見出し画像

【撃沈】湘南国際マラソン2023【リベンジ】

今シーズン初戦、湘南国際マラソンを走ってきた。タイトルどおり、性懲りも無くまたも撃沈してしまったが、とりあえず昨年のリベンジは果たすことができた。ちなみに昨年は「大撃沈」であった。

実は一週間くらい前からこの昨年の記事の閲覧数が爆上がりするという面白い現象をみることができた(笑)。みんな気になるんだね。

故障

アイアンマンマレーシアの時には右ふくらはぎを故障し、足を引きずりながら帰宅した。それからほぼ半月ほどノー練で養生。10月下旬から練習再開。ところが10月末頃のJETTエンデュランスライドのあと、20キロランに出て15キロあたりから調子良く4分台に入れてさぁこれから、という時に今度は左ふくらはぎに激痛。

なんてこった。即練習終了して養生する。それからまた1週間ほどはラン練を削って様子見。かなり治ってきたかな、という頃に仙台で開かれた某集会に呼ばれた。宿泊先のホテルのロビーの段差に気づかず「おーっとっと」となってダーンと着地したのが左足だった。やばい。また、やってもうた・・・

せっかく治りかけてたのが一週間分ほど後退した感じだった。マズイ、マズイ、湘南までもう1ヶ月切っている。もうダメだ・・・この時はファンランを覚悟した。とにかく毎日アイシングをして養生するしかない。バイク練には影響はなかったので様子見ながら継続していたが、ここにさらに試練がのしかかった。

次女引越し

地方に住んでる大学生の次女が研究室の関係で引っ越すことになった。引越し業者どうしようというので、引越し海千山千の我々夫婦(これまで10回以上引越し)は大見栄を切って「ワシらがやったるから安心せぇ」と、レンタカーのキャラバンで荷物運びに向かった。

これが思いのほか厳しい苦行になった。土曜の早朝に出発し、現地で机・冷蔵庫・洗濯機・本棚等ク○重い家具類を山ほど運び、引越し先では二階に運び上げ・・・当然そういう重いものは全部担当。階段でよろめきかけてグッと踏ん張ったときに「ピキーン」と痛みが走る。ああ、もう、湘南は、アカン・・・ファンランやな・・・仮装でもするか?

夫婦ともども不眠不休で働きまくり(帰りの高速ではだいぶ仮眠したけど)帰宅したのは日曜の早朝だった。娘のためとは言え、我ながらよくやったものだ。しかし、その代償として日曜は泥のように眠るしかなかった。

奇跡の復活

しかし、次の日から奇跡が起きた。なんとなく大丈夫そうなのでゆるジョグを再開してみたところ、どうにかウォーキングからキロ7くらいで6〜7キロ走れた。もちろんアイシングは励行しながら。痛みはないものの、まだ違和感が残っているが、どうにかなりそうな気がしてきた。

湘南まであと20日。どこまで戻せるかわからないが、できることをできるだけやるしかない。その週は強度控えめにジョグ中心で少しずつ走り、土曜に16キロ走ってみてどうやら問題なさそうな手応えを掴んだ。残り二週間。

本来なら三週間前に30キロ走をして徐々に負荷を緩めていくのがセオリーだが、もうそんなことは言ってられないので次の日曜に意を決して30キロ走に出る。久しぶりの多摩川だった。様子をみながら次第に強度を上げて、4分40くらいまで上げても大丈夫だった。すこし光明が見えてきた。

その後は強度を維持したまま距離を減らして行く。特に、また参加を再開したWTRLデュアスロンリーグでは水曜夜または木曜の朝にキリキリとキロ4まで上げて耐え抜く練習ができたので、勝手にインターバル練の代わりと思うことにした。

終わってみれば11月の後半で180キロくらい走り込んでいた(バイクも同時期に800キロぐらい乗っており、ランの負荷の掛かり方は数字以上のものがあったと思う)。元には戻ってないだろうが、やれることは全部やったという気分だった。あとは当日走るだけだ。

COROS PACE3

単独記事にするつもりだったけど面倒だからここで。

実は最近、ランナー・トライアスリート界隈で評判のカロス(コロスだと思ってた)。今年のトラやウルトラでガーミン(Fenix5)の電池寿命がダメになったのと、特に海スイムのログがメタメタだったのに嫌気がさして、次どうしようと思っていたところだったのだ。

Apple Watch Ultra2も出たので気にはなっていたが、いかんせん値段がアレだし、電池寿命も旧モデルとあんまり変わってないのがどうにも引っかかっていた。

