろう。おそらくは金曜日が(週給制の労働者である)この歌の主人公にとっての給料日で、金曜になれば「給料が入る」ってことなんだと思う。ただし、ちょっとだけ気になるのは.. 要するに、「金が飛んでいってしまう」というのも有り得るのかなと。つまり例えば借金か何かのために「金曜日には金が出て行ってしまう」んだけど、にもかかわらず俺は「土曜日には憂さ晴らししたくて なけなし の金を使って遊んでしまうってわけさ」みたいな可能性もあるのかな? 歌詞の解釈的にどうなのかということと、またそれとは別に、"Eagle" はドル紙幣=カネのことだという前提でなおかつ "Eagle flies" という英語、ここでの "flies" の意味を英語専門家ならどうとるのかね。

ボーナス・トラック: "Stormy Monday" by T-Bone Walker, B.B. King, Freddie King, Albert King & Stevie Ray Vaughan, Buddy Guy, Junior Wells & Buddy Guy, Buddy Guy & Eric Clapton, Buddy Guy ♫

最後に、上に挙げた 3つ以外のヴァージョンから幾つかを。でもって今日の "Stormy Monday三昧 note 投稿を終えることにしよう!

T-Bone Walker (May 28, 1910 – March 16, 1975) のライヴ・ヴァージョン。T-Bone は 1910年生まれ、日本で言ったら「明治時代」生まれの人。亡くなったのは日本の「年号」で言えば(普段の拙者は「年号」なんて面倒くさ過ぎて使わないけど!)「昭和」50年。一応15年ほど拙者も何というか「同時代」を生きてることにはなるんだけど、ライヴは観たことない「伝説の人」。

次は 御大 B.B. King (September 16, 1925 – May 14, 2015), 幸い3度、BB のライヴを観聴きすることができた。初めて観たときはずっとステージ上に立って演奏していたけれど、2回目以降は後半は座って弾いていた、もうかなりの歳だったから。でもギター・プレイとステージでのプロフェッショナル振りは衰え知らず。彼のライヴを観れたのは至福の喜び ♫

次は Freddie King (September 3, 1934 – December 28, 1976) ♫ この人のパワフルなギターも好きだなぁ。ライヴは直には観たことない。

次は、別に 3大キングを続けてというつもりでもなかったんだけど、たまたまのことで、Albert King (April 25, 1923 – December 21, 1992) & Stevie Ray Vaughan (October 3, 1954 – August 27, 1990) ... 残念ながらこの二人については、二人揃ってはもちろん、それぞれのライヴについても、直に観たことはない。それにしても豪華な組み合わせ ♫

続いては、拙者が Robert Jr. Lockwood とともに(Lockwood とはタイプがかなり違うけれど)もっとも好きなブルーズ・ギタリスト Buddy Guy と Buddy Guy 絡み。

Buddy Guy は 1936年7月30日生まれ、今年の誕生日で 85歳になる人、幸い今も元気でステージにも立つ(ただし正真正銘の「今現在」はコロナ禍でライヴ予定延期中)。彼のライヴを何度も何度も実際に観聴きできたのは、我が人生における至上の喜びの一つ ♫

映像 4点。1点目は録音音質とか映像の粗さはさておき、タイトルが Buddy Guy "Stormy Monday" (4/7/68) with Jimi Hendrix watching from the crowd ♫ .. ブルーズ・ファン、ロック・ファン(拙者は両方)には「すご過ぎ」。

次は 1965年、上の映像撮影時から遡ること 3年(タイトルには 1966年とあるがクリップ下の説明によれば 1965年らしい)、Junior Wells (December 9, 1934 – January 15, 1998) のヴォーカルのバックでギターを弾く Buddy Guy, この時のバディは 28歳か29歳だったことになる。Junior Wells は当時 30歳か31歳。

かなりの後年になってから、二人揃ってのライヴではなかったけれど、Buddy Guy だけでなく、Junior Wells のライヴを観ることもできた。この歌は違うけれど、Junior Wells のファンキーなブルーズはめちゃカッコよかったなぁ。

次は、イギリス・ロンドンの Ronnie Scott's Jazz Club での Eric Clapton との共演。1945年3月30日生まれの Clapton は今年で 76歳。1975年の2度目の来日公演の際のライヴを中学3年の時に観たのが初、その後、1990年以降に何度も何度もライブを観た、生聴きした、要するに今まで一番ライヴを観てきた、最も好きなミュージシャンの一人。何回ライヴ観たんだっけかな、でも今日のこの note 投稿の主役ではないのでその辺で。

Buddy Guy はギターだけでなく、ヴォーカルも実に素晴らしい(この静止画像に写ってるのは言うまでもなく Clapton の方)。

もういっちょ ♫ LIVE at Montreux Jazz Festival 1992 .. Buddy Guy のライヴを初めて観聴きしたのは 1990年だから、この少し前辺りからになる。

最初は中3の時に聴いたレコードだったけれど、大人になってから何度も Buddy Guy のライヴを観ることができた(場所は殆どが日比谷野音, 1回だけは渋谷の何処だったかな, とにかくオール・スタンディングのライヴ・ハウス)。


この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?