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夏、アーティスト・イン・レジデンス運営側として思ったこととかや反省とか(7/30)

こんにちは。モリです。福島県でAIR(アーティストインレジデンス)の運営をやっています。

2023年7月28日から30日まで、AIR事業(Katsurao AIR)の報告会を開催しました。地域アートとアーティストコレクティブ活動の中間のような、なんとも言えない運営をしています。今年最初のAIR報告会を終え、備忘録的に、途中で気がついたことを書き残します。

受付のテーブルも喜多村さんの作品のひとつ。テーブルに座っているのbはトークイベントのゲストの日沼先生と、2022年度参加アーティストの山田さん

今回滞在している4名の作家さんは、約1ヶ月間の間、各々のペースで葛尾村に滞在し活動を行ってくれました。葛尾村のプログラムでは、作品を完成させることはあまり重視しておらず、地域の発掘や地域資源の調査、作家自身のこれからの活動に繋がるような調査をします。

今回滞在の作家さん4名とも、集落に出歩いて活動を行ったり、自身の興味の沿って活動をしてくれ、今後のつながるきっかけを手に入れてくれたようで、とても良かったと思います。

↓今回滞在の作家さんたち

さて、個別の作家さんへの言及はキュレーターにお任せして、運営側の反省点について

今回、イベントを同じタイミングに重ねることで集客を増やそうと計画しました。地方だと土日にイベントが重なってしまうということはわかっていましたが、村や県内各地の大型のイベントが当日に重なり、想定よりも集客が芳しくなかった点は反省としてあります。想定外だったのは、村のやっているキャンプ場のイベントに村の皆さんが急遽お手伝いに駆り出され、ワークショップの予定のほとんどがキャンセルになってしまいました。これは本当に寝耳に水で、参加者がほとんど集まらない事態に……。作家さんに悪いことをしてしまいました。記録的な猛暑も重なり、日程を重ねるのは、結果的には逆効果だったかも

イベント広報はもう少し何かできたのではないか?マクロな事業運営についての視点が欠けていたのでは?という反省

もう一つは言葉の使い方について、事前にもっと伝えるべきだったかな?ということです。「原発」や「放射線」や「被曝」といった言葉には、まだまだ住民にとってセンシティブな面があります。これから村の人の関わりを増やしていくことを想定すると、言葉のニュアンスは(心情を含めて)もっと丁寧に説明し、理解してもらう必要がありそう

被災地の空

来年度の構想も考え始めています。事業委託の目的を達成するため、来年度は招聘する作家さんの幅をもうすこし広げることを考えています。招聘人数は現状維持かもう少し減らし、活動をもう少し長く現場で行ってもらえるような環境づくりをしていきたいですね

費用対効果の観点をアートに持ち込むのに忌避反応を示す人もいるでしょうが、やはり事業として実施している以上はその観点を無視するわけにはいきません。アートをする意味みたいなものと、反発するものではないはずです。

今回のイベントの結果については、運営側としてちゃんと飲み込む必要があります。「アートならこれで当然!」「なんでこのくらいのことがわからないんだ?」といった傲慢な思考に陥らず、きちんと検証しながらすすめていきたいですね。

以下、会場の様子など

喜多村さんのドローイング
小鷹さんの上映会
取材を受ける小鷹さん
三本木さん(の会場)
鈴木さんと鈴木さんの会場

プログラム概要はこちら↓

http://katsurao-collective.com/1005


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