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世界エイズデー2023

12/1は世界エイズデーです。

AIDS(acquired immunodeficiency syndrome:後天性免疫不全症候群)はHIV(Human immunodeficiency virus)がによって引き起こされます’。

1988年にWHO(世界保健機関)が12月1日を”World AIDS Day”(世界エイズデー)と定め、エイズに関する啓発活動等の実施を提唱しました。 日本でもその趣旨に賛同し、エイズに関する正しい知識等についての啓発活動を推進し、エイズまん延防止及び患者・感染者に対する差別・偏見の解消等を図ることを目的として、12月1日を中心に「世界エイズデー」を実施しています。

HIVのことを少しご紹介

HIVは直径約110 nmのRNA型エンベロープウイルスで、その粒子内部に約9,500塩基からなる2コピーの(+)鎖RNAゲノム、逆転写酵素やインテグラーゼなどのウイルス蛋白質を含むコア構造とそれを取り囲む球状エンベロープによって構成される(図3)。ウイルス粒子の外側を構成するエンベロープには、糖蛋白質gp120とgp41の三量体からなる5-10個程度のスパイクが外側に突き出していて、標的細胞であるヘルパーT細胞やマクロファージ表面に発現しているCD4レセプターとケモカインレセプターCCR5またはCXCR4に結合して感染・侵入する。HIVは血清学的・遺伝学的性状の異なるHIV-1とHIV-2に大別される(図4)。HIV遺伝子は、両端に存在するLTR (long terminal repeat)と呼ばれる遺伝子領域と、gag, pol, envの3個の主要な構造遺伝子、tat,revの2個の調節遺伝子、nef, vif, vpr, vpu (HIV-1のみ), vpx (HIV-2のみ)の4個のアクセサリー遺伝子から構成され、複雑かつ精巧な遺伝子発現調節機構によって制御されている。

要するに核酸にRNAを持つウイルスです。このウイルスの最も特徴的なことはヒトの細胞、リンパ球の核の中に入り込みDNAの中に自分のRNAをDNA に変換いして組み込むことができることです。

ヒトDNAに入ってしまうとこです。これでこのウイルスの排除を難しくします。長い時間をかけて免疫機能を奪っていきます。特にリンパ球、CD4の表面タンパクを持つリンパ球を標的にしてゆっくりと病状を進めます。

CD4を持つリンパ球は免疫を担う細胞となっていて特に液性免疫、抗体の産生を活発にする役割を持っています。この機能を奪うと普段ではなんでもない感染症でも防ぎきれなくなり症状が悪化し、最後は死に至ることになります。

今ではHIVの増殖を防ぐ薬を何種類か処方することによりコントロール可能となっています。

ついでに構造もご紹介。HIVは球形をしていて外側にはエンベロープを持ち、中に核酸(RNA)を持っているRNAウイルス。RNAウイルスでも特殊な逆転転写酵素でRNAからDNAを作ることができるレトロウイルスです。


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