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129 志望動機


はじめに

中学入試に向けて志望校を最終的に判断する時期になってきました。
まずは、志望校を絞ること、そして手続きの確認等を進めていきます。中でも入学試験の願書を提出する段になると必要になってくるのが本人や家族の受験に際する志望動機です。
この志望動機は、たとえ願書に書く必要がなくとも受験に面接がある場合は九分九厘、志望動機は尋ねられるでしょう。今日の教育コラムは、最近ご質問をたくさんいただきました志望動機の作り方について少しお話ししたいと思います。

志望動機ってなあに?1

一言で説明すると、あなたがその学校を受験しようと思った理由が志望動機です。ラーメン屋さんに行って食べたいものを選ぶときに、そのメニューを選んだ理由をとても強い気もちで主張する人はそれほど多くないように思います。
しかし、受験ではそうはいきません。特に願書や面接の場面では、志望動機を強い意志をもって伝える必要があるのです。その時、説明会や学校見学や体験授業に参加していれば、体験を通して学校側の考えを踏まえた説得力のある志望動機を考えられるでしょう。
参加していない場合でもホームページを参考にしただけでもたくさんの情報に触れることができます。それが真実かどうかは別の話です。学校を選択するということは大変慎重であるべきなのです。ですからできるだけ現地に足を運び、説明会の日だけの姿ではなく、できれば普段の学生の様子や学校周辺の環境にまで注意を広げよく観察してほしいと思います。

志望動機をなぜ必ず聞くのか?

志望動機を考えるためにも、この話をしておきましょう。それは、志望動機を学校が面接や願書で尋ねている理由です。
学校側からしてみると、これから通ってくれる児童生徒が、学校の教育方針や運営方針に対して理想であるかどうかは最も気になる点であります。ですから、短い面接時間の中で、しかも早い段階で、志望動機を明らかに述べてほしいと願っているのです。つまり、学校が聞きたいことがあるということです。それが次の3つの内容となります。

①数多の学校の中で、なぜ本校なのかを知りたい
②校風に馴染めるかを確認する
③運営方針に賛同しているのか、できるのかを見極める

公立学校もあるにもかかわらず、なぜ私立や国立を希望したのか。または、私立の中でもなぜ、本校を希望したのか。それにはそれ相応の理由があることを前提として、学校は面接で質問してきます。まさに興味津々なのです。その興味のなかには、保護者がどう考えているのか、受験生本人はどう考えているのかという視点が含まれます。
我が子をこの学校でどう育てたいのか、その覚悟はいかなるものであるのか、そうしてことを明確にしておくことが保護者の志望動機になります。その際に、カリキュラムや授業風景など具体的な教育の中身について適切の触れることができれば、その熱意はより具体的に明確に伝わります。
つまり、保護者も学校の特徴をよく理解しておく必要があるのです。これは受験生本人の方がより語れなければいけないことは皆さんお分かりの通りです。保護者の意志で受験を志望しているとしても、受験生自身がその学校に興味をもっていることを熱意をもって伝えられなければいけません。これは、受験ということであれば基本的に年齢は関係なく共通して言える必須条件となるでしょう。

受験する学校に馴染めますか?

志望動機を尋ねる目的の2つ目として、受験生が学校の水に馴染めるかどうかを確認する意味合いがあります。
私立や国立の学校に多く見られる現象に、かなり学校独自の雰囲気や校風があるという現象があります。単純に言えば、それが好きかどうかということが大切な問題なのです。つまり「好きじゃないなら受けないでください。」という判断をするために、学校と受験生や家庭との性格の相性を見極めようとしています。
実際に合格して数カ月、数年で学校との相性が合わずに途中で退学してしまうことを考えれば、受験の際にそうした不幸なケースをなくそうとするのは当然と言えば当然のことになります。ですから、志望動機には、受験生と学校との相性が良いことをしっかりアピールしてほしいわけです。
特に、中高一貫校であれば、同じ系列学校でほぼ同じ人間と6年間も生活し続けるわけですから、学校との相性はより重要です。

学校の運営方針を理解していますか?

最後は、学校の運営方針に賛同しているかどうかを見られているという点です。面接を実施する小中学校の多くは、私立、国立、公立一貫校などです。
学校ごとに特殊な寄付の集め方、授業の進め方、行事、校外学習、などなど独特なものが行われます。
そうした点が魅力に感じているのか、または理解していないのかを判断しているというわけです。こうした特色を理解していない方が入学すると不要な議論が生じます。ですから学校は、運営方針やカリキュラムをどのように工夫していて、どれくらいそれが気に入っているのかを気にかけています。
学校生活や学習を安定して進めていくためにも賛同できない児童生徒を受け入れるわけにはいかないのです。
こうした、学校の聞きたいことに応えるのが面接であり、志望動機の基本なのです。そのうえで、ユーモアを足すのもよし、何か知的な言葉をちりばめるもよいですが、あまりそこは効果が薄いかもしれません。
ということで、いくつか当たり前のことを述べましたが細かなご質問については、また個別にお答えしていきたいと思います。まずは、受験する学校のことをあなたはどれくらい答えられるのかを自問自答することから志望動機を考えていってみてください。

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