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DeNAの新卒研修はどんなことをするの?2022年入社のデザイナーが半年間の奮闘を語る

みなさん、こんにちは🙋‍♀️
DeNAデザイン本部です。

DeNAの開発・制作現場で活躍しているデザイナーのキャリアや働き方をご紹介するインタビュー企画 「Designer’s Career Crunch」。第7回目となる今回は、2022年にデザイン本部へ仲間入りした2名の新卒デザイナー、ラタン トゥクさんとチェ ジョンウォンさんに、入社後の研修から本配属されるまでの半年間の奮闘について語ってもらいました。

研修内容はマイナーチェンジやアップデートを繰り返しているので来年も全く同じ中身になるとは限りませんが、毎年の大筋の流れは掴んでもらえると思います。特に「新卒では前例がない」とデザイン本部をざわつかせた、両名発案によるプロジェクト秘話は必見です!

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<ラタン トゥク プロフィール>
2022年DeNA新卒入社。入社後はサービスデザイン部第一グループに所属、音声ライブ配信アプリ『Voice Pococha』にて、UI/UXデザインやイベントに関わるデザイン制作、デジタルプライズのディレクションを担当。

<チェ ジョンウォン プロフィール>
2022年DeNA新卒入社。入社後は音声ライブ配信アプリ『Voice Pococha』にてUI/UXデザインやアイテムのディレクションを担当。現在はマーケティングデザイン部に所属し、さまざまなサービスのビジュアルデザインやウェブサイトの運営を担当。
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入社前に感じていたこと。今、感じていること

ーー まずは、入社後の研修から配属までの流れを簡単に教えてください。

トゥク:最初に新卒全員が参加する全体研修がありました。南場会長への質疑応答、UXやマーケティングなどの講座を受けた後にワークショップがあって、いくつかのグループに分かれて課題に取り組みました。そこまでで約2週間です。その後、デザイン本部内の全てのグループから個々の業務に関する説明を受けるなどして1ヶ月目が終了しました。

全体研修での南場会長とのオンラインセッション

2ヶ月目からはジョンさんと共に『Voice Pococha』のデザインチームに仮配属され、主にマーケティングに関わる制作物を担当しました。3〜4ヶ月目くらいからは『Voice Pococha』のUIデザインに携わるようになり、同時に会社の年賀状制作にも取り掛かりました。その後、半年を経たところで本配属、という流れです。

―― 配属先はどちらですか?

トゥク:私は『Voice Pococha』のチームを希望し、そのまま本配属されました。所属はサービスデザイン部です。仮配属で既にチームメンバーとの関係値が深まっていたし、事業の理解が進んできたタイミングで別の部署に行くのは、自分が目指すデザイナー像に求められるスキルを身に付けるための近道ではない気がして。やりたい業務がまだはっきりしていなかった、というのもあります。

ジョン:私はマーケティングデザイン部に配属されました。仮配属された『Voice Pococha』で資料に目を通していた時、サービスの世界観を創り上げる業務に魅力を感じたんです。そこで、マーケティングやブランディングなどを担当されている先輩デザイナーに繋いでいただきました。1on1などでじっくりと話をする機会を得て、自分の望むものはこの方向だな、と明確になったので。

―― 本配属から2ヶ月と少し経ちました。もう業務には慣れましたか?

ジョン:はい。毎日とてもハッピーです!今はキービジュアルやランディングページのデザインなど、2〜3案件ぐらいを並行して担当しています。スポーツやゲームなどテイストがさまざまで、いつも新鮮な気持ちで業務に取り組めています。

2022年新卒入社のジョン

トゥク:現在はUIデザインが中心ですが、最近は先輩デザイナーと組んでイベント設計などの未経験分野にもトライしています。任せてもらえる範囲や裁量がちょっとずつ広がってきているのが感じられて、とても楽しいです!

―― ちなみに、お二人はなぜDeNAを志望されたのでしょうか?

トゥク:学生時代からサービスデザインの領域に進みたいと考えていて、エンタメ領域と社会課題領域の両方に携われることに魅力を感じていたんです。身を置きたいと思える方向は定まっていなかったし、とにかくいろいろな経験が積みたかった。どちらにも行ける環境があるのは自分にとっての最重要ポイントでした。

ジョン:私もトゥクさんと似ています。UI/UXデザイナーとしていろいろな事業に携わることができる会社がいいな、と考えていました。また、デザイナーとしての得意分野を見つけられて、かつさまざまな分野のデザインに挑戦できそうだな、と会社説明会で感じたのも大きな理由です。社会課題領域の事業も手掛けているのに堅すぎるところがなくて、割と自由な雰囲気だったのも好印象でした。

