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越国で考える「太れない問題」【コラム】

ホーチミン、元はサイゴンといわれたこの町はベトナム2大都市の一つとして考えられている。しかし、ベトナム2大都市とはいっても、ハノイが東京、ホーチミンが大阪、みたいな具合ではない。北ベトナムのハノイと南ベトナムのホーチミンはそれまで歩んできた歴史から何から異なるものがあるため、日本と同一視することは難しかったりする。


ホーチミン観光とはいっても、そこまで大それたことをするわけではない。多少泊まってみてどんな感じなのかを知る、ということだ。というのも、マレーシアに数か月滞在すると、日本にすぐ戻りたいという感情がわかなかったりする。すぐに帰るという選択肢もあるものの、クアラルンプールから成田までの直行便は長く退屈だったりするので、中間地点にあるベトナムに行きたいと考えたわけだ。

そして着いたベトナム。そこにはフォー、バイク、ベトナム人が迎えてくれた。

ベトナム到着後、私はある一つのことを考えるようになった。それはマレーシアにいたときほどご飯が豊富ではないということだ。というのも、マレーシアではナシゴレンからラーメン、チキンライスとなんでもござれだったにも関わらず、ベトナムに来ると日本のコンビニとフォー、ベトナム語で書かれた料理屋、がメインであり前ほど食欲をそそられない。なんということだ、甘いものもコピタリやティタレがあったけどここでは午後の紅茶しかない!

こんな感じでベトナムは割と食には弱いのかなと言う印象を持つようになった。

そこでぶり返したのが「太れない問題」である。これはなんだか「1日中ゲーム、リモートワークの引きこもりライフを送っている人間が色白で日焼け全くしてない」みたいに「痩せているなら良くない?」と思われるかもしれないが、痩せていることは意外にいいことばかりではない。

・体が細く、不健康そうに見える
・BMIが18.5を下回っている
・腕が細い

上記のような悩みが併発し、他にも体重が減りすぎて病弱になるなどの問題もある。しかしこれは一概に食べればいいというわけではない。痩せていることは、「食べることの恐怖ないしは面倒くささ」があるからだ。

・ご飯に興味がない

まず持ってご飯に興味がない場合が多い。毎日ゲームとか色々とやっていると、いつか【ゲーム>ご飯】となる閾値を超える。その瞬間ご飯は他の家事同然の存在となり面倒な存在に変わってしまうのだ。

・値段が高い

ご飯、もしくはそれなりの食事ができない理由としては食材の値段が関わっていることもある。これまでは外食を楽しみにしていたけど、どこかで外食=高いものという印象が強くなり、スーパーに行きだす。しかし、スーパーに行く理由は美味しいご飯を食べたいからではなく、食費を安く済ませたいからだ。マレーシア行ったことで分かったこととしては、結局のところ外食を安く済ませられるならば外食に行くということだ。

・健康を意識する

もう一つはYoutubeや家族の老化に伴う健康意識の爆上げ現象である。家族は自分よりも年上で大体の場合、そちらのほうが早く何らかの大病に罹ることが多い。そういったシーンを目の当たりにすると、否が応でも「なんとかせねば」と考え出す。食事は健康を語るうえで非常に強い関係を持つため、食事内容をやたら気にするようになり、最終的に食べる量が減っている。

その上で健康にいい食べ物は高いことが多く、高価な食材ばかりを食べなければ健康になれないということから、「健康に太るために高価な食材以外を食べる」という選択肢が思い浮かんでこなくなる。

・食意外におもろいものがある

また、食事を妨害する最大の要因と言ってもいいものは、それ以外の要素にある。3大欲求とはよく言っても、それ以外にも人間の欲求はあり、とどまることを知らない。ゲームでのステータス、SNSのフォロワー、動画の再生数など、食欲以外にも満たすべき要求が増えたことで、相対的に食事の楽しみが消滅した。

・すぐ腹を壊す

これは体質かもしれないが、腹八分目くらいに抑えたつもりが、その後思いっきり腹を壊すということも往々にあり、こういったことを経験的に知っているためあえて食べすぎないように仕組む。それは確かに腹痛を回避することには繋がるが、太るという変化から遠ざかる行為であることには間違いない。

・いつも冷蔵庫になにかあるわけではない

目的が太るだけだったりすると、いちいち食べ物のことばかり考えていない限り冷蔵庫に何があるかまで気にすることはない。そうなると、思いつきで開いた冷蔵庫に何もなければ、新しい食材を買いに行くよりも先に、今まで手につけていた何かを継続する。例えば、冷蔵庫を開ける前、寝っ転がってネットフリックスを見ていたら、少なくともそこから新しい食材を買いに行こうとはらない。

・目的が太るだけだと続かない

そういったことを考慮すると、目的が太るだけだと続かない、つまりは実際に太れないことになる。これは太ることが最初から「意識すべきこと」ではないことを示しており、そういったことを達成しようとすること自体に何らかの強制を必要とすることを示している。考えれば当然だったりするものの、ダイエットの逆なので、ダイエット同様にキツいということだ。

・「太る」必要があるとわかっていてもネガティブなイメージがある

他にも「太る」を妨害する要因はある。それは一般的に太っている人が痩せたいというのはよく聞く話だが、逆の例が少ないということだ。太ると言っても、外見を良くしたいということが大半で、脂肪をつけたいという人はあまりいないのではないだろうか。もし今無料で、かつ1秒で体重を5キロ増やせるとして、筋肉を増やすか脂肪を増やすかで迫られたら半数以上の人は筋肉を選ぶだろうからだ。

・筋肉をつける=太る?

では、筋肉をつけることが太りたいの本音ならば、やはり「太りたい」というのは語弊があると言える。

・体が細く、不健康そうに見える
・BMIが18.5を下回っている
・腕が細い

これを達成するならば、太りたいというか、体重をどうやって増やせるのか?が至上命題であり、太りたいは、あくまでもその命題に近づくためのわかりやすい表現だということになる。

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