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11 地図記号(MAP SYMBOL )も国際化

国土地理院のホームページをのぞいてみると、海外から来日した方々にもわかりやすい地図記号をいくつか確認することができます。一覧表にまとめられたものや一つ一つの地図記号を多くの人が用いることができるようにすべて画像データにされていたりと、手軽にそれらを使用できるようになっています。

このブログに掲載している地図記号も国土地理院のホームページからダウンロードさせていただいたものとなります。小学3年生になると社会の授業が始まり、地図の学習の中で地図記号の学習もします。

さて、今日はこの新しい地図記号を通して国際化する社会の中でどのような点に目を向けていくことが大切なのかを考えていきたいと思います。

まず、交番と郵便局の地図記号から考えてみます。交番は×、郵便局は〒の記号がおなじみですね。日本の地図記号ではこれで覚えていますので多くの人が理解できます。しかし、×は進入禁止、〒は海外では通用しません。日本でしか使っていないのです。

次にホテルと銀行の地図記号ですが、ホテルはHを〇で囲んだ記号、銀行は江戸時代の両替商の看板がもとになった〇の両サイドが少しずつかけたような形です。ホテルの記号は、海外の方には病院やヘリポートのように思えてしまいます。また、銀行の記号は全くイメージが伝わりません。いずれもイメージが共有できるように情報量を多めにして具体的にイラスト化したものが考えられました。

キリスト教の教会も♰の記号では、墓地として理解する方が多いようです。病院もホームベースに+では、一般の人が利用する医療施設というイメージを共有することは難しいようです。そこで、建物の部分を加えたり、形をわかりやすくしたりといった工夫がなされました。

訪日外国人旅行者数は、新型コロナの感染拡大がおちつきを見せたこともあり、感染拡大以前のように増加してきています。また、日本国内で仕事に就き日本での生活をおくっている外国人の数も年々増加しています。私たちは、日本人だけがわかる世界から多様な国籍の人たちと共に「わかる」ということを共有していけるような世界を目指していく必要があるのです。

テスト勉強しないとなかなか覚えられないような地図記号では、日本人であっても簡単に地図からその情報を読み取ることは難しいでしょう。海外から日本に訪れた様々な国籍の人々が、直感的に理解できるこうした新しい地図記号は、きっと多くの日本人にとっても理解しやすい記号であると言えます。

このように、国際化していく社会において重要なものがあります。それが、「国際的視野」というものです。国際的視野にはいくつかの要素がありますが、ここでは2つ紹介します。それが、

〇多様性を受け入れられる柔軟性

〇自分や日本の利益だけではなく、他者や世界の利益を考える力

です。この2つを意識して高めていくことで、常識や固定概念にとらわれるのではなく、新しいビジョンを世界と共有する感覚をもっていくことができるでしょう。

もちろん、英語や中国語が話せることは、言語の壁を越えることにつながりますし、他者の考えを受け入れたり、自己の主張を明確に伝えられるコミュニケーション能力を身に付けることも国際的視野から見ると大切な要素です。

国際的視野に立ってみることで、今そしてこれからの自分の目標がまた別のかたちになってくるかもしれません。地図記号を覚えて終わるのではなく、多くの人とイメージを共有できるものにデザインしなおすような思考で勉強してみることで、国際的視野をぜひ身に付けてみてください。

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