綺麗な文字の、羅列の先に。
かつて友人に
「あなたは、綺麗な文字の羅列が好きだね。」
と言われたことがある。
文字に限らず、私は揃えられた美しいものが好きだ。
だから、歯並びの綺麗な人を選びがち。
本を読むときに、決めていることがある。
それは
「心が揺さぶられたフレーズは記録すること」
心にじーんと染み入ったフレーズや、自分のなかで新しい知識になった言葉は、読書用のノートに書き写している。
そしてそのノートに書き写すときには
「一字一句、句読点ですら形を変えない。」
ということ。
私のなかでは、句読点ですらも美しい文字の一部。
例えば、
「バランスのとれた美しい佇まいに惹かれて手にとった眼鏡」(& premium 2019/10月号)
「成功体験を捨てられず、変われないことが1番怖い。」(そうだ、星を売ろう/永井孝尚)
「相手に多くを期待したくなっちゃうけど、期待って簡単に甘えに変わるから」(さよならの夜食カフェ/古内一絵)
「夏は一瞬の光です。」(ミ・ト・ン/小川糸)
フレーズだけでなく、新しく知った言葉や、その意味も。
最近書いたものだと
「エピファニー」「萌芽」「僥倖」「瑣末」
まだまだ知らない言葉があるな、と思う反面、伝わらなければ意味がないので、類似語を考えたりする。
デジタルが主流になった今も、アナログで残すことがやめられない。
高校生のころから続けている日記も、去年から始めた文通も、読み返すたびにわくわくしている。
ただ「疲れた」と殴り書きしてある日もあれば、当時の彼と喧嘩したとか、楽しかったとか、そういう日も、全部が愛しい。
だから、こんなウイルスで閉じこもって、気が滅入りそうになっているのだとしたら、是非文字を。
それは手紙でも、日記でも、記録でも、何でもいい。
「こんなこと考えていたのか」
「こんなフレーズに心が動いたのか」
「難しい言葉に興味を持ったな」
そういう自分の記録になる。
それでもまだまだ書く気になれないな、という方には表三郎さんの「日記の魔力 この習慣が人生を劇的に変える」をぜひ読んでみてほしい。
ここに書かれていたフレーズもまた、私は記録した。
「本当の答えは自分の外ではなく、中にある。」
綺麗な文字の羅列が好き
それは、その文字を生み出すため、自分自身と向き合い整理された言葉だから。
ってこの文章を書きながら、気付いたよ。
早く外に出たいね。
ちょっといいもの食べて、もっといいヒトになりたい。