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301 ミニシアター

はじめに

先日、東京に出張した際に念願かなって、青柳拓監督の最新作「フジヤマコットントン」を鑑賞することができました。
映画の舞台は山梨県にあります障がい者福祉施設ということもありますが、なじみのある風景とそこで生きている人々の姿を等身大で感じることができたように思います。また、私は私なりの問題提起をいくつかこの映画を通して自分の心のなかにもつことができたように思います。
現在、「フジヤマコットントン」は、東京都中野にあります「ポレポレ東中野」というシアターで公開されています。平日は連日12時から上映しています。

なんと、2/27、28、29、3/1の上映後には、青柳監督の舞台あいさつが行われるそうです。Xによれば、サインなどもしてもらえるとのことです。
この作品を通して感じる温かな気もちや社会全体の空気のありようについて目を向けることの大切さは、大切な経験となるように思います。それだけに、一日でも早く山梨県の映画館で公開されることを望んでしまいます。

映画『フジヤマコットントン』公式

ミニシアターの良さ

山梨県で公開するためには、映画を公開することができるミニシアターが無いという問題があります。大きな映画館は、映画会社の影響を受けますが、劇場の定員が200人に満たないようなミニシアターでは、この影響を直接受けないため、大手の映画館では上映していないような一般的にマイナーと呼ばれるような作品が上映できます。
個人的にはメジャーもマイナーもなく、見たい映画に出会えることって素晴らしいことだと思うのですが、小さな映画館はどんどん少なくなっている印象があります。
東京を筆頭に大きな都市では、今でもミニシアターが残っていて、社会派の映画や、芸術性の高い作品、ドキュメンタリー映画などをしっかり取り扱っています。しかし、なかなか距離の問題もあってミニシアターでしか出会えないこうした作品を鑑賞する機会は減っています。

提案してくれる映画館

大手チェーンの料理もおいしいですが、隠れ家のような隠れた名店で食事するのもいいものです。みんなが知っているメニューもいいですが、店主がおすすめしてくれるメニューにうまいものがあるなんてことはよくある話です。
まさに、単館系の映画館はこの隠れた名店ではないでしょうか。上映スケジュールや作品のラインナップなど経営者が自信をもって構成するこうした映画館では、有名な大作ばかりでなく、知られざる良作と出会えるかもしれません。私は、こうした映画館に学生の頃よく足を向けていました。それは、見ておいた方がいい映画を映画館が提案してくれているように感じたからです。
何をしてはいけないのかという教育に力を入れることも大切ですが、何を観た方がよいのか、何を知っておいた方がよいのかという提案に力を入れることも大切ではないかと思います。特に情報化社会においては、情報の数があまりにも多く、何を観たらよいのかという提案をしてくれる機会を得ることはとても難しいように思います。

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