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読書記録|『もう別れてもいいですか』垣谷美雨 ― 結婚って何だろう?

2024年もスタートしました!
今年の目標の1つは「毎月5冊以上本を読む」こと。
積極的にnoteでも読んで感じたことをアウトプットしていきたいです!

早速、今年1冊目に読んだ垣谷美雨さんの『もう別れてもいいですか』の感想を書いていこうと思います。




まず、どんなお話かというところから

58歳の主婦・澄子は、横暴な夫・孝男との生活に苦しんでいた。
田舎の狭いコミュニティ、ギスギスした友人グループ、モラハラ夫に従うしかない澄子を変えたのは、離婚して自分らしく生きる元同級生との再会だった。
勇気を振り絞って離婚を決意するも、財産分与の難航、経済力の不安、娘夫婦の不和など、困難が山積。
澄子は人生を取り戻せるのか?平凡な主婦による不屈の離婚達成物語

Amazon掲載のあらすじより引用


結婚って何だろう?

本書では、子どもは自立し、夫は定年間際、そんな状況下で主人公・澄子が以前から感じていた違和感に向き合い、熟年離婚へ向かう様子が描かれています。

夫は暴力を振るうわけでも、浮気や借金をしているわけではない。
これという決定打がない。
離婚して、この先生きていけるのかという不安。
長年連れ添った情。このままガマンしつづければ…と一歩が踏み出せずにいる状況なんですね。

だけど、対等な夫婦関係ではない時点で結婚って意味のないものだと私は思います。

― 家事は気がついた方がやればいい。
この言葉は男にとって便利な言葉だ。
台所の生ゴミ処理も浴室の排水口の掃除もトイレ掃除も、そういった誰にとっても嫌な場所の掃除は「気づかなかった」で済まされる。
(中略)
相手を思いやるとは、こういう細やかなことから始まるのだとしみじみ思う。

作中では「下女」「奴隷」「家来」といった言葉がたびたび登場しました。
これらは主人公が日々の夫婦生活で感じてる言葉なんですよね。見下されてる…(涙)
誰かのために生きているというとカッコイイように聞こえるかもしれないけれど、裏を返すと自分のために生きられていないということ。

何でもかんでも男の側の都合のいい言葉に翻弄されて傷つけられて生きてきた。
そんな環境から早く脱したい。
いくつもの迷信や呪縛から解き放たれたい。
だって人生はあっという間に終わる。
自分の時間は少ない。
折り返し地点をとっくに過ぎたのだから。

ラストにかけて主人公の心の変化が清々しくとても気持ちが良かったです!
離婚について悩んでいる人は何かヒントを得られる1冊かもしれません。


もう別れてもいいですよ

令和になって「我慢は美徳」の時代は終わったんだなと感じています。
誰かの犠牲のもとには成り立ちません。

それは夫婦関係に限らずだと思います。
家族関係、仕事関係、友人関係…ご自身のまわりの関係性を見回してみてください。
その関係は対等ですか?
もちろん、上司と部下という立場的な上下関係があるかもしれません。
でもそこに信頼関係やリスペクト、思いやりはありますか?

もし人間関係に疲弊しているのであれば、まず立ち止まって自分の気持ちに正直に考えちゃいましょう!
意外と別れる、離れる、辞めるのって、いろいろな感情や将来の不安等が混じり合って簡単そうで難しかったりしますが、変えられるのは自分のことだけなんですよね。
結局、他人のことは自分の力では何も変わらないのです。


パートナーシップについて思うこと

じつは私自身も昨年、「離婚」を経験しました。

私は常々、家族は1つのチームだと考えています。
足を引っ張るのではなく、同じ立ち位置で協力し合えるパートナーならきっと家族は円満なんでしょう!
絶対、毎日楽しいし、困ったことがあれば支え合う。「離婚」なんて考えることなく生涯寄り添い歩んでいくんだと思います。
残念ながら我が家はそういう理想のパートナーシップを築けませんでした。

もちろん、本書の主人公同様、老後の心配をはじめ、我が家の場合はまだ子どもも未成年なので離婚したことで子どもたちの可能性を狭めてしまわないか…考えること、そして親としてやらないといけないことなど、課題は山積みです。

でも、私は今、本書の言葉を借りると「なんか文句ある?」状態です(笑)
軽くなった今、きっといい方向に子どもたちと進んでいける!!
離婚1年目のこの2024年、大きく飛躍したいなと改めて思います。




垣谷さんの本はこれまでに、『あなたの人生、片づけます』を読んだことがあります。
片づけとは人生にカタをつけること
短編集ですが、こちらも読んだ後スッキリするものがあるはずです!

垣谷さんの他の作品のタイトルを見ても、社会に溢れている小さなリアルな問題を物語として展開するのが得意な作家さんかなと感じています!

オススメ本ありましたらぜひ教えてください。
スローペースですが、読んでみたいと思います。

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