トゥク:自分は大学3年生の時にDeNAのデザイナー職のサマーインターンに参加した経験も大きかったです。メンターさんとたくさんやりとりする中で、すごくロジカルなんだけど感覚的な部分もあるというか、そこをうまく行き来しているな、という印象があって。職業柄、クリエイティビティは大事ではあるのですが「じゃあ、そのサービスをどうやってお客さんに届けるの?」という視点をインターン中にすごく問われたんです。この会社ならそういったスキルも鍛えられるかな、と。

2022年新卒入社のトゥク

全体研修を終え、いよいよデザイン本部へ

―― では、研修内容について聞かせてください。全体研修のワークショップはどのような内容だったのでしょうか?

ジョン:全職種がミックスされたチームに分けられ、そのチームで課題に取り組みました。テーマは「コミュニケーションアプリの進化形をつくる」。実装はしないのですが、デザインスプリントという枠組みに沿って企画を考え、最後に成果発表をしました。

私のチームは「TPOによって自分のキャラクターを使い分けることはあるのに、チャットアプリってプロフィールを1つしか登録できないのは不便だよね」という話になって。なので、チャットごとにプロフィールを変えられるようなアプリを考案しました。

トゥク:私のチームはコミュニケーションを簡素化できるアプリを企画しました。例えば、誰かをどこかに誘う時って「○○日に△△へ行きませんか?」とまずテキストを送り、数回のやりとりを交わした末に行くか行かないかの結論に辿り着く、という流れになりますよね。そこをすっ飛ばして「行くか行かないか」だけで済ませるようなイメージです。

―― 全体研修を終えた後のデザイン本部の業務説明はどのような感じでしたか?

トゥク:プロジェクトごとにデザイナーの方々にお越しいただき、オンラインで業務内容の説明を受けました。それぞれのサービス概要と、どんな人がいて、その中でデザイナーはどういう役割を担っているのか、というようなことをざっくばらんにお話しいただきました。

ジョン:今はオンライン業務が主流で社内が見えづらかったので、どんなプロジェクトがあり、どんなデザイナーがいるのかを知れるいい機会になったし、配属希望を出す上での参考にもなりました。

トゥク:あと、このタイミングでデザイン本部から10冊の書籍をプレゼントされたんです。これには少しプレッシャーを感じました(笑)。

―― え、10冊も!?どんな本だったのでしょう?

ジョン:UI/UXデザインからユーザー心理に関わる内容のものまで、多岐に渡る書籍をいただきました。正直、まだ読了できていません(笑)。

デザイン本部から贈られたブーケとWelcome Bag

初めての業務で直面した困難、そこから得た学び

―― 入社2ヶ月目は『Voice Pococha』事業部へ仮配属されての研修ですね。実際に手を動かす仕事が始まりました。

トゥク:はい。私はプライズとバナーの制作を担当しました。プライズとは『Voice Pococha』のイベント企画内で多くのポイントを獲得したライバーさんにお渡しする景品のことです。デジタル景品とリアル景品があるのですが、私が担当したのはデジタルの方。

配信を始めて1週間の新人ライバーさん限定のルーキーイベント企画があり、それ用のデジタルプライズとバナー制作が最初の業務でした。新人ライバーさん達の期待感や参加意欲が高まるようなデザインを目指して作りました。

『Voice Pococha』のプライズとバナーのデザイン

ジョン:私は、配信を見ている視聴者さんがライバーさんに向けてリアクションするためのアイテムの企画や、既存キャラクターの設定イメージに合うような表情やアニメーションの動きを考えて指示書を作成し、制作会社さんとやりとりする、という業務を担当しました。

『Voice Pococha』はサービス開始から間もないので、キャラクター設定などもまだ細かく決まっていないところもあり。なので、キャラクターやアイテムのアニメーションの動きによって新しい側面を見せていくというか、世界観がどんどん拡張していく感じを意識しながらアウトプットするようにしました。

『Voice Pococha』の新アイテム訴求バナーとアニメーション制作指示書

―― 制作はスムーズに進行しましたか?初めての業務で難しかったり戸惑ったりしたこともあったのでは、と想像しますが…。

トゥク:私自身、大学でサービスデザインやUIを専攻していて、グラフィックデザインには苦手意識を持っていたんです。でも、これはグラフィック制作のタスクだったので、頑張ってテンションを上げながら取り組んだものの、かなり悩みました。

ライバーさんは1〜3位まで順位付けされるので、どうやって1位と3位の差分を出していけばいいのか。これをマスターとして毎月使用することになるので、汎用的なデザインにするにはどうすればいいか。とにかくたくさんのサンプルを作って検証する作業をひたすら繰り返しました。1つのリボンをデザインするだけでもいくつものパターンを用意したり…。

―― 感性ではなくロジックでデザインを詰めていった、と。

トゥク:感覚で手を動かすのは苦手な反面、リサーチは得意なので、どんどんリサーチしてそれを言語化していけばいいんだ、という自分なりの方法論をこの業務を通して見つけることができたように思います。終わった後にチームの方々から「トゥクさんはちゃんとリサーチした上で手を動かして、それを組み替えていくというロジカルな部分ができているから、そこを伸ばしていけば大丈夫」と言われてすごく嬉しかったです!

