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人の集まり方をデザインするという本を読んだった。

千葉学さんという建築家の本を読んだ。
最近インタラクションデザインについて理解を深めたいと考えていた僕からするととても刺激的な一冊だった。しかし、読みやすくはなかった。

千葉さんが建築を通じてやりたいこと

彼は建築の永遠のテーマは、どのような人が集まりかが最も相応しいのかを考えることであるとのべていた。そして、千葉さんが長年建築を通じて考えてきたことは、建築を置くことによって新しい敷地環境を生み出すことだという。
僕は、このことを建築のテーマと絡めて、人間と建築と環境がインタラクションすることで、そこに相応しい人の集まり方を生み出すのではないかということであると解釈した。
ここでいうインタラクションは何を指し示すのかというと、人間と建築と環境がお互いの「らしさ」を語り始めるということである。
その三つの要素がインタラクションすることでその場所固有の人間の行動・建築・環境を新たに作り出し、その場所に相応しい人の集まり方を作り出す。

どのようにそれぞれのインタラクションをデザインするのか

建築と環境のインタラクションデザイン

建築と環境がお互いを語り出すためには、その敷地環境を含めたさまざまなコンテクストを理解して構築していくことで作ることができる。建築の世界では、都市設計も視野に入れて設計していく手法が既に採られているらしい。

人間と建築のインタラクションデザイン

人間と建築がお互いを語り出すためには、普遍的な空間にするべきだとこの本を読んでいて思った。
日本盲導犬総合センターの設計の話の一説がそれに通ずると思う。

敷地のこともプログラムのこともさんざん考えた挙句に出来上がった空間が、どこかその敷地からもプログラムからも遊離したかたちで成り立ちそう

「人の集まり方をデザインする」より

その建築「らしさ」を創り出すのは人間の行動と敷地環境だから、もしも、建築が建築自身を語り出してしまうと、それは人間にとって使いにくい空間になり、3つの関係が破綻してしまう。
建築自身を語り出してしまうとは、その中でやれることが極端に限られてしまうことで、ある用途にのみしかその建築を扱えない。そのような空間は、サステナビリティーを欠き現在のトレンドにも確かに合わないなと個人的にも感じた。
さまざまな体験を構築できる空間。そこを住居、幼稚園、ホテルにしてもいい。そんな空間を普遍性がある建築だと考えている。

UXデザインをしている僕もこのことは、すべてのデザイン分野にとって重要なことなのではないかと思っている。
できる限り自由な体験ができるようなサービスにしたいのであれば、さまざまなインタラクションを考える必要があるし、特定の体験のみをさせたいのであれば、その分用意すべきインタラクションの数も減る。
人によって利用しているあなたのサービスの意味や利用価値はさまざまだ、インクルーシブデザインやユニバーサルデザインが広まっている中でさまざまな特性や目的を持ったユーザーが使える普遍性のあるサービスをどう構築していくかを考えることが必要だと感じている。
そのユーザーとサービスとその環境がどのように相互作用していくのかを想像してデザインをしていけたらなと思うのだ、

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