そこへ「機能は絞ってるけど電池は超寿命、軽くて安くて使いやすい!」というPace3が出てきた。しかも最近よくみている「けん玉ランナー」が絶賛していたので、これは買うしか無い、と思った。キプチョゲとかはどうでもいい(笑)。

実際買って使ってみると、電池寿命もさることながら、ダイヤルによるスクロールと決定ボタン、もう一つがキャンセルボタンというシンプルな操作系がとてもわかりやすく使いやすい。ガーミンの欠点の一つが左側の上下ボタンと右側の決定・キャンセルボタン、さらに機能ボタンがあるややこしい構成で、とても使いづらかったのだ。

また、押し間違えたくない操作(ランのストップなど)はちゃんと長押ししないと機能しないように配慮されているし、タッチパネルも備わっているが、うっかり触って変なことにならないように、モードごとに長押しで解除しないとタッチ操作が反応しないようになっていたりする。それらの操作についても、使っていると自然にわかるようなダイナミックアイコンの表示があるなど、非常にUIが行き届いている。

さらに、アプリとの連携がとてもよくできており、同期にもまったく支障がない。ガーミンのアプリはなぜかク○で、同期が始まらないとか失敗することがよくあるし、カスタマイズにしても転送までのプロセスがとても面倒で全然やる気になれなかった。一方カロスのカスタマイズは機能こそ控え目だが非常に簡単で、気軽に変えることができる。

湘南の一週前の外ランで、初めてカロスで計測してみたが、これまでのガーミンとほぼ同じ地点で距離が出た。まぁ当たり前といえば当たり前だが。Stravaへのシンクロもすぐにできて全く問題ない。そして一週間ずーと付けっぱなしにしていても電池はあんまり減らない。これまでガーミンで外ランの度に「ああっ充電しとくの忘れた!」という目に遭っていたが、そういうことが激減しそうだ。

これは、いい買い物だった。

前日は忘年会

実はJETTリーダーグループのO塚さんが2日に上京してくるのでプチ忘年会をしましょう、という話があった。いやー次の日湘南だから〜、と固辞するのは簡単だが、ライドでいつも気にかけてくれているO塚さんがせっかく来るのに会いに行かない手はない。しかも彼はベーカリーをやっててこの時期は人気のシュトーレンを焼くというからついでに買っちゃおう!ということで、のこのこと浅草に遊びに行ったのだった(もちろん酒は飲んでない)。

実は雷門は東京マラソンで前を通過したことしかなくて、初めて中に入って圧倒された

いやーすごかった、仲見世とか、Neokyoで走ったことしかなかったし(爆)やっぱりこういう文化財って、ちゃんと見とかないとダメだね。

当日朝

忘年会はとても楽しかったが、やはりその代償として翌朝までの睡眠時間は4時間。湘南は前泊しなくて良いのだが、アクセスが微妙によろしくないので始発の小田急に乗らないといけない。朝食や準備も含めると3時起きなのだ。それ自体はロングのトライアスロンで恒例だから特に困らないのだが、さすがに眠い。

絶対に忘れてはいけないもの=シューズ、ゼッケン、タイミングチップ、ボトルとマイカップ、スイカ入りiPhone。どうにかなるけど忘れたくないもの=サングラス、キャップ、ウェア一式、ゴミ袋(スタート前の防寒簡易カッパ)、補給食、エスタロンモカ、ランニングウォッチ、財布。この辺に留意してしっかり準備をした。まぁ一種目だけなのでだいぶ気は楽だ。

準備万端で予定通り出発。小田急小田原線〜江ノ島線と乗り継ぎ、藤沢駅にやってくると例の如くホームはランナーだらけ。JRはほぼランナーしか乗ってなくて湘南国際号の様相を呈している。二ノ宮でおりるとご覧の有様。

階段前で完全に渋滞。微動だにしない😇

昨年はちょっと戸惑ったが、今年はもう最初から徒歩で会場へ行くつもりだったので迷わず「徒歩コース」へ。昨年よりさらに気温は低かったようだが、天気は良く風もなく、朝日が射してきてとても気持ちが良い。今日は絶好のコンディションになりそうだ(この時は、そう思った)。

会場着

大磯ロングビーチについてからも、ゴール前を通過してからわりとウロウロと歩かされる。これまた昨年は戸惑ったが今年は大丈夫。ゼッケン末尾で振り分けられた荷物預けエリア・着替えテントへ。ゼッケンとタイミングチップ取り付け、ウェアの最終調整。