―― グラフィックデザインへの苦手意識も克服できたのですね。ジョンさんはいかがですか?

ジョン:私はトゥクさんと違って、全てを感覚で進めていくタイプなんです。『Voice Pococha』はまだ世界観が細かく設定されていないのもあって、結構自由にやらせてもらえました。こういうアイテムがあったらいいよね、という感じでアイデア出しやアウトプットしていく作業はとても楽しかったです。

その一方で、制作会社さんへの指示書作成において、アニメの動きの微妙なニュアンスが伝わらないことがあるのが悩みどころでした。やり取りを繰り返しても伝わらない場合は、自分でアニメーションのサンプルを作ってみたり…。学生時代に制作会社でアルバイトしていたことがあるのですが、トンマナが決まっているクライアントワークが中心で、出された指示の背景や意図についての説明がないまま作業することがほとんどでした。そういった状況に戸惑うことも多かったんです。

初めて発注する側になり、自分のイメージをどのように他者へ伝えていけばいいのかを深堀りするようになりましたし、とてもいい学びになったと感じています。

企画からリリースまで。2人で奮闘した前代未聞のプロジェクト

―― 3〜4ヶ月目頃には『Voice Pococha』のUIデザインと、会社の年賀状制作の業務が加わりました。これはお二人で業務に当たられたのですか?

トゥク:UIデザインはそれぞれ別の先輩デザイナーと組んで作業しました。年賀状は総務グループの案件で、ここ数年は毎年新卒デザイナーが担当しているとのことで、2人で業務に取り組みました。

『Voice Pococha』のUIデザイン

―― 年賀状制作はどのように進行したのでしょうか?

トゥク:例年は年賀状と贈答品(お年賀としてお渡しするもの)の制作をしているのですが、昨年までは新卒デザイナー同士のコンペ方式で、各々提出したデザイン案の中からマネージャー陣が選んでいたようなんです。

今年はジョンさんと私でそれぞれ異なるスキルセットを持っていたので、競い合うよりも協力し合ったほうがいいものが生まれるんじゃないか、という話になり、会社に伝えて了承を得ました。最初にざっくりとしたスケジュールを決めて、アイデア出しなどをお互いに指示し合いながらまずは進行し始めました。

―― どのような分担で進めたのか聞かせてください。

ジョン:自分はビジュアル作りの方が得意というか今後伸ばしたいところで、トゥクさんは情報整理や場づくりが得意なので、トゥクさんにディレクター的な動きを、自分はプレイヤーとして手を動かす作業を、それぞれのメイン業務として分担しました。ただ、時間がない時などはお互いのヘルプに入ることもあります。

―― 特に工夫した点などはありますか?

ジョン:今回は贈答品の趣向を変えました。例年は全ての方々へ同じものをお渡ししていたのですが、DeNAが運営する多岐に渡るサービスに興味を持っていただきたかったので、それにまつわるグッズを多数用意しました。スポーツの観戦チケットなどもあります。

また、DeNAのミッションである「一人ひとりに 想像を超えるDelightを」を体現したかったので、イベントとして楽しめるように今年はくじ引きサイトを作成しました。

年賀状のデザインも、DeNAのサービスをモチーフとして使用することにし、イラストを自分で描くことも考えたのですが、ゲームのイラストを描いている社内の方にお願いしました。

という形で、イラストレーターさんやエンジニアさんをはじめとしたたくさんの方々や事業部に話を持ち込んでプレゼンし、ご協力いただいて進めることができました。

年賀状デザイン
くじ引きサイトのデザイン

トゥク:くじ引きサイトは法律上クリアしなければならない要件があるので、法務部とのやり取りも大変でした。まず自分たちがやろうとしている企画を伝え、お願いしたい要件を整理し、スケジュール管理や他部署とのコミュニケーションも密に取って…。企画立案からリリースまでのタスクって本当に多いんだな、というのを実感しました。

―― お話を聞くだけでも、ものすごくハードなのが伝わってきます。

ジョン:そうですね。私の場合は自分のイメージを他者にどう伝えるか、という課題がここでもありました。イラストレーターさんとのビジョンのすり合わせがうまくいかず、ご迷惑をおかけした部分もあったと思います。

