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大人の悪ノリは不正や横領につながってしまうって話

 どうも、ゑんどう(@ryosuke_endo)です。

 ドキドキというか、ワクワクというか、何とも言えない高揚感を抱かせてくれるニュースが飛び込んできたので共有させてください。

 じゃん。

 概要としてはこうです。

 徳島県の46歳の係長が、観光政策課在籍中の「阿波藍魅力発信事業」において、委託業者に無断で成人用玩具(ラブドール)を購入させ、契約上その事実を隠蔽し、県に損害を与えたと認定され懲戒免職処分を受けました。

 なんとビックリですよね。

 まぁ、現地に居住して納税する立場ではありませんから、怒りや悲しみといった後ろ向きな感情が昂ることはないのですが、「やってんなー」と野次馬根性でついつい詳細を覗き込んでしまいます。

 これ、安直に考えたら「何をくだらないことを…」なんて言いながら断罪してしまいそうなところですが、ちょっと真剣に考える必要があるニュースなんじゃないかと思うのです。

 何を考えるのかっていうと「大人の悪ノリ」について。

報道の詳細

 本題に入る前に、貼ったリンクなんかに飛んで行かない人のため、今回の「阿波藍ラブドール事件」について報道されている内容に触れておきたいと思います。

 徳島県の46歳の係長が自身の担当する「阿波藍魅力発信事業」において、委託業者に無断で成人用玩具(ラブドール)を購入させ、契約上その事実を隠蔽し、県に損害を与えたと認定されました。

 2019年、徳島にある阿波おどり空港での藍染め製品等の展示を行っていたそうですが、この係長は「リアルな人形を使用した展示が主流になっている」といった記事をインターネットで見つけて着想を得たことから、委託業者と共に大阪のショールームでラブドールを購入します。

 この行動力、半端じゃありません。

 購入されたラブドールは藍染め衣装を着用し、約1ヶ月間、阿波おどり空港で展示され、人気を博したとか博さなかったとか。いずれにしても、この事業を行った当該の係長は事業報告書に「リアルな人形を展示しました(意訳)」としたのではないでしょうか。

 ただ、問題だったのは会計処理。

 ラブドールを購入するための費用を、マネキン・什器"レンタル"名目で見積書に含めた契約を結んだことが、係長の裁量権を逸脱または濫用しており、地方財政法等に違反すると判断されるに至ります。

 ラブドールの購入価格は39.3万円で、レンタルマネキン価格だった場合の1.25万円との差額は実に38万円にのぼり、これは徳島県の損害に当たることから、事件の実行犯である係長には懲戒免職処分が下されました。

部外者的に着想はおもしろいけれど…

 事件の首謀者である係長は、インターネットで「リアルな人形が主流」という記事を見つけ、「これだ!」と着想を得たところを想像するとおもしろくて仕方ありません。現状46歳とのことですから、5年前だと41歳。

 現在のぼくと同じような年齢(41歳)の中年男性が、事業の委託業者と共に大阪のショールームに向かい、ラブドールをゲットしたという行動力と判断力、何よりも決断力に驚きを隠せません。ゲヘゲヘ言いながら「やっぱ、リアルな人形だよなぁ…」とか言ってたんでしょうか。

 結果、ショールームで係長のハートを射止めたラブドールさんは、藍染め姿に身を包み、約1ヶ月間、徳島の阿波おどり空港で乗客たちを"魅了"していたそうです。さぞ、そのリアル具合にうっとりと見惚れてしまう人が続出したことでしょう。

 この流れ、完全な部外者の立場で見ている分には滑稽な笑い話です。

 何というか、中年男性の係長が委託業者と共にショールームへ出かけていく様子とか想像してください。街中にある大人の玩具店に訪問する姿を目にすることはあれど、ラブドールの展示場に脚を運ぶ姿を目にすることなんてできませから、余計にこちらの想像を掻き立ててくれます。

 委託業者にどんな持ち掛け方をしたのかも気になります。

 「やっぱり、リアルな人形の方が魅力を引き立てると思うんですよね」とか真剣に下世話な表情を浮かべながら説明したのでしょうか

 委託業者も委託業者です。

 いくらなんでも購入費用をレンタル価格で見積もりを作成するだなんて社会人としての倫理観など持ち合わせていなかったのかもしれません。

 …いや、むしろ会社に向けた忠誠心が強かったり、会社から随分と重めのノルマを課せられていたがために「う、売上になるのなら…」と追い込まれた末の行動だったのか、本当のところはわかりませんが、いずれにせよ、この事業者の従業員も何かしらの処分に課せられていることでしょう。

 ここまでみてきた通り、この "魅惑の藍染めラブドール事件"は大人の悪ノリが引き起こした悲しい事件だったと言えます。

大人の悪ノリは節度が必要

 ここから先は、善良なる大人になろうとする未成年の方々に向けて、また、そういった未来のある、のびしろしかない人たちと共に暮らす大人の人々に向けて伝えたいことを書きます。

 大人の世界では、時として "悪ノリ" が通用する場面があります。学生の人たちに寄せるとするならば、部活ノリや部室ノリ、教室ノリといってもいいでしょう。内輪で盛り上がって調子に乗った行動をとってしまう、あれです。

 残念ながら、いい年齢の大人になっても、ああいったどうしようもない衝動に駆られて行動を起こしてしまう人はいるものです。

 では、なぜ、こういった問題が多くないのか。多くの大人には理性があり、その理性によって破壊的で自虐的で刹那的な衝動を抑え込むことができるからです。

 会社のお金を個人的な利益のために使い込んでしまうことは業務上の横領であり不正行為かつ、犯罪です。公金を扱う公務員の立場であれば、なおさらそういった理性に基づいた規範意識を抱いてもらいたい部分があるものの、公務員といえど人間です。間違うこともあるでしょう。

 でも、ダメなものはダメです。そうした安易な行動が許されないことは明らかで、倫理観と責任感がない人が悪ノリを実行できてしまうような体制や状態は健全とは言えません。

 また、この事件を他山の石として、私たち一人一人が、日頃の行動を振り返ってみる機会にすべきです。

 ちょっとした "悪ノリ" や "いい加減さ" が、知らぬ間に不正や違法行為へと発展してしまう危険性を認識し、けじめのある行動を心がけられる大人になっていきましょう。

おわりに

 いや、傍目に見ればおもしろいんですよ。だって、「リアルだからラブドール」って、何を持ってリアルなんだよ!ってツッコミはもちろん、だからってラブドールに行ったのはなぜ!みたいな疑問も浮かんできます。

 そもそも事業者と揃ってショールームに入っていく表情がどんなもんだったのかが気になって仕方ありませんし。

 笑い話として消費できてしまうからこそ、自分にも似たような行動因子があるんだろうなって思うと、実行者が同年代なこともあり胸が痛いです。

 気をつけます。

 ではでは。

 ゑんどう(@ryosuke_endo)


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