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素人のカブトムシ飼育記録

 以前、子供時代にカブトムシの幼虫を捕まえて、(放置して)成虫にまで育てた話を書きましたが、大人になってから、カブトムシを卵から成虫まで育てたことがあります。

 きっかけは、子供に買ってあげた雌雄二匹のカブトムシでした。どこか忘れましたが、たぶん観光地の道の駅で売られていたカブトムシだったと思います。小さな観察ケースに入っていて、割とおおきなカブトムシでした。買ってあげた当初は子供も喜んで、観察していました。エサには、ホームセンターで売っているゼリーをあげていました。しかし、段々と興味も薄れ、夏休みが終わる頃には両方とも死んでしまいました。二匹の遺骸は、子供と近くの松林に埋めに行きました。

 飼育ケースはしばらく放置していましたが、そろそろ綺麗にかたずけようと覗いてみると、何やら小さな白い粒が見えました。「ひょっとしたら、カブトムシの卵かも」と思って調べてみたら、図鑑に載っているものとそっくりでした。この時、小学生の頃のカブトムシの幼虫の記憶が蘇りました。「よし、今度は卵から育ててみよう!」と無謀な考えを起こしました。

 もちろん未経験ですから、何もわかりません。とりあえず、餌のゼリーを買ったホームセンターに行くと、カブトムシを育てるための土(木屑)が売っていました。丁度いい大きさの飼育ケースが無かったので、使っていないプラスチックの衣装ケースに買ってきた木屑を入れ、さらに卵の入った飼育ケース内の土を投入しました。1週間くらい放置すると、小さな幼虫が動いているのが観察できました。「やっぱり、卵だったんだ!」。卵の数は、最初は2-3個と思っていましたが、幼虫は10数匹いました。

 カブトムシの幼虫は、大食いです。カブトムシ用の木屑が瞬く間に、黒くて卵型の糞に代わっていました。3回くらい糞を捨てて、木屑に交換したと思います。冬前までには、でっぷりと丸々太った大きな幼虫に育ちました。衣装ケースは、ベランダに置いていました。冬から春にかけては、またしばらく放置です。

 冬を越して、春ごろには蛹化のために、糞の掃除をして木屑を入れ替えました。これからまた、初夏まで放置です。7月頃に、少し土をどけて様子を見てみると、蛹化が完了して蛹になっていました。それからしばらくすると、成虫になった雌雄のカブトムシが、地面にワチャワチャと出てきました。全く知識のない素人でしたが、『卵から成虫』を無事に達成することができました。

 生態系の事を考えて、自然に戻したり、誰かにあげたりしていません。自分の家で観察するだけに留めました。ちなみに、二年連続で飼育して、次の年には百匹くらいに増えました。さすがに飽きてきたので、この年で飼育を終了しました。

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