新学期を前に不登校児童と暮らす大人として「不登校」に悩む人たちに向けた手紙
どうも、ゑんどう(@ryosuke_endo)です。
我が家には不登校状態"だった"長男くん(10歳)がいます。"だった"としているのは、その状態が改善というか回復というか、とにかくステータスとして「不登校」ではなくなってきたから。
詳細は以下にあるので、興味がある方は覗いてみてください。
今日、ここで書きたいのは、我が家が行ってきた不登校からの脱却方法!などといったTipsではなく、かといって説教がましく「あーすべき」とか「こーすべき」みたいな話を書きたいわけでもありません。
じゃー何かっていうと、2024年3月22日に公益社団法人「子どもの発達科学研究所」から公表された『文部科学省委託事業 不登校の要因分析に関する調査研究』の内容を踏まえ、不登校児童と生活をする上での大人の姿勢や態度ってどうしたらいいんでしょうねぇ、なんてことを書いてみようと思います。
不登校の要因分析から
文部科学省が定義する不登校とは、「何らかの 心理的、情緒的、身体的あるいは社会的要因・背景により、 登校しないあるいはしたくともできない状況にあるために年間 30日以上欠席した者のうち、病気や経済的な理由による者を 除いたもの」です。
不登校となっている小中学生は、2022年度はおよそ29万9000人と過去最多となっていますが、長期欠席者という括りになると413,750人と、その規模は金沢市や富山市といった都市の人口に匹敵する数の児童・生徒が何かしらの理由により学校へ通うことができなくなっています。
子どもの発達科学研究所が行った調査は、山梨県や大阪府吹田市など、4つの自治体の小中学生や高校1年生、合わせて1万9005人と、その保護者や教員を対象として行われ、このうち不登校の経験がある児童生徒を中心に分析されたものです。
調査・分析の結果をみてみると、学校に行きづらいと感じ始めた状況を複数回答で不登校の経験があると答えた児童や生徒239人では「不安・抑うつ」が77%、「居眠り、朝起きられない、夜眠れない」が70%、「体調不良」が69%と、心身の不調に関する項目で高くなっています。
一方、担任教員1424人のこれらの回答は1割から2割未満となっており、教員と当事者の認識に齟齬があることがわかります。また、「いじめ被害」と回答した児童や生徒は26%でしたが、担任教員は4%とここにも認識に開きがありました。
大人が子どもたちに向けてできること
「教員は子どもたちに向き合えていない」といいたいわけではありません。そもそも、何十名もいる児童・生徒の心理状態まで細かく把握するだなんてことは無理ですし、保護者もそれを教職員にそこまで求めるべきではありません。
担任とはいえ、一対多数の状況で児童や生徒に向けて細かくケアすることやサポートすることは容易ではありません。個々に抱える課題や問題のすべてを解決することなんてできるわけがないのです。
同じ職場に10名ほどの同僚がいたとして、その人たちが抱えている課題や問題を一斉に解決に向けて行動してくださいと求められたら「無理」と言いたくなるでしょうが、担任教師はクラス内にいる30名以上の児童や生徒と向き合っているものの、それらをすべて管理・処理することなどできるはずがありません。
その前提に立って不登校となってしまった児童や生徒と向き合うべきなのは身近な大人であり、保護者、つまりは親ってことになるでしょう。
もちろん、目の前にいる子どもたちに向き合っていない親などいるはずがないことは重々承知しています。あなたが子どもから目を逸らしているだなんて言いたいわけではないのです。
ただ、不登校となって苦しみ悩んででいるのは当人であり、別の個体である親がいくら心配だとか不安だからといって、その焦燥感を担任教師に向けても仕方がありません。
親ができることなんてたかが知れています。何でも解決のできる無敵な父親や母親なんて妄想や想像の産物でしかなく、そんな無理難題を自分に課すこと自体がナンセンス。
いろいろと思い悩むことがあるでしょうが、身近な大人にできることなんてわが子の気持ちに寄り添い、理解しようと努めること。それしかありません。
「なぜ学校に行けないのか」と詰め寄るのではなく、まずはわが子の話に耳を傾けてあげましょうよ。そして、休みがちな状況を責めるのではなく、学校に行けない辛さに共感し、味方になってあげることであり居場所を用意してあげることです。
「学校へ行けること」がゴールじゃない
根本的なところでいうと、そもそも学校に行けることとか学校に戻ることがゴールでも何でもないんですよ。
これは自分が当事者だから強くいえることでもあるのですが、学校に行けるとか行けないとかってのは本質的な課題や問題ではありません。ハッキリ言いますが、そこに囚われてしまうと何にも解決しません。
上でも書きましたが、親にできることは子どもの居場所をつくることであって、それ以上もそれ以下もありません。それしかないといってもいい。
社会には「学校に戻す」といって事業にしている人たちもいますが、そこに縋ってはいけませんし、縋るべきではありません。ぼく個人としては、そうやって人の弱みに漬け込んで事業を展開するような人たちを心の底から軽蔑しますが、それで救われている人もいるであろうことは認めます。
認めますが、親の立場として本質的にやらなければならないのは、居場所をなくしている当人に向き合い、寄り添いながら居場所となってあげることです。
学校に行けないってのは、学校を居場所だと感じられていないからであって、それを否定しても仕方がないじゃないですか。
学校に行き、級友たちと交流を深めてもらいたいし、ケンカしてもらいたい。そこからの関係修復も経験してもらいたいし、何でもいいから友人と呼べる人たちと教え合うような生活を送ってもらいたい。
でも、それができないぐらい、本人は居場所をなくしている状態なわけで、それを親の勝手な見栄や世間体、劣等感などから「学校に行ってほしい」だなんて傲慢じゃないですか。
「学習に遅れが…」とか「逃げてばかりじゃ…」なんて大人の側から見た景色を押し付けるんじゃなく、目の前にいる大切な存在である個人格にきちんと向き合いましょう。
言葉にできないかもしれないし、感情的になって抵抗してくるのかもしれないけれど、そこに向き合わない理由なんてないはずです。むしろ、そこで向き合わないのであれば誰が、いつ向き合うんですか。
特別なことを話さなくてもいいし、解決に向けた話し合いなんてしなくていいから、居場所になってあげましょうよ。
おわりに
「学校に行ってほしい」ってのも、ある意味では大人の都合ですよね。
自分は仕事に行くし、その間、自宅にいて何も学ばないよりは学校って場所に行ってほしいって。それって、なんだか思考停止な気もします。
不登校だから問題なのではなくって、そこに向き合わないことが問題なんですよ。それを「学校に行く」ってことが目的化させてしまうと、本質的なことがわからなくなります。気をつけましょうね。
ではでは。
ゑんどう(@ryosuke_endo)
#えんどうnote 、マガジンをフォローすると通知が届きます!
X(Twitter)もやってますのでフォローしてください!
最後までお読みいただき、本当にありがとうございます。 お読みいただき、それについてコメントつきで各SNSへ投稿していただけたら即座に反応の上でお礼を申し上げます!