見出し画像

予定日超過、どうしようもできない私たち #妊娠の記録

「どうですか、何か変化ありましたか?」
診察室に入って早々、先生が抑揚大きめに尋ねてきた。

妊娠39週5日目の妊婦健診。「いやー、何もないです」と困ったふうな感じで応える私。エコーやNSTの結果は、良くも悪くも異常なし。赤ちゃんはほとんど下りてきていてもないし、子宮口の開きは1cmに届かないくらいだという。つまり、ほぼ開いていない。

「運動とか、何かできることはないですか?」と聞いてみたけれど、運動すれば効くというわけではないらしく、こればっかりは赤ちゃんが下りてくるのを待つしかないという。

翌々日の金曜日、再び産科へ。この日は出産予定日だったけれど、やはり進展なし。週明け月曜に再診し、変化なければさらに数日後に診てみて、動きなければ誘発分娩になるという。

「予定日を過ぎると、胎盤の機能は落ちていく一方なので、お産を引き延ばす理由はない。もう来週にはお産にしますので」と、2日前と同じ話をされ、とか言うわりには、入院の日程が直近になりそうな気配もなく、気が遠くなる。先生はできるだけ自然に陣痛が来るのを待ちたいという意向なのだろう。しかし、「胎盤の機能が」と言われると、妊婦の側としてはリスクが低いうちに産みたい気持ちにならざるを得ない。

いずれにせよ、この週末が夫と2人で過ごす最後の週末で、来週のどこかしらでは入院になる。出産のタイミングは赤ちゃんの気分次第。どうしようもできない私たちは、晴天に恵まれた土日を、ガシガシお散歩して、おいしいご飯を食べて、来る時をただ静かに待つことにした。