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天使な嫁じゃいられない

年を開けてから、義父の状態は悪くなり、義母の認知症が大きく進行して、数か月。

何かと、日常生活で、サポートが必要になったことを、つらつらと書いてきたが、湧き出る思いは、意外とライトなもので、状態も介護とはかけ離れているせいか、一歩間違えると、私って、『天使かも!🥰』と思わせる内容ばかりだった。


今現在も、「note」で介護のことについて書かれている方に比べれば、負担も軽いし、愚痴をさらけ出すには、恥ずかしい。


だけども、天使な嫁じゃいられない。


ここで、一度、どす黒い腹の中と向き合うことにする。


「私は、義母さんが、100%認知症になっているほうがやりやすい。」と、夫にこぼしたのは本音。


もともと、より良い関係とは言い難かったからね。


夫は、そんな義母と接するたびに、イライラが最高潮に達するみたいだ。


最近分かったことは、義母の認知症は、素に返ったり、認知症の症状に戻ったりを繰り返すタイプのようで、素に返ると、私にライバル心アリアリの姿勢で挑んでくる。


もともとは、義父の身の回りのことは、全部義母がしていたので、私が義父のことに関わると、その思いに駆られることは分かる気はするが、認知症の症状がやってくると、戦意喪失となって、何もできなくなる。

私がもううんざりだと思って、手を引いたところで、義母が全部義父の世話をできるわけではないので、関わらざるを得ない。

いちばんやっかいなタイプの認知症だと思う。


認知症であることは自分で認識できるのも、特徴のひとつで、そんな自分に悲観したりするが、そのくせ、もとの人間性もアリアリと残っているので、こちらが対応や気持ちの切り替えに疲れることがある。


いっそのこと、認知症によって、人間性が変わったまま、症状に変化がないとなると、もっと寄り添えるのかもしれないが、半分は素の義母なので、認知症と分かっていながらにして、どうしてもそのような気持ちになれない。


いっそ、以前のように、全く会話もせず、関わりもなければ、イライラすることもないのだろうが、そうはいかない。


もともと、時間や規則にルーズなふたり。

ふたりとも、服薬する必要があるにもかかわらず、以前から守られたことがなく、管理をするよう、訪問看護師さんに言われ、毎日きちんと飲ませることから始まり、もともと義母が自分たちの分を用意していた、食事面に関しても、随分と踏み込まざるを得ない状況になった。

デイサービスには、本人たちに任せっきりで、一切かかわらなかったが、お迎えが来るも突然のキャンセルをしていたり、朝食を今から食べると言ってきかなかったりと、施設の職員さんの手を何度となしに煩わせ、ついにご家族がきちんとしてくださいと、申し伝えがきて、仕事の開始時間を遅らせて、デイサービスの準備を整える必要がでてきた。
お迎えがくるのは、仕事に行ったあとのことなので、連絡を受けるまで、迷惑をかけていることは知らなかったが、同居しているとなると、責任は私たちが負わなければならない。


ひとつ屋根の下、関係が希薄で、距離感がとりやすいうちは、やっとのことで、決して関係が良いとはいえない義母とのことを割り切って暮らす術を身に付けたのに、ここにきて、再び関わる頻度が多いとなると、義母が認知症と分かっていながらにして、どす黒い感情が湧き出ることがある。


昨日は、私が仕事から帰って、義母がかって出てくれた食器洗いが片付いていなくてキレた。

もともと、面倒なことは後回しの習性だしね、やるべきことを最後までやり遂げる責任感もないしね・・・。
私なら、メモ書きでもしておいてでも、必ず・・・・。


最近とくに義父のお呼びが多くて、義母が忙しくて忘れているだけにもかかわらず、夕食のおかずを作りながら、食器洗いを片付けつつ、湧き出る思い。


一昨日は、どうしても買い物へ行きたいと言い出す義母。
「この間、行ったばっかりだろ」と怒り出す夫。
「いいじゃん。ちょうど雨だし、今のタイミングならいいんちゃう。行っておいでよ」と、息子に買い物へ連れて行ってもらうはいいけれど、悪びれもせず「お金ちょうだい」。

毎回繰り返される、「財布がない」。


もともと、何かしらを隠す習性のある義母は、今までまとまったお金も、行方知らずにしてしまって、ありかが分からない。


せめて、探すふりなり、反省のふりなどしてほしいわ。と思ってしまう。


今までのお金は、なくなったと割り切り、残りのお金は、その都度管理することにまとまったけど、今日もどこにも行かずしてお金を要求してきて、夫に叱られていた。


相変わらず、一緒に料理をするけど、忙しい夕方や余裕のない時は、ひとりでチャッチャッとしてしまいたい私。

夕方、料理を手伝わせてほしいと言ってきてくれたにもかかわらず、私に気力がなくて、チャッチャッと済ませたいばかりに、断ってしまった私。

「チョット悪かったかな」と反省し、私が毎朝ルーティーンにしているゴミ捨てをしてもらおうと、ちょうどいっぱいになったゴミ箱を差し出し、「義母さん、(庭のドラム缶に)ゴミ捨ててきてくれる?」と頼んでみたら、喜んでくれること。


