しゅう | 美術とデザイン初心者のつぶやき

文系大卒社会人(25歳)が美術とデザインを初めて学び、生じた疑問・感想を投稿|苫小牧高…

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文系大卒社会人(25歳)が美術とデザインを初めて学び、生じた疑問・感想を投稿|苫小牧高専電気→東北大経済→UXデザイナー兼 桑沢デザイン研究所 基礎造形専攻在学

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最近の記事

循環のデザインを探す -地球で共に生きるために

先日「社会人3年目に思うこと」という記事でこんなことを書いた。 自分にとって居心地の良い生き方を考えたときに、前者には違和感を感じるが後者はなんだか腑に落ちる。 事実そうせざるを得ない時代が来る、というか今そうであるからだろうか。 とにかく社会人3年目の今、後者の考え方でいる方が自分にとって自然に感じるのである。 この考え方は調べてみるとサステナブルデザインやサーキュラーデザインというらしい。サステナビリティという言葉は既に浸透しているが、個人的にはビジネスチックに感

    • 浮世絵と引き札 -日本のポスターデザインの起源

      イメージには、強い力がある。一枚のポスターが行動を促したり、感動を与えることもある。 産業革命、そして大量消費社会の到来に伴い、デザイナーという職業が生まれたのはここ最近だが、人間は紀元前からコミュニケーションの手段(記号・文字etc..)や鑑賞の対象(壁画、絵画etc..)、さらに商売を拡大する手段(ポスター、チラシ)として生活の中に取り入れてきた。 どの時代にもイメージを構成する職人がいたわけだが、今回は日本におけるポスターの起源として、浮世絵と引き札について調べてみ

      • 20世紀のグラフィックデザイン3選 -造形の試行からプロパガンダまで

        20世紀は2度の大戦、大量消費社会の到来と激動の時代であった。この時代に生まれたグラフィックデザインは、現代のデザインに多大な影響を与えている。 今回は20世紀に起こった3つのデザインの流れ、さらにデザインの持つ政治性についても調べてみた。 バウハウスバウハウスについては、こちらのnoteで詳しく触れている。1919年にドイツに誕生した学校「バウハウス」は、造形に関する壮大な試行でありスタイルではない。教師と学生が生み出した実験的で多種多様なデザインは、今日のデザインに大

        • 桑沢デザイン研究所 夜間付帯教育 基礎造形専攻に入学しました

          自己紹介 こんにちは! yun改めしゅうです。 一度は学んでみたかったけど、なかなか手を出せなかった美術やデザイン。 このnoteでは1年前頃から美術・デザインの歴史や展覧会の感想について投稿してきました。今までの記事こちら。 私はこれまで高専で電気工学、大学では経済と美術やデザインに触れる機会がなく、展覧会に足を運んだり、本を読んでみたりと手探りで勉強していました。 そんなとき見つけたのが、桑沢デザイン研究所 夜間付帯教育 基礎造形専攻。見つけた瞬間これだと思い、

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        • 非美大卒が0から造形を学ぶ
          16本
        • 展覧会を楽しむ
          10本

        記事

          社会人3年目に思うこと

          自己紹介 この春社会人3年目になりました。 北海道で育ち、仙台の大学に通い、2022年関東へ。今は都内のIT企業で働きながら、桑沢デザイン研究所の夜間付帯教育に通っています。 昨年まで東京•神奈川に住み、今は埼玉に引っ越して通勤しています。会社まで往復4時間、本読んだりipadで絵書いたり。 現在の職種はディレクター&UXデザイナーです。 桑沢の話はまた今度書くとして、社会人3年目で思うことを書いてみます。 学生のときと世の中の見え方が全然違ってきました。ビジネスと

