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【DNF】Beyond2023と今年のまとめ

タイトルのとおり。初挑戦のBeyondは予想通り酷い状態からハーフで撃沈。なんとか意地で30キロまでは走り続けたものの、これ以上粘っても何も良いことがないので観念してリタイヤを選択した。

Beyondとは

ランニング・サイエンスラボが主催している「ただひたすらに記録を狙うランナーのためのマラソン大会」である。

コースは「日本自動車研究所 城里テストセンター」を利用する。ここはトラ屋界隈では「しろさとTT」が開催されていることでも有名だ。しろさとTTの場合は外周の周回路を走るが、Beyondではその一つ内側の高速周回路を走る。外周にはごく僅かな起伏があるが、内周は完全にド平坦である。

一周が5.5km。これを反時計回りに6周+スタート時だけ4.6km逆走してから折り返して戻ってくる。これ以上に記録を狙える大会があるだろうか?(いや、ない)しかし、残念ながらこのコースは陸連公認ではない。だからここでサブ3を達成したとしても、別大のカテ3に出られるわけではないのだ。

しかし、それでもこの大会にはランナーを引きつけてやまない魅力がある。それが総勢100名を数える驚異的に手厚いペースランナーの存在だ。走力カテゴリーは4時間半〜2時間半までなんと全14カテゴリー。特に多いのがサブスリー狙いのカテゴリで実に3集団に別れている。

自分の走力と狙いのゴールタイムに応じてカテゴリーを選択し、あとはひたすらにペーサーについていくだけで良い。マラソンを走ったことのある人ならわかると思うが、自分でペースメイクしなくて良いというのは想像以上に楽なのだ。

体調悪し

そんなこんなでこの大会のことを知って「よし今年は絶対出る」と思った時は、秋口から年末までにコンディションを上げて行って、あわよくばPB更新を・・・と思って3時間10分のカテゴリーを選択していた。しかし50代後半の身体がそう上手くいくはずがなかったのだった。

12月アタマの湘南で巨マメを作って以降、今年最悪の体調不良に陥ってしまった。やっとマメが治りかけてきたところで風邪をひき、普通なら三日ぐらいで回復するのに今回は丸一週間引きずり、その後さらに膝も痛めて一週間まともに走れないというオマケまでついてしまった。

その時点ではDNSすらチラついたが、本当にギリギリで体調は戻った。戻ったとは言っても三週間ほとんど練習してない状態で走れるわけがない。やむを得ず当日はカテゴリを2ランクダウンして3時間20分に変更した(変更に2,000円取られたのはちょっとエグいとは思った)。

3時間20分はキロ4分44秒だ。今年の初めに東京チャレンジでは完璧にハマってこのタイムのペーサーについていけたが、どう考えてもその時より落ちまくってるので、まぁ30キロまで持てば出来過ぎ、ハーフまで持てば上々という見込みだった。

お祭り騒ぎ

当日はそれでも一応真面目に走るのでそれなりに準備はした。4時半起床、5時半出発で常磐道経由で現地を目指す。途中のSAで軽量化に成功。トイレから出てきたらランナーだらけですでに渋滞が始まっていた。

駐車場、広っ!!

会場はスタート地点≒駐車場なので準備はぜんぶ車の中で済ませて、荷物も置いておけるので気が楽だ。まずは会場をブラブラしてみる。なかなかの盛況だ。

メインスポンサーのアシックスをはじめ、ブース多数(でも見向きもせず。ごめんなさい)

やっぱりこの「お祭り感」がいいよなぁ、おもろいなぁ、と思っていたら「ドモッ」と声をかけてくる人が。あっマレーシアでご一緒したWKさん。彼はサブスリーのガチランナーだ。今日の目標を聞くと「全然調整できてないし、一か八かキロ4でどこまで持つかやってみて、30キロで帰ろかな。渋滞も嫌やし」とのこと。

たしかに撃沈してズルズル走れば走るほど帰りの渋滞にはまるよなぁ・・・と思った(フラグ立った)。

このゴールゲート、お金かかってるよね
向こうの大集団が全員、ペーサー!!(記念写真中)

各界の有名ランナーたちも大集合している。特筆すべきがあの、川内優輝選手だ。彼は「F1 Beyond」と呼ばれるトップカテゴリーで2時間20分のペーサーをやるそうだ。そしてプロフィッツとかポップラインとかたむじょーとかくれいじーかろとかウルトラランナーみゃことか、みたことのあるランチューバーがうじゃうじゃいる。

