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年間の目標収益を設定する〜販売単価編〜

前回の計算について

前回、イチゴがどれだけ稼げるのかについての検討を行ったが、あくまで皮算用なので、様々な事象を考慮はしていない。

ただし、ある程度の指標としてどれだけの収益が出せるかを試算しておかないと、営農を開始する際に「とにかくたくさん作って販売もがんばる!」みたいな曖昧な目標しか立てられない可能性が高いので、具体的にどれくらいの可能性があるかだけはきちんと試算しておきたいと考えた。

(売上げ:1,260万)-(経費:600万)=手元に残る金額:660万

これは、前回僕が収穫量をベースに計算してみたスーパーウルトラ皮算用である。こんなうまくいくはずはないけど、とりあえずの試算として夫婦で稼ぐにはどれくらいだろうと思って出してみた金額だ。

そして、これは一般的に2人で年間に収穫できると言われた、9t(9,000kg)分のイチゴに対して、㎏単価1,400円をかけた金額だ。この㎏単価もJAの人に教えてもらったもので、自分が作ったイチゴを全てJAの出荷した場合の単価である。

イチゴの販売単価って固定なの?

最初に感じた違和感
そこで非常に強い違和感を覚えた。その違和感とはJAに全量出荷が大前提ってマジ??ってことだ。直接聞きに行ったらマジだった、噂だけだと思ってたんだけど。。単価は上げられないから、収穫量をとにかく増やそう!と。。

自力で販売したい!
でも僕は自分の力でイチゴを売りたい、というか自分の力で売らないと全くやる意味がないくらいに感じている。なので相談に行った時も自分で直売、観光農園などをやりたいと話したが、それは難しい、時間が取れないだろうの一点張りでほぼ全否定状態だった。え?まじ?自力で売るって修羅の道?

直売している先生への相談
不安にかられ、100%自力で直売をしているイチゴ農家の先生の元へ話を聞きに行ったところ、自分でできるとのことだった。先生は逆のことをおっしゃっていてとにかく販路が一番大事!と。僕はそれを信じてやるしかないと思った。

※ちなみに僕はアンチJAでは全くありません。確かにいろんな課題はあるかもしれませんが、農家にとって必要な存在であると考えています。この辺りは別で詳しく書きます。

販売単価をあげるためには?

というわけで、販売単価をあげる点を考えるため先生に教えてもらった通り販路について考えていきたい。

一般的な販路
まず、物理的な販路は地元のスーパー、道の駅、自園の直売所、都市部のデパート、近隣のレストランなどが挙げられる。その中でもわかりやすい例として、「道の駅」で計算してみよう。

販売シミュレーション
仮に道の駅で1パック250gを700円で販売したとすると、4パックで2,800円
つまり、1kgあたり2,800円の単価となる。道の駅の手数料が20%のところが結構多いらしいので、その経費を差し引いてみても1kgあたり2,240円で販売できる。これを単純に計算してみると

生産量:9,000kg
販売単価:2,240円
総売上:20,160,000円(2,016万円)

1年間の営農にかかる経費に変化はないとすると
総売上:2,016万円
経費:600万円
手元に残る金額:1,416万円

1,400円/kgとの比較
1kgあたり1,400円と比べると、販売単価のUP率は640円で1.6倍だけど、最終的な利益が660万円だったことを考えると、単純な計算ではあるが約2.14倍の差が出ることになる。単価を100円UPするだけで売上げに900,000円の差が出る。

結論と続き
販売単価を少しでも高く売ることで、ここまでの差が出るのは自分で計算しても結構衝撃的だった。実際に道の駅で販売されていた価格で計算してみたのでわりとリアルだと思う。ただし、ネットを使った販売であればまだまだ単価を上げる余地がありそうなので、次回はそのほかの販路についても書いいていきたい。
※あくまで試算なので、生育がうまくいくかどうかは全く考慮していない。


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