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初めて付き合った人と結婚して死ぬまで添い遂げたいと思ってた

思ってた、のですでに取り返しのつかない過去の産物であり初めて付き合った人とはとうの昔に別れてしまった。

初恋ってどれなんだろうと考える時がある。
誰かの笑顔にふと胸が高鳴ったり、誰にでも見せる優しさを自分だけのものだと勘違いしたり、ただ顔がかっこいいと感じただけで直視するのが気恥ずかしくなったり。
そんな感情は誰だって少なからずあるはずだし、私は幾度となく経験してきた。それを誰かを好きになることだと、恋だと思っていた。

なので私の初恋は小学3年生の頃となる。

学校で隣の席に座っていた子と話すのが楽しくて、よく遊んでいた。
その頃学校では◯◯ちゃんは◯◯のことが好きだの、誰と誰が付き合っただの、そういう浮き足だった話題が溢れていた。きっと少しおませさんだった子達を中心にして恋愛に憧れをもつ時期だったんだと思う。
だから私とその隣の席の子との関係も周囲の好奇の目に晒されるのは時間の問題だった。2人ともまだ幼かったから、周囲の波に影響されて互いのことを意識するようになった。
私も、王子様との素敵な人生を送るプリンセスの話が大好きだったので、運命の人を見つけたいと思っていた。

また同時期にプロフィールシートというものが流行っていて、皆んなそれぞれに可愛らしくデコレーションされてあるノートから個人情報記載シートをあちこちにばら撒いて、そうして回収したクラスメイトの情報を肥やしては「自分はなんでも知っている」とでも言いたそうに自慢げだった。

案の定私もその内の1人だったのでプロフィールシートを号外新聞のように渡し歩いた。隣の席の子にも書いてもらった。返ってきたその紙の「好きな子」の欄には私の名前が書かれていた。

間接的な告白。初めての経験に成す術もなく頭が真っ白になる。それまで普通に接していたのに途端に気恥ずかしくなって避けるようになる。そうして私とその子の関係は席替えもあって次第に薄れていってしまった。

青春だろう。若気の至りだろう。まだ恋に興味津々だった頃。人によっては違うと思うだろうが、私はこれも恋だったと思う。

今から15年位も前の話だが、そんな感じでそれからどちらかと言えば恋のような経験を何度か経験してきた。

実際に付き合ってキスしたりセックスしたりもした。それでも別れてしまった人もいる。一生のうちで「運命の人」は1人だと思っていたし、いつか出会うものだと考えていた。

でも運命の人じゃなかったから別れた。運命の人は出会うものだと信じていた私に運命の人を作り上げる度量が足りなかったのだ。

どの人もその当時は本気で好きだった。しかし今振り返ると全て過去のもの。その時の「好き」という感情はフォルダを別にして心のどこかに眠っている。ただの記録で熱はない。

つまり何が言いたいのかというと、初恋の人と死ぬまで添い遂げられなかったのは私と彼の人間としての未熟さでもあり、だからこそ美しい経験だった、そこからまた一歩大人となったと捉えることによって過ちを昇華させるしか術を持ち合わせていないのである。
これからは良好な人間関係を築けるよう人に優しくあろうと心に誓う。そうしてまた新しい1日を迎えるのだ。

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