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子どもが泣くのを我慢できない人

 先日、NHKニュースでこんなのが配信されてました。

 内容は、赤ちゃんが泣いてしまうのは仕方のないのに、それを我慢できない人たちが投げかける言葉がキツすぎて肩身の狭い生活を強いられる人たちがいる事実を紹介しながら、とはいえ世の中捨てたもんではないし、徐々にではあるけど、社会的な運動にも繋がってきてるのだよ、と事例紹介を加えてくれるものです。

 この記事中で触れられている肩身が狭い思いを抱くに至った体験談が二つほど紹介されているのですが、この引き金になった言動をしているのがどう読んでも、残念なオジさんでしかなく、ここは考えものです。

 何が残念なのかといえば、子どもが泣く程度のことも我慢ならないぐらいに気の短い性分が残念なのを目いっぱい言いたいのですが、それは本旨ではありません。

 本旨にしたいのは、これらの事例で紹介されているオジさんたちは、子どもに泣かれ、ニッチもサッチも行かない状態に追い込まれて狼狽した経験がないのではないか。という仮説。

 おそらくですが、残念ながら今後も似たような事例で泣く羽目になる方は一定数以上は存在し続けるのだと思います。

 理由の一つとして、平成の期間中、仕事をどうにかして頑張って頑張って頑張って......としてきたがために、子どもが乳幼児期に泣かれてどうしようもない経験を(望んでいたのかもしれませんが)積むことが出来なかった男性が40代や50代で、まだまだ現役だという事実です。

 現役世代の年齢をさらに引き上げる方向へ社会制度や認識自体が少しずつ動いていますが、それを維持継続するってことは、上記の例よろしく、オジさんたちに泣かされる人たちが一定数いる事実にも変わりようがない、なんて悲しい事態を予測しやすい状況になってしまうわけで。

 ただ、悲観的な状況ばかりではないんじゃないかなぁ、とも思っています。30代や40代の残念なオジさんたちよりも若い世代の人たちは、泣いてしまう子どもに対しての理解が増しているでしょうし、ぼくたちのような世代が中心世代になってきている状況の中では、空気感が今より子どもに対して寛容な社会となっていくのではないかと期待もしています。

 なぜ、そんなことを述べるのかといえば、ベネッセが出している『乳幼児の父親についての調査』なんて資料がありまして、この回答内容を踏まえると、共働きで時間がない中でも懸命に子どもとの時間を確保したいと考える人たちが多いんだな、と実感するからなんですね。

 もちろん、これに回答をしている人は子どものことを考えるのが当然という認識を持っている人たちだから、ポジティブな回答が多いのも納得ですし、これにばかり目を当てるわけにはいきません。それだとバランス欠けてしまいますからね。ただ、その風潮は、それとなく強くなっているのではないかなぁ、と3名の子どもと生活を共にする一人の父親としては思うのです。

 ただ、その風潮が強くなったらなったで、別の問題も生じそうな気もしますが、それはそれとして起こった時にでも考えればいいので、今は考えません。

 ある時、飲食店、しかも子連れで入るのが前提として考慮されているお店に我が家も入ったことがあるのですが、子どもが大泣きしていて、それを必死に泣き止まそうとする人の姿が目に入りました。

 ただ、その言葉の掛け方や内容に愕然としたのを強烈に覚えてます。

 どうしても泣き止まない子どもに対して、近くにいた大人がかけた言葉は「恥ずかしい」です。「周りで同じように泣いてる子がいないのに、どうして泣くのか」と。

 これって、子どもを泣かせてしまった自分が周りからの目を気にしているだけの発言であり、自分が恥ずかしい気持ちを子どもに責任転嫁しているだけの姿勢。そばにいて全くの無関係ながら、ぼくは信じられない言葉を聞いてしまった現実に狼狽してしまいました。

 結果として、他の大人が子どもの気持ちを汲みながら、気持ちに寄り添ってくれたおかげで、当該の子どもは落ち着きを取り戻していきましたし、寄り添ってくれた人に対して満面の笑みを浮かべるところまで回復をしていたので、胸を撫で下ろしたのはいうまでもありません。

 その物言いをした方は高齢者として受け取れる年齢であり、そばで気持ちに寄り添っていたのは、ぼくと年齢が同じぐらいの母親だったのだと思います。

 そうやって子どもの"こころ"まで縛ろうとすることが親の責務だと考えている層が一定数いるのだなぁ、と実感した出来事でもあったのですが、それを踏まえると、上でNHKが取り上げた記事の内容で紹介されている残念なオジさんたちだけが存在するのも頷けてしまうのですが、納得はしません。

 泣いてしまうのは仕方ないですし、それを咎めることは誰にだってできませんし、その姿勢は過去の自分でもあるのですから。

 今日もお読みいただき、ありがとうございます。朝と夜の境目っていいですよね。

ぼく:遠藤 涼介/Endo-san (@ryosuke_endo

#スポみら (元 #スポーツの未来に僕たちができること )オーガナイザー。 第一弾、新潟経営大学イベントの資金調達を目的に行ったクラウドファンディングは3サイトで募集し、すべて目標達成(総合達成率140%)#新潟 を #前向きな空気の溢れるエリア にすべく活動中。

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