零れる日々の色。
日々感情に振り回されている。
心の中身が誰からも見えなくてよかったなって、
私はたまに安堵する。
表面的に変化がなかったとしても、
抱えきれないくらい振り切れてしまう日もあるし
とてもじゃないけど神様にも君にも知られたくないようなぐちゃぐちゃな色が停滞している日もある。
考えることをやめてしまったら、人間の美徳が無くなってしまうかな。
ただ息をして、夜を待つだけなんて。
自分以外の何にもなれないと知っていて、
それでも何者かにならなくちゃと飽きずに今日も思っている。
3年前の晩夏、暮れ切らない空の下 カーテンを閉め切った部屋で同じ音楽ばかり聴いて過ごしていた。
最高な音楽がいつか最低な思い出になっていくのをなんとなく知っていて、
それでも精神と直列で繋がった音楽をその時が迎えに来るまで手放すことができなかった。
最低な真夜中が何度もあったこと。
激しい感情に振り回されて
何もかもが嫌いになりそうな時間が長く続いたけれど、
あの時感情のままに言葉を並べて、あの人を傷つけてしまわなくて良かったって今夜はふと思っている。
自分の心が潰れてしまってまで、相手を傷つけないように時間を過ごすことに意味なんてあるのかと何度も思ったけれど。
相手の心に鋭角を突き刺すことより、
突き刺さったままの破片を自分の心から丁寧に取り除くことの方が大切なんだ。
世界や相手を変えたいなら、
ただ一つ自分の心の向きをかえてみる。
いつかの夏の出来事、
たった一つだけそれでよかったんだと今の自分なら思える。
まとわりついた熱や、なかなか暮れない夕刻のアンニュイは過去に属して今はもう無い。
あの頃聴いていた最高な音楽を、真夜中に思い出している。
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