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シュルレアリスム映画を堪能せよ【映画】フレンチアルプスで起きたこと ♯065

今年のカンヌで2度目のパルムドールを受賞した
リューベン・オストルンドの作品。


妻の『怒っていない』は怒っているのだ。
夫パニック映画。

フレンチアルプスで起きたこと
2014年/スウェーデン・ノルウェー・フランス



【あらすじ】

スウェーデン人の一家はフランスのスキーリゾートに
休暇の為にやってきた。夫婦は2人の子供を連れてスキーを
楽しんでいたが、昼食中に雪崩が起きてしまう。
母は子供たちを守ろうとしたが、信じられない事に
夫は手袋とスマホを持ってひとりで逃げてしまう。



【解説】

なんだろう。コメディとも感動ドラマとも言えない
シュールな空気を雪崩のようにたたみかける映画。
休暇に来た一家が雪崩にあい、父親がスマホを持って
ひとり逃げるっていう実際にあってもおかしくないお話し。
生命の危機が迫った時にデリカシーが飛んでしまった夫に
もちろん妻はキレるし、子供たちもイライラ。
生命の危機は回避したけど、家庭崩壊の危機が迫る。
ヒリヒリした張り詰めた空気に
ヴィヴァルディの“四季の夏“がかかるユーモア。

例えていうなら『ちびまる子ちゃん』で
微妙な空気になった時になる、

どょ〜ぉん

っていうあの効果音。
辛辣なのに笑えてくる。
子を持つ夫と妻の埋まらない溝に鳴り響く(気がする)どょ〜ぉん。

なんでだろう、妻(おんな)ってのはどうしても守ってくれる
英雄を求めちゃう。
だけど実際には英雄なんて滅多にいないわけ。
そうなんだよ、夫はトム・クルーズではないのだ。
どちらかといえば『ちびまる子ちゃん』のヒロシなんだよ。
夫に新垣結衣を求められたら妻だって困るだろう。
オンナたちよ夢を見るな。あなたの夫はヒロシです。
ヒロシならスマホを持って逃げそうだし、しょうがないなぁって
許せるだろう。だってヒロシだもん。
とても普通で平凡な夫。 
時々ムカつくけど、時々ちゃんとやる。
ヒロシもそんなに悪くない。さくらももこの世界観でいこうぜ。
最後にオチが用意されてあるんだけど、
そのシュルレアリスムはコジゴジもびっくりするレベル。



【ぼやき】

日本が誇る国民の夫、ヒロシ。(国民の妹みたいに言うな)
そして私はサザエさん。

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