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354 ブラック校則解消法


はじめに

ブラック校則で悩んでいる生徒たちから質問をたくさんいただきました。一つ一つの質問に答えるのは難しいのですが、質問の内容は大きく二つあるので、そのことについて今日のコラムでは少しお話してみたいと思います。

ブラック校則なのかどうか

質問されたものの多くは、「靴下や下着の色を指定されています。これは守らなければいけない校則なのでしょうか?」といったものでした。
こうした校則は、典型的なブラック校則であり、社会通念上の常識から見ても大いに問題があります。
生まれつき茶色っぽい頭髪に対して黒く染めるようにと言われていたことがある人も、くせ毛がある生徒に地毛であることを証明するように求めることなど、基本的な人権を無視する様なふるまいを校則という名のもとに共生する行為は、教師であろうと許されるものではないのです。
私たちの中学、高校時代の教師は脱水症状になることなどお構いなしで運動中の水分補給を禁止していました。これは、ブラック校則どころの話ではなく今日の社会では民事、刑事の両側面で訴えられるような行為だと言えます。また、下着の色を指定し、強制的に下着をチェックされるなどといったことは、人権侵害、脅迫罪、わいせつ罪など多くの点で問題です。
下の2つの資料は、そうしたブラック校則を変えていくことの重要性や学校が校則についてどのように制定し、改訂し、周知していくべきなのかを文部科学省が示している資料です。
この資料を見る限り、長期にわたり悪しき校則を変えずに現在に至るまで学生の人権を踏みにじってきた学校に対して是正する必要性がいかにあるかが伺えます。

文部科学省の資料より
文部科学省の資料より

どうやって変えていくの?

ブラック校則を変えさせることも大切ですが、重要なのは生徒の手で校則を決めていくことが重要なのです。
生徒が主体的に自分たちで必要な決まりを考え、定めていくことは民主的なプロセスを学ぶことにもつながりますし、何よりも自分たちで決めたことは自分たちで守るという意識をもたせることにつながります。
ブラック校則との生徒たちの戦いは、何も今に始まったことではないのです。今中学、高校に子供が通っている世代の親もきっと生徒の頃にこうした多くのブラック校則に疑問を感じたことのある人も多いはずです。次に紹介している作品は、30年と言う開きはありますがいずれもその時代の学校やブラック校則との戦いを描いています。よかったら見てみてください。
大切なのは、生徒だけではなく、保護者も一緒にブラック校則の改変に関心をもつことが大切です。そして何より学校や教師が意識を変えることが大切です。

2019年公開 ブラック校則
1988年公開 僕らの七日戦争

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