リスキリングはできる人とできない人が明確になるのではないか説
どうも、ゑんどう(@ryosuke_endo)です。
最近、AIをはじめとした技術的な話について枚挙にいとまがないですよね。特に生成系AIなんて、ぼくみたいな無能派閥に属する人間からすると本当に助けられるもので、明らかに登場以前と以後とでは仕事への向き合い方というか進め方が変わりましたもんね。
これ、他の業種や職種にも起こっていることでしょうし、これからも断続的に起こり続けることなんだろうとは思うのですよ。自動化やロボット工学などの技術革新が起こらないと社会経済は縮小していくでしょうから、常に起こし続けなければいけません。
その反面、変化が起こることによって我々の働き方や必要とされるスキルにも大きな影響を与えることになり、最近ではリスキリングといった言葉を使うことによって変化する環境に適応し続けるよう促されています。
平成の中頃までであれば、一つの職業に長年従事することが一般的だったかもしれませんが、令和のいま、社会は変化することが前提となり、それに適応するために新たなスキルを継続的に習得することが求められるような時代になりました。
この時点で、昭和に家族を成してきた人たちとの間には大きな差が生じていることになりますし、ずっと苦しい戦いを現役世代は強いられることとなっているとも言えます。
変化が当然な時代の中で政府も人手不足や労働者数の確保に向けて動いており、その中でも必要だとされているのが「リスキリング」。
でも、ぼくはリスキリングに対し、随分と懐疑的な視線を向けていたりするのですが、その辺について細々と書いていきます。
(改めて)リスキリングとは何ぞや
リスキリングに興味と関心がある方にとっては釈迦に説法だとは思いますが、改めて「リスキリング」とは何かを見ていきます。
リスキリングとは、既に職業に就いている人が、技術革新や産業構造の変化に適応するために、新たなスキルを習得すること、です。
リスキリングによって新たな知識やスキルを習得することにより、個人であれば雇用の維持や別の組織で雇用される可能性を向上させたり、キャリアの選択肢を広げることが期待できるとされています。
企業でみたら、多様な人材を確保することにつながりますし、もしかしたら競争優位に立つことだって考えられるかもしれません。国からすれば、そうやって競争優位な企業が国内に増えることで経済成長・社会の安定にも寄与するだなんてことも考えられます。
なんでリスキリングが必要だと思われるのか。
簡単にいってしまえば、儲かるビジネスが変わっているから。昭和の最後に技術としてインターネットはあったかもしれませんが、それが一般に普及していくことはありませんでした。しかし、平成の中期ごろから一気に市民権を経て、今となっては手元に小さな端末でインターネットに常時接続できるような時代です。
つまり、現代社会は技術革新とグローバル化が前提となっており、私たちの働き方や必要とされるスキルは大きく変化し続けているってことです。冒頭でも触れましたが、AIや自動化に機械化など、あらゆる技術が発展することで、一部の職種では業務内容が大きく変わりますし、産業構造自体も変化しています。
そんな大きな変化が常に起こり続ける状況の中、個人が社会の変化に適応し続けていくためにはリスキリングが不可欠だ、と。こういうわけです。
つまり、リスキリングとは、現在何かしらの職業に就いている人が、新たなスキルを習得することで、技術革新や産業構造の変化に対応すること、適応することを指すのです。
リスキリングの課題と支援策
ただ、やっぱりリスキリングには懐疑的にならざるを得ません。なぜなら、学び直すことや技術などの新たなものに飛びつき、それを習得することができるかどうかは個人の特性や資質に委ねられることだから。誰もがリスキリングができるだなんて幻想は抱くべきではないでしょう。
リスキリングを実現できるのだとしたら、それは個人にとっても社会にとっても双方が持続的に発展していくために不可欠な要素だと言えるのでしょうが、それを万人にも適用できるものかと言われたら疑問を抱かざるを得ません。
まず、リスキリングの対象者は多岐にわたります。多すぎる。技術革新の影響を直接受ける職種の従事者はもちろん、キャリアアップやキャリアチェンジを目指す個人が対象となるって時点で、あまりにも母数が大きすぎるでしょ。
その母数の壁を乗り越えたとしても年齢的な障壁もあります。特に、長年同じ職種に従事してきた中高年齢層に属する人たちからすると、新しいスキルを習得することへの心理的抵抗感や、学習能力への不安を感じる人は少なくないはず。
また、学習習慣の欠如って大きな課題もあります。内閣府の『生涯学習に関する世論調査(令和4年7月調査)』によると、過去1年で月に1日以上何かしらの学習をしたかどうかを聞かれ、仕事に必要な知識や技能、資格に関することで学習をした人は40.1%と半数以下。何も学習をしていないと回答する人は全体の24.3%おり、学習していない理由は「特に必要がない」が45.5%と群を抜いています。わかりますか。
加えて、リスキリングにはコストがかかります。学習に必要な時間や費用を捻出することが困難な場合、リスキリングへの取り組みが進まない可能性がありますが、そもそも学習習慣のない人たちに学習の機会を提供することがどれだけ困難なことかは想像に難くないでしょう。
やっぱりリスキリングは無理ゲーなんじゃ…
リスキリングの重要性が広く認識される中、既に多くの企業や政府が、リスキリングを支援する取り組みを始めていると報道されてるものを見ますすが、どれも能力の高そうな人たちやイシキタカイ族の人たちなんであろうことが伺えるものばかり。
そういった人たちは多数派ではなく、少数派であることをきちんと把握すべきでしょう。多くの人たちは上の世論調査でもわかる通り、仕事にまつわる学習を月に1日以上も注ぎ込んでられないのです。
いくら政府がリスキリング促進のための政策を進めようと、それを享受できる人は限定的でしかなく、仮に享受できたとしても、それを活かせる人となれば、さらに少数になっていきます。
厚生労働省は2018年から「人づくり革命」を掲げ、リカレント教育の拡充や、中小企業の人材育成支援などに取り組んでいますし、また経済産業省は、「第四次産業革命スキル習得講座認定制度」といった正気の沙汰とは思えない認定制度を創設し、IT・データ分野を中心としたリスキリング講座の質を担保する取り組みを行っています。
でも、やっぱりそういった情報にアクセスできる人は限定的ですし、職業訓練とリスキリングの違いも曖昧なまま、どうにか働ける人たちを増やそうとしているものの、その対象が高齢者層ど真ん中だなんて事態を踏まえると、到底、定着していくような気がしません。
リスキリングは、社会全体の課題ではありますし、術革新が加速する中で、社会の持続可能性を確保するためには労働者のスキルアップが欠かせません。欠かせませんが、多くの労働者はそんなものよりも、目の前にある身銭を稼ぐ方法に飛びつくものですし、それを政府が推し進めたところで何にも関係のない話として受け取る他にないんですよ。
また一つ、絶望するような話にしてしまいましたが、個人のスキルを高めるって方向に進めば進むほど、それについていくことができない個人が浮き彫りになっていき、学習偏差値でいうところの50未満の人たちをみないようにしていくことになるんじゃないですかね。
おわりに
結局、できる人たちができる人たちだけで話を進めていこうとしている気がしてならないんですよね。そんなん無理じゃないですか。
イシキタカイ族の方々からすると当然な話であっても、ぼくみたいな人間からすると異常なことってたくさんあります。今回のリスキリングについても同様です。
そんなに学習意欲と就労意欲に溢れている人なんて多くないんですよ。それがわからないわけがないはずなのに、どうして分かろうとしないんだろうなぁ…と疑問なのですが、どうしてでしょうか。
ではでは。
ゑんどう(@ryosuke_endo)
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