そうこうしてるとトラ仲間のKS石さん、S木先生から連絡が入ってテント前に来てくれた。再会を祝ってガッチリ握手。もうマラソンで緊張することはないんだけど、やっぱりこうやって仲間と話ができると心がほぐれるものだ。

それぞれ目標タイムが違うのでお互いの健闘を誓ってあとは流れ解散で。荷物預け袋を置いてさて行くか、という頃にはずいぶん日が上って気温も上がり、ゴミ袋カッパは要らない様相になってきた。これは昨年より暑いかもしれん。

スタート前

そこからスタート待機エリアへはまたウロウロと移動させられる。予想タイム3時間15分で申請したらAブロックだった。まぁ湘南はどうせネットタイムだからどうでもいいのだが、前にいた方がスムーズに巡航速度に乗せられる。

大渋滞にもめげず小用を済ませてエリアに向かうと、もうランナーで一杯になっててアップする場所があんまりない。ジタバタしてもしょうがないけど、一応空きエリアでちょっとだけ身体を動かしておく。

実際のスタート位置はそこからさらにコース上へ移動したところ。またぞろぞろと移動する間、ストライドを詰めて脚をバタバタさせて心拍を上げておいた。もう、あとは走るだけだ。

今日の戦略は、昨年同様3:15のペーサーにベタ付きしてできるかぎり、できれば昨年大撃沈した30キロ以降まで粘りたい。目標は超ポジティブで3時間20分切り、上手くいけばサブ3.5、最悪でも昨年の3時間38分は切りたい。

スタート〜前半

河野太郎大臣による号砲。ネットタイムだから関係ないけど、スタートロスは10秒程度だった。スタート地点のアンテナ線のところでカロス計測開始。まずは前方にいるはずの3:15ペーサーを探してさっさと背後につきたい。

1kmの入りが4'35"。やや渋滞があったわりには悪くない。その後2km、3kmと4分半ちょいぐらいで進むが、全然ペーサーが見えてこない。おかしいな・・・やや早めのペースにしてる可能性はあるけど、こんなになるまで走っても居ないって?もしかして後ろにいるのか?

と思ったのだが、そこでペースを落としてペーサーを待つ、というのが怖くてできなかった。ペース落としたあげくやっぱり居なくてそのままペースがズルズルと落ちていく気がして・・・いま思えばここでぐっと抑えていればよかったのだが後の祭りである。

こうなると春の板橋の時と同様、一人でペースを刻んで行くことになる。するとどうしてもキリの良いタイム、4分半でいくことになってしまう。ペーサーは4分37秒で行ってる筈だが、自分一人だとその7秒前後でうまく調整することができない。

そのままずーっと見事に4分半前後を刻み続け、ハーフ地点でちょうど1時間35分(自己計測:湘南は10キロごとの計測しかなく、ハーフ計測もない)。前月の怪我のことを考えると、いくら必死で調整して仕上げたと言ってもオーバーペースなのは明らかだ。

※思い出したので追記:前半のどこかで、後方から追い上げて来たランナーが追い抜きざまに「JETT~ファイト~」と声を掛けてくれた。ウェアにZwiftで見かけたことのある「SuiMe」のロゴがあったような気がする。誰かはわからないけど、ありがとうございました。

足裏に異変

ハーフ前後で左足の裏にピリッと嫌な痛みが走り始めた。あっこれはヤバいやつや・・・ここ何年か、シューズのフィットが決まって足裏のマメができることはなかったのだが、これは久しぶりに感じる嫌な予感だ。どうもスタート前に前足部の締め付けが甘かったような気がする。

かといってここで止まって靴紐を締め直すのもためらわれた。今思えばその数秒のロスをきらったばかりに、ゴール後悶絶するハメになったのだが、まぁ締め直したからといって完全に防げたのかどうかも不明である。

しかし一方で微妙な違和感が残っていたふくらはぎの故障箇所は、ちょっとした違和感のまま、酷くなることはなかった。いろいろ悪条件が重なったなかで、これだけ無理なプッシュをしていたにも関わらず、これはラッキーだった。

3:15ペーサーの集団は、江ノ島折り返しのわりとすぐ後にスライドした。やっぱり後ろにいたんだ・・・どこまで逃げられるかな・・・あわよくば30キロまで・・・

撃沈

24キロで明らかに脚が厳しくなってジワリペースが落ち始める。それでもなんとか粘って3:15ペーサーから逃げ続けたが、それも27キロまでだった。キロ5を割り込んでズルズルと落ち始めたところにペーサー集団が追い縋ってきた。川内優輝ばりに食らいつこうと思ったが、無理。あとは見送るだけだった。

それ以降ペースは必死で5分30秒前後をウロウロ。30キロを過ぎて一番苦しい局面に到達。しかし昨年と違って太ももの激痛はない。今年一年リアルランもしっかりやってきたからな。少なくとも昨年のような大撃沈ではない。まだ、どうにかなる!

