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【マクロ-06:不動産鑑定士試験のための経済学】 投資の利子弾力性と政策の効果 をわかりやすく(IS-LM分析)

1. 投資の利子弾力性とは

投資の利子弾力性とは、利子率が変わったときに投資の量がどれだけ変動するかを示す指標です。利子率が1%上昇した場合、投資が何%減少するかを示すこの指標は、IS曲線の傾きにも関連しています。
投資の利子弾力性が大きい場合、IS曲線の傾きは比較的緩やかになります。これは、利子率の小さな変動でも投資の反応が大きいためです。一方、利子弾力性が小さい場合、IS曲線の傾きは比較的急になります。

2. 投資の利子弾力性の違いと財政政策の効果

財政政策、特に公共支出の増加は、国民所得を増加させる効果が期待されます。しかし、その効果の大きさはIS曲線の傾きによって異なります。
投資の利子弾力性が大きい場合(IS曲線の傾きが緩やかな場合)、財政政策の効果は限定的です。利子率は、投資の利子弾力性が小さい場合(IS曲線の傾きが急な場合)の方が上昇しますが、利子率の上昇により民間投資がより大きく減少する(クラウディング・アウトがより大きくなる)ため、投資の利子弾力性が大きい場合の方が財政政策の効果は小さくなります。
一方、投資の利子弾力性が小さい場合、国民所得の増加効果はより大きくなり、財政政策の効果は大きくなります。

3. 投資の利子弾力性の違いと金融政策の効果

金融政策、特に金利の調整は、投資の利子弾力性によってその効果が変わります。
投資の利子弾力性が小さい場合(IS曲線の傾きが急な場合)、金利の低下による投資の増加は限定的であり、国民所得の増加効果は小さくなります。
一方、投資の利子弾力性が大きい場合(IS曲線の傾きが緩やかな場合)、金利の低下は投資を大きく刺激し、国民所得の増加効果はより大きくなり、金融政策の効果は大きくなります。

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