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出会うために旅をする / 写真家 田尾沙織 reasons why we travel

旅は人との出会いだと思う。

SNSが普及して、情報が溢れ、携帯を眺めているだけで、その国を知った気分になれるから、旅離れが進んでいると耳にしたことがある。旅には携帯を眺めているだけでは感じることができない人との出会いがある。直接会って、話して、知れることがある。言語が違ったとしても、通じ合えるときがあるから不思議だ。

高校生の時、写真にはまった。そして仕事で写真を撮りながら世界中を旅したいと思っていた。20代からは旅雑誌や機内誌、ファッション誌やカルチャー誌の撮影で世界中を飛び回った。仕事だけでは好奇心が満たされず、時間を見つけては旅をした。

気がつけば、いつもなにげない地元の人との触れ合いが、旅の一番の思い出になっている。

「国は国、人は人」

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クロアチアからボスニアヘルツェゴビナへ向かう列車の車内で、一緒のコンパートメントの席になった家族に、「韓国と日本は仲が悪いのか?危ないのか?」と聞かれた。

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「私は韓国人の友達も沢山いるし、仲が悪いのではなくて国の問題だけですよ」と答えると、「なんだ!バルカン半島と同じだ。この辺も昔は一つの国だったし、隣の国にも同じ学校に通っていた友達もいるし、人と人は仲が悪いわけじゃないんだよ」と言われた。

若者たちからの質問

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ケニア北部のアニコ村で高校生の課外授業に参加した。「日本の産業について」と「黒潮」について聞かれたけれど、全く答えられなかった。

「羊何頭で嫁に行くんだい?」

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ケニアのマサイ族のもとへ。夜、焚き火を囲みながら、警備のマサイ族の青年とおしゃべりを楽しんだ。

「日本人は羊何頭で嫁に行くんだい?」と聞かれた。「羊はいらない」と答えると、「うらやましい!マサイは羊を贈らないと嫁に来てもらえないけれど、ジャンプが高く飛べる人はモテるから羊を贈らなくても女性から嫁に来たがってくれる」と教えてくれた。

「優しい人」

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アルバニアのビーチで可愛い女の子の写真を撮らせてもらっていると、サングラスをかけたおじいちゃんが、英語が少しわかる孫娘に通訳をさせて伝えてくれたことは、「あなたは優しい人だと思う」という言葉だった。

旅先の歓迎

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ミャンマーのナパリビーチにある漁村では、地元の子が村中を案内してくれた。村の人達がみんな歓迎してくれ、最後には地元の小学校の運動会に来賓で招かれた。

いつかもう一度

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ギリシャのカルパトスという島に滞在した時に通った地元のおじいちゃんおばあちゃんが集うカフェ。

「次来たときにもらうよ」と言われ、お金を受け取ってもらえなかった。いつかもう一度行かなくてはと思っている。

50カ国ほど旅をして、それでもまだ見てみたい風景はたくさんある。「次はどこに行こうか」といつも考えている。そして、次の旅でも待ち受けているであろう出会いを楽しみにしている。


【プロフィール】

田尾沙織(たお・さおり)
写真家。一児の母。2001年からフリーランスで活動。2001年第18回写真ひとつぼ展グランプリ受賞。雑誌、広告、TVCM、など多方面で活動中。2020年9月に赤ちゃんとママ社から息子の出産についての本を出版予定。
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瀬戸内への旅の玄関口
福山駅前のまちやど「AREA INN FUSHIMICHO FUKUYAMA CASTLE SIDE」
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