そこからは残り距離とサブ3.5までの残り時間の計算(本当はこういうことで糖を消費したくないのだが)で必死になった。気をつけないといけないのが湘南の距離はGPSで42.4km付近になること。この42キロ以降のプラス400mは時間にして2〜3分かかるからバカにならないのだ。

強風と坂

そこへ、最後の試練が容赦無く襲いかかってきた。スタート前に予報で示されていたとおり、昼前から西風が吹き付けてきたのだ。さらに悪いことにコース終盤は西湘バイパスへ入り、微妙なアップダウンが波状攻撃をかけてくる。普段なら大したことない坂だが、もうダメになった脚にとどめを刺す。キロ6分半くらいまで落ち込んでしまう。

もうええやないか、あの怪我からここまで立ち直った、十分やろう、もう楽になれよ・・・という思いと、いやなんとしても粘れ、サブ3.5できるとできないでは結果は大違いだ、あきらめるな!という思いが交錯する。苦しい。めちゃくちゃ苦しい!

残り5キロ。ちょうど2時間59分になったところだった。大磯ロングビーチのゴールゲートにサブ3を決めんとするランナーたちが続々と走り込んでいくのが見える。いいなぁ・・・この5キロの差はとてつもなくデカイ。

さらに風に苦しみながらも、なんとか6分前後をキープしてついに最終折り返し。ここまできたらあとは追い風だ。昨年はこの残り距離に悶絶したが、今回は最後の追い風が救世主のよう感じられた。押される押される!ようやくここでサブ3.5を確信。うまくいけば28分も切れそうだ。

ゴール

最後の苦しみに悶絶しながらも、大磯ロングビーチへ向かう左分岐へ。そこからグッと下って、昨年脚を攣りそうになった最後の上り坂。あると知っていれば対処できるものだ。

ようやく最後の直線。立派なゴールゲートをくぐってカロスの計測を停止した。

手元計測と1秒だけズレてた

終わった・・・例のしょぼいメダル(失礼!)と謎の完走記念カード(要らんと思う・・・)を受け取り、荷物預けコーナーへ。撃沈はしたものの昨年のリベンジを果たしサブ3.5をキープできたが、その代償としてまたも脚はボロボロ、そして左足裏は激痛だった。

地獄の帰宅

のろのろと着替えて帰宅の途に着く。シャトルバスまでの道のりの長いこと。単体のフルは、身体に悪い・・・やっぱり(信じてもらえないかもしれないが)アイアンマンよりキツい。シャトルバスで座席にありついたのは、ラッキーだった。

その後も乗り継ぎの度に絶叫(を押し殺)しながらなんとか最寄駅に到着したが、そこからのママチャリがまた苦行だった。足裏が痛過ぎてペダルをまともに踏めない。まして駅からは激坂がいくつか。悶絶した。

やっと帰ってソックスを脱いで足裏をみて唖然。直径5センチ級の巨マメが潰れていた・・・😱こんなもん痛いに決まっとるわ!!血豆になってなかったのはまだ良いとして、ここまでデカイのは初めてかも。これは、しばらく練習できないな・・・年末にBeyondがあるのに・・・

総括

なんだかんだあったが、10月11月の故障の日々を思えば、実質半月でよくここまで戻せたものだと思う。代償は大きかったけど、少なくとも3.5を切れたので気持ち的にはだいぶ救われた。

今回は補給が驚くほどうまく行って、水はセンシベルトの500ccで最後まで、あとはエイドの塩タブを三個と、マグオン一個、あとエスタロンモカだけで乗り切れたのだ。これまで20回ぐらいフルを走ったが、ここまで少ない補給で走ったのは初めてだ。これは地道な走り込み(乗り込み含む)で脂肪燃焼の効率が上がってきたのかもしれない。知らんけど。

上記のとおり、年末はBeyondで自己ベストに挑戦するつもりだったが、この分だとそれもまたマボロシに終わりそうだ。ペース練習会のつもりに切り替えて、その次の東京(5年ぶり3回目)に照準を合わせ直した方が良さそうだ。

これ以上どうしたらええんや、という気もしないでもないが、また例によってできることをできるだけやる、結果はついてきたものを受け入れる。これで行こう。

同志の皆さん、引き続きがんばりましょう。これが誰かのモチベーションにつながったら幸いです。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?