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#4 ボランティアで出会った百戦錬磨の戦友たち|さっぽろ雪まつりボランティア体験記【実録レポ】

前回:
③新庄監督のヒザに雪を貼り付ける|さっぽろ雪まつりボランティア体験記【実録レポ】
(どこからでも読めます)

今回のボランティアに参加してみて、一番良かったことはやっぱり人との出会いだった。

やっぱりボランティアに参加される方はアクティブだったり活力に溢れている人が多くて、大変刺激を頂いた。
また制作隊の皆さんも、普段まったく接しないタイプのガテン系おじさんが多く、優しく声をかけてくれたりして一緒に働いていて楽しかった。

その活力の一部でも皆さんにも届けるため、そしていつでもこの出会いを思い出せるようにするために、今回は戦友たちの紹介回としたい。

なお、プライバシー保護のため、勝手に付けさせていただいた脳内あだ名でご紹介させていただく。


ボランティア参加の仲間たち

ガッキー

個人的に今回のボランティアで一番の出会いだった。
30代の女性だったのだが、シャーベを貼りながら私が旅行好きであることを打ち明けると、サラッと世界一周したことがあると言い出したのだ。

詳しく聞くと、きっとみなさんも一度は目にしたことがあるだろう、「例のポスター」の船に乗ったらしい。
街中の飲食店でよく見る、世界一周100万円的なことが書いてある、あのポスターだ。
3ヶ月も同じ船に揺られるので色んな人と仲良くなり、船上で運動会を企画する人がいたりミュージカルを演る人がいたりと、いろんな楽しいお話を聞かせてもらった。

正直、世界一周するなら自力で行きたい国を周りたい派だったのだが、その話を聞くと集団で旅をするのも絶対楽しいだろうなぁ、と感じさせてくれた。

ちなみに、ガッキーは船旅中にスタッフの仕事を手伝うようになり、一周後に誘われてスタッフ側としてもう一周したらしい。
強すぎる。羨ましい。

イケさん

ガッキーと一緒に仲良くなったおばちゃんで、とても話しやすい方だった。

埼玉から仕事の関係で北海道に移住して2年目らしく、北海道あるあるみたいな話をするとへぇ~! と感心しているのが面白かった。

この人のすごいところは、平日は仕事で参加できないからと、土日の午前・午後・夜の部すべてに参加していたところだ。
9時に始まって20時まで、いくら休憩が多いと入っても延々と肉体労働。
しかも、両日ともお弁当持参だった。

バイタリティの違いというものを見せつけてもらった方でした。

イノじい

なんと、70代のおじいちゃんも参加していた。
もう何度も雪像作成ボランティアに参加しているベテランさんだ。

最初は気難しいおじいちゃんという印象だったのだが、これが中々におちゃめな方で、ベテラン仲間に急に雪玉を投げつけていたり、除雪のときにスコップで雪をかけてきたり、楽しい人だった。

後半にはあちらから話しかけたりもしてくれて、除雪用の鉄スコップを持って、
「昔はこういうスコップの上にケツを乗せて柄を持って、それでソリ滑りしてたんだ」
と嘘か本当かわからないことを教えてくれた。

オガじい

同じく70代のおじいちゃん。
この人の恐ろしいところは、20代の私より体力があるところだ。

普通より重い雪をひたすら遠くに投げたりする超過酷な除雪作業でも、皆は5分に一回くらい小休止を入れるのに、オガじいだけはエンドレスでスコップを振り続ける。

班長さんが
「休み休みやってくださいねーー!!」
と3回くらい声をかけても、全く聞こえないフリをする豪胆なおじいちゃんだった。

控え室の差し入れのみかんを一人で3個くらい食べていたので、張り合って4個くらい食べたのは私です。

カールおじさん

普段は関西に住んでいるらしいのだが、雪像のために毎年北海道に来るという行動範囲が広いおじさんもいた。
そして、ボランティアが終わったあとに平然と、今日はこのあと飛行機なんだと言っていた。

更に、さっぽろ雪まつりが終わったあとは弘前に出向いて、雪灯篭まつりの灯籠を作りに行くらしい。

パソコン1つあればいい仕事だと話していて、その自由人っぷりに憧れるばかりだった。

打ち上げの日にカールを20袋持ってくると言っていたので、カールじいさん。
昔はおとんがよく食べていたので自分もそのお菓子を知っているのだが、北海道ではだいぶ前に販売終了しているらしい。
通りで最近見ないわけだ。

アカ親子

40くらいのお母様と、高1だという男の子の親子での参加。

男の子の方と一緒に除雪したのだが、人見知りしながらもしっかりと働いていて偉いなと思いました。
二人で黙々と雪を放り投げるだけの関わりだったけど、勝手に少し仲良くなれた気がしている。
お母さんはなかなかに明るい方で、ガッキーの世界一周の話を一緒に楽しく聞きました。

制作隊員の皆様

ナカさん

雪像作りの非常に重要な工程、シャーベ作り。
真っ白な化粧雪に水を適量混ぜ、スコップでひたすら混ぜたり切ったり叩いたりするのだが、一人だけ明らかにシャーベの生産量・生産速度が違うおじいちゃんがいた。
ナカさんだ。

ほぼ白髪のおじいちゃんなのだが、延々とシャーベを作り続ける様子は歴戦の雪像作成戦士そのものだった。

シャーベを混ぜながらも制作隊員たちに怒号を飛ばしており、なんか「棟梁」とか「親方」とか呼んだほうがいい感じであった。

ちなみに肩書を見ると、班長などではなく、3人しかいない「技術スタッフ」の一人となっていたので、引退したあとの再雇用という感じだろうか。

一日だけナカさんと二人で会場内の色んなところを除雪して回った日があったのだが、たくさん話しかけてくれるし、ボランティアということで優しく接してくれるし、個人的に好きなおじいちゃんでした。

ちなみに、名字が明らかに沖縄の方だったのが不思議でならない。

ミチさん

いつもボランティア参加者に指示を出してくれたり労いの声をかけてくれたおじいちゃん。
陽気な人で、これは制作隊の皆様全員に言えることなのだが、最後まで普段はなんの仕事をしている人なのか謎で仕方がない。

今思えばナカさんもミチさんもいつ行っても必ずいた気がするが、いつ休んでいるのか。
雪像作成というのは、みなさんが思っている以上のハードワークである。

他皆様

他にも、1日しかご一緒できなかった方もたくさんいたが、ボランティアも制作隊もとにかく個性が強いメンツだった。

東京からこのために飛行機で来た方、今年四国から移住してきたという方、除雪のプロで雪が軽くなるスコップの握り方を教えてくれたおばちゃん。
いつも気軽に話しかけてくれた少し上のお姉さん、明らかに肉体労働に向いてなさそうなタイプだけど意外と楽しそうに参加していた女子大生、見るからに休日はキャンプしてますという風貌のおじさん。
制作隊の方よりも歴が長いベテランさん、こんな大きなイベントに制作側として関われたことは誇っていいと思うと褒めてくれたおじさん、どう見ても工事現場で30年働いてますという感じのタオルとヘルメットが似合いすぎるおじさん、そんなおじさんにいつもいじられている若手の主戦力のにいちゃん、などなど。

皆様、大変お世話になりましたことをこの場で感謝させてください。

ありがとうございました! 楽しかったです!
また来年雪像作りシーズンに会いましょう!!!

トップの写真はさっぽろ雪まつり公式ページからお借りしました。
制作に携わらせていただいた10丁目会場の大雪像模型です。


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