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コーヒーブレイク14回目:国家公務員(キャリア官僚)のお仕事Part1

知人から、私の所属している組織の中途採用に興味があるという連絡がありました。

そこで、最近の国家公務員事情を解説したいと思います。

ちなみに私、桐島は、国家公務員1種(2013年から総合職という呼称に変更されたが、いまだに組織内では1種、2種、3種が使用されています)で、経済の試験区分で事務官として入省し、霞が関の「とある省庁」に所属しています。

私は大学生の時に、霞が関には5大省庁という大きな権限を持っている役所があると習いました。

それは、財務省、経産省、総務省自治、警察庁、外務省になります。

最近は、国家公務員人気にかげりが出てきたため、自己管理も出来ないよくぞこんな人が!?と思う人が、5大省庁にも入省しています( ´Д`)

しかし、いまだに、5大省庁には人間味が溢れる上司が多いのは事実なので、所属している人の人となりを見るべきです!

また、5大省庁と括っても、省庁ごとに全く異なる組織です。基本的なツールや働き方で似通っている面もありますが、

私のイメージでは、

財務省=三菱商事、JR東海
経産省=三井物産、ボストンコンサルティンググループ
総務省自治=地方豪族
警察庁=三菱地所、三井不動産
外務省=JICA、国連機関

というぐらい、組織風土が全く異なります。

閑話休題

霞ヶ関では、最近、中途採用が増加しています。中途採用で国家公務員になるということは、それなりの覚悟を持って各省庁の門を叩く必要があります。

これからシリーズとして、最低限心得ておくべきマナーを解説をしたいと思います。

私の独りよがりな見方にならないよう、私が読んできた本(官僚系の本はほとんど読破している自負があります)を紹介する形で、解説していきます。

まず、第一回目のテーマは、2024年時点における霞ヶ関の官僚を知ろう!です。


1.霞が関の人になってみた 知られざる国家公務員の世界

こちらの書籍は、中途で厚生労働省に2016年に入省した女性官僚の視点から、霞が関の摩訶不思議を描いています。

霞が関の良い点(霞ヶ関で働くことの魅力)、悪い点(霞ヶ関で消耗してしまう4つの理由)をバランスよく記載していて、好感が持てます。

中途入省を狙う方、検討する方にとっての最初の1冊といえます。

こちらの本にも記載の通り、霞ヶ関で働くと、チームワーク力(法律作成、政策立案)とコミュニケーション力(議員対応による超高度なスキル)が身につきます。

霞が関の3大ツールは、
1.法律(新法、改正)
2.補助金
3.税制(新設、改正)

ですが、その他、新規概念の創出(DX、経済安全保障など)、メディア活用、世論形成など、多種多様なツールが存在します。
(省庁によっては扱っていないツールもありますが、これらのツールを全て利用できる人は、優秀な官僚として評価されます)

最近は、1つの課に民間からの出向者、地方自治体からの出向者など、多種多様なバックグラウンドの人がいて、公務員気質でそれなりに優しい人が多いので、質問すればわからないことを教えてくれます。

この本でわかる通り、霞ヶ関の大きな役割の1つは、法律の立案です。法律にあまり関心のない方は、霞ヶ関で中途で入ってもフィットできない可能性が高いです(法律のほとんど無さそうな外務省でさえ、国際法局(昔の条約局)という場所があり、法律が必要です)

その点、著者(霞いちか)は、法律改正の経験もしていて、将来を見込まれて、かなりオールラウンドな経験をしているため、わかりやすい本を執筆することができたのだと思います。


2.職業としての官僚

人事院で長らく霞ヶ関を観察、分析し、博士号も保有している京大大学院教授の書籍です。

値段と質のコスパが圧倒的に良い作品♪

安倍政権の2014年に内閣人事局ができ、官僚に対する官邸の睨みが強くなりました。

いまの官邸と霞ヶ関との関係について、現役幹部の生声が記載されていて、民主党政権次第に入省し、安倍政権の雰囲気を知っていた私も、全面賛成の意見ばかりです。

学者の本で、岩波新書ですので、関心のある所だけ拾い読みするのが、良い本です。

そもそも、官僚って何?、という疑問が湧いてきた時に、歴史的な経緯も踏まえて、答えてくれる本です。

「霞が関の人になってみた」の後に読んでみると、一歩引いて見た官僚像がわかるはずです。



3.軽部3部作+安倍晋三回顧録

私が、経済官庁(財務省、経産省、金融庁)を志願する新卒の学生にお薦めしている3部作です(日銀に入る人にもお薦めしたいのですが、接点がありません)

彼ら彼女らに絶対に読んでもらっています。
(読むの大変でしたが、安倍政権時代の役所の醍醐味や大変さがわかりました、というコメントを貰います)

理由は、これから入省する人は、安倍政権後の世代だからですが、現役の上司が通り過ぎてきた安倍政権の存在が未だに大きなものだからです。

その長期、強大政権のもとで、経済官庁が、官僚がどのような役割を果たしたのかを知らずして、霞が関に入っても、いまの霞が関の経済官庁が置かれた立場/状況がわからず、官僚としてのイロハを知らずに働き始めることになってしまいます。

政策立案の醍醐味、官邸や政治との距離感、権力のトップにいる登場人物によるどろどろの人間ドラマです。

さらに、安倍晋三回顧録も言うまでもなく、必読です。


時間がない人は、以下で内容をまとめているので、参照ください。

霞ヶ関で勤務すると、否が応でも、政治の世界に詳しくなります。

政治の世界に全く興味、関心のない人は、霞ヶ関で働くのには不向きです!!!

少しでも政治に関心のある人は、行政権という巨大権力の1角を経験できる貴重な機会になります。
(多少大変なことも我慢できるでしょう)

民間や地方公務員では、行政権の1角は体験できませんので、お薦めです!

それでは、続きは、以下のPart2にて!


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