新元号

新元号が「令和」になることが発表された。
一部では、「命令」の令ではないか、という声もあったようだが、概ね肯定的に受け止められているようだ。

実を言うと、私も最初に連想したのは「命令」や「令状」といった言葉だったので、新元号にはちょっとびっくりしてしまった。
漢字はしばしば複数の意味を持つが、文脈的にここではいい意味で使われていることは自明であり、連想するなら「令嬢」「令聞」「令月」「嘉辰令月」辺りであるべきところ。

刑事ドラマばっかりみていたせいだろうか?
己の不勉強を恥じるばかりである。


改元というと、昭和の終わりを思い出す。
昭和天皇の崩御によって改元の手続きが始まったため、いろいろな行事が喪服や喪章を着けた状態で粛々と進められていたのを覚えている。
また、いつお隠れになるか分からない状態では、政府も企業も予定が立てづらく、困惑していたように思う。

今回は崩御ではなく、退位によるものであるため、喪に服す必要はなく、新元号のスタートに際して心置きなく祝賀ムードを盛り上げることができる。
また、元号自体は1ヶ月前発表とはいえ、スケジュールが事前に分かっていれば、いろいろと準備もしやすい。
新しい時代を始めようという節目に、こういったことはけっこう重要ではないだろうか。

また、陛下に死の間際まで御公務をお願いするのも心苦しいところだ。
今回の生前退位は、よい前例になったのではないだろうか?

ご退位に関する特別法は、今回限りの適用になるという話だったが、生前退位の制度は、恒久的なものとして再検討するべきだと思う。

30年にわたる象徴の勤めをまもなく全うされる陛下が、退位後は心安らかに過ごされることを願いたい。

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