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【マクロ-03:不動産鑑定士試験のための経済学】 投資の限界効率 をわかりやすく(IS-LM分析)


1. 投資の限界効率とは

投資の限界効率とは、追加の投資がもたらす追加の収益(または利益)の率を指します。具体的には、ある企業が1単位追加で投資した場合に得られる追加の収益のことを示します。この概念は、企業がどれだけの投資を行うべきかを判断する際の重要な指標となります。
一般的に、初めの段階での投資は高い限界効率を持つことが多いです。しかし、投資の規模が大きくなるにつれ、その限界効率は低下していきます。これは、最初の投資が最も効果的なプロジェクトや機会に利用され、追加の投資が次第に効果的でなくなるためです。

2. 投資の効率と利子率の関係

2.1. 市場の利子率とは

市場の利子率とは、資金を借りる際や預ける際に受け取ることができる報酬の割合を指します。この利子率は、資金の需給バランスによって決まり、経済の健全性や中央銀行の政策、国際的な資金の流れなど多くの要因に影響を受けます。
利子率が高ければ、預金などの金融商品にお金を預けることが魅力的となり、逆に低ければ企業や個人は投資や消費のための資金を借りることが魅力的となります。このように、利子率は経済の活動を調整する重要な役割を果たしています。

2.2. 市場の利子率の変動が民間投資に与える影響

利子率が低下すると、企業や個人が借りるコストが低くなるため、投資の障壁が低下します。結果として、新しいプロジェクトや設備投資が増加する傾向があります。一方、利子率が上昇すると、借り入れのコストが増加し、投資の意欲が減少する可能性が高まります。
つまり、市場の利子率は、投資の活発さを左右する重要な要因となります。これは、企業が将来の収益と現在の資金調達コストを比較して投資判断を下すためです。

3. 投資関数

投資関数とは、ある利子率での投資の総量を示す関数です。一般的に、利子率が上昇すると投資の意欲は低下し、逆に利子率が低下すると投資の意欲は増加します。この関係性をグラフに描くと、右下がりの曲線となります。
その理由は、利子率が上昇すると資金調達のコストが増加し、投資のリターンが低下するためです。また、限界効率が低下するにつれて、新たな投資の効果は減少していきます。このため、利子率と投資量の関係は通常、右下がりの形状を取ります。

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