見出し画像

“疲労”は敵か味方か?? 体調をモニターする指標です!

こんにちは。Dice Trainingです。
岩手県でトレーニング指導を生業にしています。
アメリカ留学中にNSCA CSCSを取得。
留学中のインターンシップも含めると、
トレーニング指導に携わって20年以上になります。

トレーニング指導をしていて一番気にすることは、
”オーバートレーニング”にならないようにすること。
一度、オーバートレーニングになってしまうと、
身体機能の低下はもちろんですが、
・倦怠感
・睡眠障害
・食欲不振
・集中力の欠如
・心拍数や血圧の上昇
・運動後の血圧の戻る時間が遅くなる

などの症状がみられます。

せっかく得た身体能力が低下したり、
頑張ってきたダイエットの成果が台無しになったり。。。

オーバートレーニングを
回避するために確認するのが、
対象の”疲れ具合”=”疲労”です。

疲労は、活動にとっては敵です。
本当は、”もっと頑張りたい!”と思っていたとしても、
活動の継続を困難にしてしまいます。

一方で疲労は、身体に過度なストレス(肉体的/精神的)が
かかっていることを示唆し、
回復のタイミングを教えてくれる味方でもあります。

いかに日々、疲労をコントロールするのか。
そのために、肉体にかかる負荷を
どのようにモニターしていくのかをお話していきます。

最近、疲れ気味かも。。。。
という人は、この記事を参考に、
自分の疲労度を確認してみてください。

※今回の記事は以下の文献を参考にしています。

「FATIGUE—ENEMY OR ALLY?」
NSCA Coach, April 2022, Vol 8, Issue 4
Dane Bartz, PhD
Alexandra Bartz, MS

●肉体的な疲労をモニターするための指標

一般的に日々の疲労は、
”生理的な疲労”です。
そして、生理的な疲労は、
・肉体的な疲労
・精神的な疲労

に分類されます。
これらが、十分に回復しないままに
6ヶ月以上放置されると
・慢性的な疲労
に変わってしまいます。
こうなってしまうと、場合によっては医療の力を
借りなくてはいけないケースも。。。

そうなる前に疲労度をモニターしていきます。
まずは、わかりやすい
”肉体的な疲労”をモニターする項目です。
特に定期的な運動をしている人や、
身体活動を伴う業務に従事している人は
判断がしやすいのではないでしょうか。

<肉体的疲労をモニターする指標>
・活動頻度
・活動時間
・移動距離
・パワー出力(負荷、スピード)、etc

などで疲労度を確認できます。
今までと比べて、
・運動する機会が減った。
・活動する時間が短くなった。
・移動距離(歩数)が少なくなった
・持ち上げる重量が落ちた、移動速度が遅くなった。
という状況であるのなら、
それは肉体的な疲労が蓄積しています。

●精神的な疲労をモニターするための指標

次は、ちょっとわかりづらい
”精神的な疲労”をモニターする項目です。
「激しい運動はしていないのに、
なんだか疲れてる感じがする。」
往々にして、日々の様々なストレスが原因
自律神経の乱れホルモン分泌の乱れ
引き起こしてしまい、
結果として何らかの肉体疲労が出てきます。

<精神的疲労をモニターする指標>
・主観的運動強度
・睡眠の質と量
・心拍数
・内分泌系のチェック(血液検査)
・免疫系のチェック(血液検査)
・乳酸濃度(血液検査)、etc

などで疲労度を確認できます。
まずは、ご自身の主観で日々の活動を評価。
ボルグスケールなどがよく使われます。
”非常に楽である〜非常にきつい”まで、
10段階に分け判断します。
(10段階は判断しにくいので、
 5〜6段階に修正したものが使われたりします。)

主観ではなく客観性を求めるなら、
心理的プロフィールテスト(POMS)
などの心理テストで
心身の状態を数値化することもおすすめです。

自分で簡単にチェックができる、
睡眠時間心拍数のチェックもおすすめです。
自律神経が乱れると、
睡眠や呼吸循環に影響します。
・睡眠時間が短い。
・中途覚醒がある。
などよく眠れないという場合や、
安静時心拍数がいつもよりも
10拍以上高い場合などは、
”精神的な疲労が溜まってきている”
と判断します。

もっと信頼性があるのは、医療機関での検査。
血液検査を行い、様々な項目の数値チェックします。
ストレスに対して、身体は反応しますからね。
・酸素循環に関する数値(赤血球など)
・肝機能に関する数値(代謝に関する項目)
・免疫に関する数値(白血球など)

などをみることで、ホルモン分泌や
免疫機能を確認できます。
医療機関での受診、費用発生などはありますが、
一番、確度が高い疲労度チェックの項目です。

まとめ

最初にお話ししたように、
疲労は”敵”でもあり”味方”でもあります。
疲労が出てくるということは、
活動の制限がかかってしまう”障害”になります。
一方で疲労が出てくるということは、
日々の生活のバランスが崩れているということ。
行動を見直す”機会”になります。

疲労を回避するためには、
日々のさまざまな行動をストップすればいい。
しかし、これは非現実的です。
仕事や余暇活動を全て止めてしまっては、
日常生活が滞ってしまします。

疲労を溜めないようにするために、
・計画的な行動
・疲労をモニターする指標を活用して行動を調整
が必要になってきます。

日々の仕事でも、スポーツ競技でも
ここは共通ですよね。
無計画でかつ状況に応じた調整ができないのであれば、
どこかで無理がかかり、破綻してしまいます。

疲れているなと感じたら、
・日々の活動量を制限する。
⇨肉体的疲労を軽減
・朝、ちゃんと起きて、夜早めに寝る。
⇨生活リズムを整えて自律神経を正常化。
・バランスの良い食事を3食、きちんととる。
⇨エネルギー補給、内分泌や免疫機能の正常化。
まず、この3つから初めていきましょう。

”休養”と”栄養”を組み込んで、
疲労回復をはかっていきます。
心身ともに健康を保ち、
日々の活動を精力的に行えるようにしましょう!


よろしければ、サポートをお願いします。情報発信するためのトレーニングセミナー開催費用や、ジュニア世代へのコオーディネーショントレーニング指導などの活動費として活用させていただきます。