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高田渡の魅力

高田渡をご存じでしょうか。フォークシンガーです。

この前You Tubeを見ていて、たまたま高石ともやさんと一緒の動画を見たのです。そこから漁るように見たドキュメント映像や歌から、その風貌、歌、人柄、生き方にすっかり魅せられてしまいました。


高田渡の来歴

1949年岐阜県生まれ。早くに母と父を亡くし、貧困生活を送る。中卒で就職。夜間高校へ通学などを経て、フォークシンガーとなる。山之口漠、金子光晴などの詩をアメリカの曲にのせる手法をとる。2005年北海道のライブの後に倒れ、亡くなる。享年56歳。

Wikipediaより抜粋

名前は知っていたのです。フォーク世代ですから。でも、詳しくは知りませんでした。

高田渡に惹かれたところ

トレードマークの口ひげ、あごひげ。お酒が大好きで、朝から飲む、ライブの前に飲んでいる。晩年、ステージでライブ中に眠ってしまうなど、有名な武勇伝がたくさんです。VTRで、何だかろれつが回っていないなあと思ったら、あれは酔っ払っていたのですね。

歌は何とも言えない、訥々とした語り口のような歌です。曲は自作と言うより、詩人の詩に自分で曲を付けたり、アメリカ民謡に乗せたりして歌っています。

気を張らない飄々とした雰囲気に惹かれます。「三億円強奪の唄」とか「自衛隊に入ろう」とか刺激的な歌も歌っていますが、日常生活をそのまま歌うスタイルの曲がたくさんあります。似合っていると思います。

ギターがうまい。

代表曲:「生活の柄」「仕事さがし」「自転車に乗って」「夕暮れ」「値上げ」「あきらめ節」「ブラザー軒」「系図」他


高田渡を愛していた人々


2005年4月、北海道のライブ後に倒れ、そのまま亡くなりました。それだけ飲めば、身体もこわしていたのでしょうか。なぎら建壱が思い出話をしていて、亡くなった日はなぎらさんの誕生日で、「絶対に忘れられない」と言っていました。

「高田渡を送る会」が開かれました。参加したたくさんの人々が歌を歌ったり思い出を語って渡さんを偲びました。その様子を映像で見ましたが、人柄が良く人懐こく、みんなに愛されていたんだということがよくわかりました。


お酒をたくさん飲む人は、どこか繊細なところがあり、満たされないものを抱えているのでしょうか。そんなことを考えたりします。例えば、作家の西村賢太のように。だから私が惹かれるのかもわかりません。(実証例はまだこのふたりです)

山之口貘

ネットというのは便利なもので、山之口貘という詩人も、このつながりで知りました。

高田渡の「生活の柄」はこの人の詩です。ほかにも山ノ口貘の詩だけで「貘」というアルバムを作っています。

沖縄出身。1903~1963(59歳没)197編の詩を書き、4冊の詩集を出した。上京後に、職を転々としながら放浪生活を送る。生活苦を風刺的にユーモアを交えてうたった。

Wikipediaより抜粋

ほら。なんで私、放浪の人が気になるのだろう。家賃が払えず夜逃げしたり、関東大震災に遭って帰郷するも、父が事業に失敗、家族は離散していたとか、長男を1歳で亡くすとか、相当つらい人生を送っています。

Wikipediaによると、それでも、佐藤春夫や金子光晴などが周りにはおり、胃がんの入院費も詩友がカンパを集めたりしています。

詩の才能がある人も、繊細で、どこか満たされないものを持っているのかもわかりません。そして自分の中にあるものを吐き出さずにはいられない。
 私もそうなのかも。


*見出し画像:駅にあった焼酎の広告。焼酎が大好きだったそうです。

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