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僕の世界が変わった日 - X JAPANが届けてくれたもの

音楽を本気で好きになったのは忘れもしない、中学生の時だ。
たまたま出会ったとある映像がきっかけで僕の世界は一変した。

The Last Live - X JAPANとの出会い

それは、1997年に行われた東京ドームでの X JAPANの解散LIVEの映像だった。

幻想的なAmetystのSEと共にメンバーが登場し、Rusty Nailが始まった瞬間。その瞬間に最高潮に達したであろう当時の会場の熱気が画面越しに伝わってくるような衝撃だった。

他の誰とも違うTOSHIの歌声、全身を赤い服に包みいたずらに微笑むhide、素人が聴いてもめちゃくちゃカッコいい演奏、そして何よりドラマティックな楽曲に、僕は心を撃ち抜かれた。

YOSHIKIによるドラムの破壊パフォーマンスや個性的な各メンバーのソロ演奏パート、オルガスム演奏中約20分に及んで会場中を駆け回りファンとともに大暴れする姿、バラードの楽曲の美しさ。

あれ以来、聴く音楽が、音楽の聴き方が、世界の見え方が、全てが変わっていった。

X-ism - 世界中のロックバンドへの入り口

インターネットでX JAPANに関する情報を調べ漁った。ライブ盤を含め全てのアルバムをTSUTAYAやゲオの中古コーナーで集めて、時にはインタビューが載っている当時の音楽雑誌も古本屋で購入した。大きかったのはX時代に発売された下記の雑誌だ。

X時代に発売された雑誌でメンバーが影響を受けたアーティストがたくさん載っていた。これがヘビーメタルとの出会いだった。メンバーが薦めていた曲をきっかけに古今東西、世界中のバンドの音楽を聴き漁った。

塾の帰りにTSUTAYAに寄ってヘビメタ専門誌BURRN!を立ち読みするのが日課になった。

Silent Jealousy- ギターソロを弾く日を夢見て

中学生の頃、100回以上聴いた曲。それがSilent Jealousyだ。幻想的なピアノから始まり爆発するような前奏とかっこよすぎるメロディー。中盤のクラシカルなピアノシーンで雰囲気が一転してから始まる1分近いギターソロ。このギターソロをかじりつくように聴いた。

この曲のギターソロを弾けたらどれだけ楽しいだろうか。夢中になってギターを練習する日々がはじまった。

MISERY - hideのソロ楽曲との出会い

一番好きなアーティスト、hide。きっとこれからも変わらない。出会ったのはゲオの中古コーナーだった。hideがソロ活動をしてボーカリストとして活動していた時代があったことを僕は知らなかった。

ギタリストのhideが歌を歌っているのは不思議な感じがした。こんな歌声で歌うんだ。って意外だった。だけど聴いているうちにX JAPANを超えるくらいにhideのソロの曲が大好きになった。

最初に聴いたのはROCKET DIVEだった。布袋寅泰さんやDragon Ashなどたくさんのアーティストがカバーしている曲。
CDを流した瞬間、自由な青空が広がるような感覚が無限大の可能性を感じさせてくれた。今でもこの曲を聴くとあの頃のようなまだ何にも縛られない気持ちを思い出すことができる。

そして、hideが書く歌詞は僕の価値観に大きな影響を与えた。真理を突いているようなはっとする視点、言葉が包みこむ優しさに何度も心を救われた。生きてきた中で一番つらかった時、何回も何回もMISERYとFLAMEを聴いて心を癒やした。

ハレルヤ ラ ミゼラブル(悲劇に万歳)

この曲が生まれるキッカケとなった貴志真由子さんとのエピソードは今でも読むと泣いてしまう。

Without You - 人生で初めて流した感動の涙

X JAPANを好きになって間もなく、X JAPANが再結成を果たして、そのためにWOW WOWを加入して復活ライブの映像をかじりつくように観た。味の素スタジアムで行われたhide memorial summitの映像も何度も何度も観た。

赤坂ブリッツでの年越しLIVEを観れたのもものすごく嬉しかった。再結成してから、それどころかX JAPANになってからほとんど演奏されてないBLUE BLOODから演奏が始まって心底感動した。

そして、再結成の後に聴いた中で一番思い出に残っている曲がWithout Youだ。YOSHIKIがhideの死の後、hideを思って書いた曲。この曲のLive映像を観て僕は感動して涙を流した。小学校から中学校まで1度くらいしか泣いたことがなかった僕が人生で初めて誰かを思って感動の涙を流す体験をした。曲と共に流れるhideの思い出の映像を観てボロボロ泣いてしまった。

生きる糧

当時の僕の心は固く閉ざされていて鈍感になって、空元気にふるまって、自分が本当は何が苦しくて何が嬉しいのか、自分でも自分の本音がわからないような少年だった。

だけどX JAPANが教えてくれてロックの爆発が、僕の心を解き放って、深い悲しみを共有して癒やしてくれるような楽曲が、hideのソロ曲の優しさが、この映像が教えてくれた涙が、僕をちゃんとまた少しずつ人間にしてくれた。

YOSHIKIにとってのKISSとの出会いが僕にとってはX JAPANで、YOSHIKIの心と癒やしとなっていたクラシックが僕にとってはX JAPANのバラードでありhideの綴る歌詞だった。

彼らが人生をかけて表現をしてくれたから今の僕がここにいる。

hideのお墓参りにはまだ行けていないし、X JAPANのLiveだってまだ生で観れていない。hideのお店にはやっと行くことができたけど何度だって行きたい。hideのパーカーだってまだ買っていない。

だからまだまだ死ぬわけにはいかない。生きたい。生きていきたい。どんなに辛いことがあったとしても。

ありがとう、X JAPAN、これからも共に生きていこう。


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