          シュルレアリスムとダリ

          サルバトール・ダリ(1904-1989)は20世紀に活躍したシュルレアリスムを代表する画家である。 現在、角川武蔵野ミュージアムで『サルバトール・ダリーエンドレス・エニグマ 永遠の謎ー』が開催中。シュルレアリスムに関連して3月より、板橋区立美術館で『『シュルレアリスム宣言』100年 シュルレアリスムと日本』、4月より東京都美術館で『デ・キリコ展』も開催予定だ。 今回は展覧会をより楽しむために、シュルレアリスムとは何か、シュルレアリスムとダリの関係について調べてみよう。

          マレーヴィチとロシアアヴァンギャルド

          マレーヴィチ(1878-1935)は20世紀始めにロシアで活躍し、抽象絵画の基礎を築いた画家と評されている。 今年国内で彼にまつわる展覧会が開催される予定はないが、「抽象美術入門」を読んでいてどうしても調べたくなった。彼の代表作「黒い正方形」、そして「シュプレマティスム」の考え方は当時賛否両論を巻き起こしただろう。(展覧会では否がほとんだったという) 私は上記を本で知った時、気分が高揚した。私自身、ポスターやその他のグラフィックよりもピクトグラムなどのよりシンプルな造形に

          マレーヴィチとロシアアヴァンギャルド

          美術館以外で美術品に出会う?|非美大卒が0から造形を学ぶ#14

          日々の生活の中で美術が話題になることはあるだろうか。 私自身、つい昨年美術に興味を持ったばかりで、それまで気に留めたことがなかった。唯一印象に残っているのは、バンクシーが高額で落札されたというニュースを見たくらいだ。 当時北海道に住んでいて、そもそも美術館が身近ではなかったためそのようなニュースを聞くと、どうしてもお金持ちのための権威誇示や投資対象として感じてしまっていた。(世界の落札ランキングを見てみると、異常な値段がついている) そんなイメージはあったもの、実際に美術

          美術館以外で美術品に出会う?|非美大卒が0から造形を学ぶ#14

          美術品の運送と展示|非美大卒が0から造形を学ぶ#13

          美術展ぴあ2024をめくる今日この頃。今年も注目の展覧会が目白押し。 そんなときふと思ったのが、美術品はどんな人がどうやって運んでくるんだろう?ということ。各国から非常に繊細で社会的にも資本的にも貴重な美術品が運ばれてくると考えると、もう想像できないほどの緊張感。。 モナ・リザがアメリカが展示される際には、ジャクリーン・ケネディ大統領夫人(当時)が交渉に参加するほど、政治レベルの調整が必要があったようだ。 調べてみると横浜美術館が主催するポッドキャストに日本通運株式会社

          美術品の運送と展示|非美大卒が0から造形を学ぶ#13

          ロートレックと印象派 -『ロートレック展 時をつかむ線』をより楽しむ

          ロートレック(1884-1901)は19世紀後半のパリで活躍した画家である。 今年はSOMPO美術館で『ロートレック展 時をつかむ線』、三菱第一号美術館で『再館記念ートゥールーズ=ロートレックとソフィ・カル』の開催されるということで、さらに注目を集めている。 展覧会をより楽しむために、ロートレックの生い立ち、そして画業について調べてみよう。 ポスト(後期)印象派とは?時にロートレックはポスト印象派と呼ばれる。ポスト印象派は、1886年から1905年にかけて主にフランスで行

          ロートレックと印象派 -『ロートレック展 時をつかむ線』をより楽しむ

          『マリー・ローランサン ―時代をうつす眼』アーティゾン美術館

          待ちに待った展覧会がスタートした。 ローランサンの作品との出会いは、現在開催中のキュビスム展だった。 閉館30分前、静まり返った国立西洋美術館で見た絵画は、画面の中に吸い込まれていくような不思議な力があって離れられなくなった。 彼女は美術学校の学生だったとき、キュビスムの創始者であるブラックに見出され「洗濯船」と呼ばれる集合アトリエに通うことになった。当時の前衛芸術の中心にいながら、4色を使った独自の画風を作りあげたローランサンの作品が一堂に会する。これはいくしかないだろ

