見出し画像

真剣な競争で自分の輪郭が見えてくる

競争は確かに疲れるが、メリットもある。自分が高いレベルでは全然通用しないことをまざまざと思い知らされることで、自分の輪郭(強み弱み、向き不向きなどの特徴)がくっきりとしてくる。そうすると自分のことを自信を持って好きになれる気がする。

競争から逃げ回って、社会に背を向け、「本当の自分」なるものを見つけている時は気持ちがいいが、それでつくのはニセモノの自信でしかないことにいつか気付かされる。砂状の楼閣。

我々は全員この世の中に遅刻してきて生まれてきた、という養老孟司さんの言葉が好きだ。みんな生まれたくて生まれてきたわけではない。気付いたらいろんな法律があって、親がいて、学校に送り込まれ、会社に送り込まれる。人生は絶えず戦場状態なのだ。自分自身でこの世界のルールを全て決められない以上、絶対に他者評価から逃れることはできない。これは不自由といえば不自由だが、不自由さを感じるということは他者からの期待を意味する。これを正面から受け止めてみてもいいのではないか。

もちろん全てに迎合してはダメで、高い倫理観や美意識は大事だが、競争全部否定せずに、たまには喜び勇んでラットレースに参加するのもいいのかもしれない。

この記事が参加している募集

文学フリマ

よろしければサポートお願いします!ありがとうございます!