発達障害の基礎知識をアップデートする(第一回)~ハッタツ民の方舟 第8回

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※筑波大学DAC(ダイバーシティ・アクセシビリティ・キャリア)センター作成

現在の発達障害(神経発達症群)の定義
いわゆる『発達障害』は以下の3つ

現在、いわゆる「発達障害」は「神経発達症群」という大きなくくりの一部である
「障害」を医師が診断すべきではない、という動きがある
「自閉症」「アスペルガー」「広汎性発達障害」はASDに含まれ、DSM-V(最新の診断基準)では診断名に存在しない
ASDとADHDは併発するケースが多いという複数の医師の見解がある

ASDの特徴
・コミュニケーションの障害
・興味の限局と情動的・反復的行動

ADHDの特徴
・不注意
・多動・多弁(脳内多動)
・衝動性

SLDの特徴
・「読む」「書く」「計算する」などの能力のうち一つ、ないし複数に極端な苦手がある

他に
知的能力障害群(ID)
コミュニケーション症群(CD)
発達性協調運動症(DCD)
チック症
など、より多様な疾患も神経発達症に含まれる

※神経発達症(発達障害)の定義が複雑な理由の一つに、
公的機関→『ICD』基準/判定
医療機関→『DSM』基準/診断 (※補助で『ICD』)
という基準の違いがある

DSMとICD

発達と定型のスペクトラム

従来の見方
より実態に近い?仮説

医療モデルと社会モデル
「医療モデル」
ex.特性が(強く)存在する→神経発達症(発達障害)と診断→薬を含む様々な手段で特性をコントロールする(本人を変える)
※医療の側は、特に子どもへの投薬は慎重な傾向がある
「社会モデル」
ex.「車椅子の人は階段を上れない」→「階段の存在を容認する社会が障害を作り出している」→スロープを作る(社会の側が変わる)

診断と通院
簡単に診断を出すところと、慎重なところがある
診断が必要だと思うなら、ドクターショッピングもあり
診断を受けることには(定型社会を生きる上で)大きなデメリットもあるので、慎重な判断が必要
※発達障害以外の病気(精神とも限らない)が隠れている可能性もあるので、そこも慎重に

発達グレー
診断は医師の判断に任されるので、「発達障害」の診断を出したがらない医師が出しがち?
「困りごと」を強調することで診断がおりたケースもある

WAIS/WISC(知能検査)
言語理解・知覚推理・ワーキングメモリー・処理速度
個々の数値より、凸凹が重要

二次障害
発達障害者は鬱病・双極性障害・統合失調症などの二次障害になりやすい
日常生活でのストレスが原因と思われるが、遺伝的要因がある可能性

障害受容
本人の受容・家族の受容・周囲(職場・学校)などの受容
カミングアウトの問題

感覚過敏・鈍麻
五感の一つないし複数に極端な過敏・鈍麻があり、日常生活を送る上で困難を抱えている。発達障害者に多い?
感覚過敏者はそれが「当たり前」なので、自分が感覚過敏で消耗していることに気づかないことも多い
たとえば視覚(光)過敏なら、照明の調整やカラーグラスで軽減することができる
聴覚過敏にはイヤーマフ、デジタル耳栓などの対策がある
感覚過敏からチック(不随意な動作)が出ることがある

サイレント・ベビー
感覚過敏で「泣くと余計不快なこと(抱かれる、あやされる)をされる」からサイレントになる?
(なんさんの仮説)

共感覚
五感の一つないし複数に、他の感覚が同期する(音に色がついて聞こえるなど)

文字に色がついて見えるケース

刈り込み仮説
人間の脳は発達過程でまずシナプスを爆発的に増加させ、それから不要なシナプスが刈り込まれるという発達過程を取るという仮説
その刈り込みが不十分だと、発達障害や共感覚・感覚過敏・鈍磨が発現するのではないか?

感覚過敏/鈍磨・共感覚と発達障害の関係については、以下の書籍に詳しい

ライフハック部


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