こんにちは、読書子です。
本日、紹介する本はこちら。
夕木春央作「十戒」

「犯人を見つけてはならない」
あらすじに書かれたこの一文に惹かれ、手に取った一冊です。
殺人事件が起こったのに、何もできない主人公たち。
最後はどうなってしまうのだろうと、ドキドキしながら読んでいました。

では、あらすじを簡単に紹介しましょう。
『亡き伯父が所有していた「枝内島」にリゾート開発の話が持ち上がり、
里英と彼女の父親、関係者たちが島に視察へ行くことになった。

しかし、島に到着して一晩明けると参加者9人のうち、一人が崖下で遺体となって発見される。
遺体の背中にはボーガンが刺さっていたため、参加者たちは殺人事件と判断し、警察に通報しようとするが、ここで犯人からのメッセージが書かれた一枚の紙が見つかる。

紙には「島にいる3日間、犯人を見つけてはならない。もし、見つけようとすれば島に設置した爆弾を起動させる」と書かれていた。

里英含む参加者たちは犯人が課した戒律に従い、3日間島で過ごすことになるのだが・・』

自分たちの中に殺人犯がいる！
そう思いながらも、犯人の戒律を守らなければいけない里英たちは、神経をすり減らしながら恐怖の3日間を過ごします。

その間にも、一人また一人と殺害されていく参加者たち。
一体誰が、どうしてこんな事件を起こしたのか、読めば読むほど謎が深まっていくばかり。

最終的に謎は明らかになりますが、最後の犯人の言葉にはゾッとしました。
そして、全てを分かった上でもう一度、読んでみると更に怖くなります。

特に参加者の中で一番若い、里英はとても怖かったと思います。
自分が彼女の立場なら、平静でいられるかなと思ってしまうほどでした。

また、犯人が十戒を使って参加者たちに行動制限を設けるところも面白かったです。

里英たちは無事に島を脱出できるのでしょうか？
殺人事件の真相とは？
衝撃のラストは、ご自身の目でお確かめください。