          『マリー・ローランサン ―時代をうつす眼』アーティゾン美術館

          アート初心者が見つけた、美術館をおトクに楽しむコツ5選|非美大卒が0から造形を学ぶ#12

          こんにちは!2年目UI/UXディレクターのyunです。 今年の7月に初めて展覧会に行ってからはや3ヶ月。美術のことを全く知らなかった私ですが、気が付けば沼にはまって毎週美術館に行くようになりました。 今回はそんな私が見つけた、美術館をよりおトクに楽しむためのコツを5つ紹介していきます!それではスタート! ①穴場は平日夕方!作品を独り占め!美術館に行ったらじっくり作品を眺めたいですよね!人気の展覧会の場合、ネット予約をして行っても会場内が大混雑になります。 そこでおすすめ

          アート初心者が見つけた、美術館をおトクに楽しむコツ5選|非美大卒が0から造形を学ぶ#12

          アーティストの考え方に触れる|非美大卒が0から造形を学ぶ#11

          こんにちは!2年目UI/UXディレクターのyunです。 一度は学んでみたかったけど、なかなか手を出せなかった美術やデザイン。 文系大卒社会人が初めて学び、生じた疑問、感想を毎週投稿。なんでもありの備忘録。 今回は「非美大卒が0から造形を学ぶ」シリーズ第11回。それではスタート! 本を読んでみる表現をする、作品を作る時、何を考えているのでしょうか。普段の生活で何に触れてどんなことを思っているのでしょうか。 この機会に一歩足を踏み入れて、覗いてみようと思います。まずは本を

          アーティストの考え方に触れる|非美大卒が0から造形を学ぶ#11

          『抽象―ワカラナイを楽しむ』川越市立美術館にて日本の抽象美術に触れる

          川越駅からバスで15分。 小江戸を抜けた先に見えるのは川越市立美術館。 この美術館では、常設展示室の展示テーマが四半期ごとに変わる。(入場料は200円) 今回開催されているのは『抽象―ワカラナイを楽しむ』。鑑賞者に寄り添ったタイトルで、気になっていた展示だ。 抽象絵画はその見た目の美しさだけで楽しむのは難しいときがある。マーク・ロスコなど直感的に好きな絵画はあるが、それをより楽しむには美術史における文脈、人物を知ることが必要だろう。 しかし、この展示では「分かることを

          『抽象―ワカラナイを楽しむ』川越市立美術館にて日本の抽象美術に触れる

          『私たちのエコロジー:地球という惑星を生きるために』開幕初日に行ってきた!

          2023年10月18日。 待ちに待った「私たちのエコロジー:地球という惑星を生きるために」開幕初日。 行って本当によかった。現代アートに対する印象が大きく変わった展覧会だった。 正直現代アートは難しい、分からないというイメージがあった。しかし、今回は「エコロジー」がテーマでアーティストだけでなく、まさに私たち自身が当事者である。このテーマに対して、アーティスト・美術館はどう関わるのか。私たちはそれを体験し、何を思うのか。 「現代アートの楽しみ方を知る」そして「自分の生き

          『私たちのエコロジー:地球という惑星を生きるために』開幕初日に行ってきた!

          デザインの原点、バウハウスとは何か|非美大卒が0から造形を学ぶ#10

          こんにちは!2年目UI/UXディレクターのyunです。 一度は学んでみたかったけど、なかなか手を出せなかった美術やデザイン。 文系大卒社会人が初めて学び、生じた疑問、感想を毎週投稿。なんでもありの備忘録。 今回は「非美大卒が0から造形を学ぶ」シリーズ第10回。それではスタート! バウハウスとは何かバウハウスとは何か?この問いに答えることは難しく、今まで何冊も本が出版されるほどです。第一次世界大戦直後の20世紀前半、ドイツに14年間した存在しなかったバウハウスは、今や現代

          デザインの原点、バウハウスとは何か|非美大卒が0から造形を学ぶ#10