随分時間がかかるなと思っていたら、頼んでもない、ゴミ箱の水洗いまでしてくれた。


しばらくして戻ってきや、「ストーブつけておいてくれたらよかったのに」と何気に言われたことにブチ切れ、「つけたかったら自分でつければいいやん。私、そんなことまで知らんよ。」と返しつつ、「今まで自分でしてこおへんかったからちゃうん?」と思ってしまった。


台所専用のストーブは、台所で食事をする夫専用といっていいが、私が嫁いできた当時からのもので、たいていつけるのはストーブの傍の夫。
はなれの寝室で食べる、私には必要性が感じられず、めったにつけないが、義母はことあるごとに、他人に頼んでつけてもらっていた。


「自分でつけることできひんねんやったら、もっと言いかたあるんちゃうん」と言いかけてやめた。


そんな義母も、何かと役にたちたいという気持ちは湧き出るようで、最近、何度となしに、お風呂を焚くことを申し出てくれるが、丁重にお断りさせて頂いている。

うちの薪風呂を焚くには、微妙な調整が必要だ。

義母が薪風呂を焚いてくれたのは、かれこれ数年前のことで、久しぶりに焚いてくれたが、五右衛門風呂いじょうに熱くなっていて入れなかった。

珍しく自分から焚いてくれたので期待していただけに、二度と頼ることは出来ないなと踏んだことがあった。

また、その前は、途中で火が消え、水風呂だった。


薪風呂を焚くには、さいごまで焚ききる責任感と、途中で頃合いをみながらの微調整が必要で、なかなか奥深い洞察力が必要である。

また、天気や煙突の状態によって、なかなか薪の燃えつきが悪いこともあって焚きにくいこともある。


昨日も、「お風呂を焚こうか」と、もう何度目になるのか、義母が言ってきてくれたのを、とうとう言って返してしまった。


あのね、義母さん。
お風呂を薪で焚くということは、単純な事ではないんやで。
微調整が必要で、いろいろ考えながら焚けへんかったら、みんなが気持ちよくお風呂に入る加減に焚けやんねんで。

私は、もうかれこれ20年、お風呂を焚いていて慣れているから焚けるんやで。おいといて。


きつかったかなと思いつつ、義母に一番言いたかったことかもしれないと、少し思った。

少しスッキリした。


畑仕事を引退して、お風呂焚きを習慣にしてくれていたら良かったのにねとも思うし、どうせ言ってくれるなら、20年ほど前、育児に仕事に家事に大忙しのときに言ってくれれば良かったのにと思ったりした。

義母は、自分が焚ける状態であっても、焚こうともしなかった。


料理に関してもそう。

最近、回数は多くないが、一緒に料理をする私に、「料理学校でも行ってたん?」と言ってくれる義母さん。

「ここに嫁いできてはじめて料理をしたんよ」と返しつつ、「20年も、家族6人分の料理を作ってりゃあ、少しは上手になるわ💢」と、思ったりした。


だけど、相手は、認知症の義母さん。


そんな義母さんに、毒づくなんてわたし・・・。



ここ数日の間に、更に義父の状態は悪くなり、部屋のポータブルトイレで用を足すのもちょっといかず、義母の手を借りないと無理なよう。

寒いせいか、ベッドから降りることも少なくなり、身体は浮腫んでパンパン。

訪問看護師さんによると、状態はかなり悪いらしいし、筋力も更に衰え寝付く一歩手前といったところだろうか。
介護ベッドもやってきた。


食事も、そう摂ろうとしないし、訪問看護の点滴も拒んでいるよう。


それに伴い、状態は悪化の一途をたどるのも当たり前だが、寝ている時間が多いといえども、義父が義母を呼ぶことも増えているよう。


私も、食事の介助や、義母が行き届かない(ポータブル)トイレの掃除や、部屋のゴミ捨てや、義母ができない義父の注文をきいたりと、出番が増えてきた。


一時は「お前らに、一切迷惑はかけない」と、言ってのけた義父。


夫との話し合いの中で、義母の状態も、一段と悪くなっていることも冷静に受け止め、「義母に毒づくのは以ての外」と再確認できた。

息するようにウソをつく二人に、たぬきになるしかない。
義母は、輪をかけて宇宙人になったと思えばいいかな。


夫は、どうやら、今まで高確率で間違われていた息子(同居の孫)以外の親戚の人と間違われるようになって、更に衝撃で、気持ちのおさまりがつかないようで、私の気持のおさまりがつかないことを含め、「(義母のことを)宇宙人と思えばいいんや」と、ドヤ顔でいうが、夫には言われたくない。


今更、何いうてるのん。
わたしは、そうやって、やってきたんやで。

この一週間で、体重1kg痩せてた!このまま、ダイエット突入?
いや、それはないやろな(笑)チョコレート食べて気分転換してるし。

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