トゥク:でも、自分たちで全てを用意し、スケジュール通りに進行するための立ち回りを考え、企画にOKをもらった時は本当にうれしかったし、その過程も楽しかったなあ。

ジョン:うん。あと個人的な感想を言うと、今までWebに関してはデザインだけを渡して終わり、みたいな感じだったのですが、実装の過程を知ることができたのが楽しかったです。エンジニアさんと、このデザインをプログラムでどう演出したいか、どう反映させたいか、などディスカッションできたのがものすごく勉強になりました。

―― DeNAのお年賀プロジェクトって、そんなにも時間をかけるんですね。1年目でここまでの業務を任されるなんて、想像できましたか?

トゥク:いや、全く(笑)。予算組みの調整も全てやったんです。贈答品はもちろん、デザインや実装の予算もどれくらいかかるかを調べて総務グループに最初に見せた時は「これは膨らみすぎですね。こんなに予算かけられません」とフィードバックがあって。ならばと、例えば実装の予算を削るためにエンジニアさんのところに出向き、イメージに近づけるためにはどの部分を優先的に開発すべきかのすり合わせをしたり。そういったコミュニケーションや調整作業の繰り返しでした。

ジョン:終盤へ近づくにつれ、デザイン以外の調整が多くなってきました。例えば、年賀状の印刷をするためにお見積もりを取って発注書を作って、請求書をいただくといった今まで知らなかった作業も経験しました。わからないことだらけなので先輩にアドバイスを仰いだのですが「デザイナーとしてやったことないな、、」って(笑)。

トゥク:自分たちで企画して始めたことだけど、ここまで苦労を積極的に買いに行くなんてレアケースなんだろうね、とジョンさんと話しています(笑)。

ジョン:経験値が圧倒的に低い新卒社員にここまでやらせてくれるなんて、驚きですよね。実はこのプロジェクトで、失敗や間違いを何度か起こしてるんです。この過程で経験した数々のしくじりは絶対に今後に活きると思っていますし、根気強く見守ってくれた諸先輩には感謝しかないです。

目指すデザイナー像と学生へのメッセージ

―― 今、目指しているデザイナー像があれば教えてください。

トゥク:これは就活時から面接などでずっと発言してきたことなのですが、最終的には出身地のベトナムで起業したいと考えています。まずは自分1人で事業を引っ張っていける、土台作りができる、そんなデザイナー像を持っています。そこを目指し、まずは『Voice Pococha』で事業の本質の理解に努めつつ、どうやってサービスを運用していけばいいのかを学んでいます。

―― デザイナーの枠にとらわれずに活動していきたい、ということですか?

トゥク:あくまでデザイナーだけど、ビジネスが理解できて、かつミニマムなものをつくるためのデザインの方法論みたいなものを見出せる視点が必要だと思っているんです。そういうスキルを身に付けたデザイナーになりたいです。

―― ありがとうございます。ジョンさんはいかがですか?

ジョン:とにかくかっこいいものをつくるデザイナーになりたいです。最終的には世界観や方向性などを提案できるようなアートディレクターを目指しています。まずはマーケティングデザイン部で多様なテイストの案件を全てこなせるようになることが、この1、2年の目標です。

―― では最後に、新卒1年目のデザイナーとして、DeNAを目指す学生にメッセージをお願いします。

ジョン:年賀状プロジェクトでもわかるように、自由に泳がせてもらえる会社です。自分で道をガツガツ切り開くのに楽しさを感じるタイプなら、きっと楽しめるし、成長もできると思います。

トゥク:まず、UI/UXデザイナーを目指すなら、学生のうちにたくさんの経験を積み、いろんな価値観をインプットすることの大切さを声を大にして伝えたいです。何か物を1つ買うだけでもいろんなUXがあるということを意識するといいと思います。というのも、一度現場を知ってしまうと「ビジネスってこんな風に成り立ってるんだ」「この店のこのUXを実現するのに、こんな大変なことあったんだろうな」などと視点が変わってしまい、カスタマー目線を持ちづらくなります(笑)。

「やってみたいことがありすぎてどうしよう…」と感じている学生って少なくないと思うんです。DeNAのデザイナーが持つバックグランドは実に多様で、それぞれが持つスキルセットも、経験してきたことも、本当に幅広い。自分が将来どうなりたいか、今はまだ見えていなくても、その輪郭が見えてきた時に目標となるような方々がたくさんいらっしゃいます。いろんなことに挑戦してみたいデザイナー志望の学生は、ぜひDeNAを目指して欲しいです!

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