ランナー界隈ではすっかり有名人の皆さん

経過

10時半のF1 Beyondを皮切りに、各カテゴリが1分おきにスタートしていく。3時間20分カテゴリは10時42分発。MCがめちゃめちゃ盛り上げていて嫌が応にも気分も上がるというもの。

ゼッケンには全員自分のPBが載っていて、周りの皆さんは当然3時間半近辺の人が多い。PB一桁の自分がここにいるのは「ごめんなさい・・・」という感じだ。でもこのPBはもう5年以上前、絶好調で鬼のように練習してた頃のやつだから・・・

ペーサーは当然のことながらピッタリ4分44ではなく、数分余裕を作れるように4分40を切るくらいで進行していく。三週間寝ぼけていた脚にはなかなかにきついが、なんとか食らい付いていく。1キロが異様に長く感じる(調子悪い証拠)。

最初の折り返しを過ぎたあたりで、湘南で育てたマメの痕がふたたび痛みはじめる。まだ元の皮膚より頑丈になるほど戻ってはなかったか・・・靴紐は前回の反省を元に、スタート前にしっかり絞めたんだけど。これ終わったらマジックスピード3に替えよう・・・

当日の気温は早朝こそ0度だったものの、天気はよく8時過ぎからグイグイと上昇、10時半のスタート時には10度近く、そして最高気温は15度と、ちょっと暑いくらいだった。ウェアは安心して(最近作った)JETTのランシャツと短パンのみでいける。

トラ屋ズイフターアピールのJETTランニング部の制服(笑)

給水は一周回に一箇所だけだった。つまり5.5kmおき。ただ、集団がかなりばらけているので、一回の給水所でアミノバリュー二杯と水二杯、余裕で取ることができたので水が足りなくて困ることはなかった。

途中、F1 Beyondの集団(もちろん先頭は川内優輝)にブチ抜かれた。向こうは3分15とかだから、すごい速度差である。自分も含め周囲から「スゲェ」「マジかよ」「カッケェ」と口々に驚嘆の声が上がる。これまで、東京や別大で「対向してくるトップ選手」は見たことがあったが、間近で追い抜かれたのは初めてだ。

10キロ。まだすこし余裕がある。46分台。ペーサーは非常に正確。しかし1キロごとにキツさがいや増す。もうすでに「いつ、辞めようか」と思いはじめた。なるべく余計なことを考えないように、ひたすらペーサーのふくらはぎだけを見つめ、頭を無にして「走る機械」になったつもりで淡々と進む。

撃沈

20キロ。もうダメ感がヒシヒシと押し寄せてきた。足の裏はもとより、両モモにもだいぶキテいる。「・・・無理。」ハーフを過ぎたところで戦線離脱を決意した。3:20集団に別れを告げ、ズルズルと下がっていく。

すぐ辞めてもよかったのだが、コースの途中だったので辞めどきとしては良くなかった。もう一周だけ進んでみよう。キロ6ぐらいでズルズルと走っているうちに上位カテゴリの選手たちにガンガンとラップされていく。元気やなぁ・・・

25キロ。やっぱりまだちょっと中途半端な位置だった。きついけどあと一周だけ我慢するか・・・自分以外でも、脚をヤッてしまった人がポツポツと諦めて集団から千切れている姿が散見される。

終了

次の周回でサブ3.5の集団にもパスされ、その後もうすぐゴールエリアというあたりで30キロのセンサーを踏んでからカロスの計測を止めた。2時間半。とりあえず4分40でハーフ、平均キロ5で30km走の練習になったからよかったんじゃないの?(そう、思うことにしよう)

トボトボと足を引きずりながらオフトラックの草地を歩いてゴールエリアへ行き、ゼッケンのタイミングチップを返却してリタイヤ申告。悔しさとかは全然なくてサバサバした気分だった。むしろあれだけ酷い状況だったのに、今日こうしてお祭りに参加できたので十分だ。

あとはサブ3クラスのゴールで盛り上がりまくる会場を尻目にサッサと片付けて帰途につく。この判断は正解だった。首都高はちょいちょい混雑したが致命的な渋滞にはならず、夕方まだかろうじて明るいうちに帰宅することができた。

お父ちゃん、また撃沈してきたんか

2023年振り返り

そんなこんなでようやく怒涛のような2023年の大会参加が終了した。まとめてみると・・・

1月29日 東京チャレンジマラソン 3時間18分24秒
3月19日 板橋シティマラソン 3時間25分02秒
4月16日 チャレンジ富士五湖ウルトラマラソン(4Lakes)13時間17分23秒
6月18日 五島長崎国際トライアスロン 10時間44分35秒
7月16日 全日本トライアスロン皆生大会 10時間51分48秒
8月27日 珠洲トライアスロン 6時間51分37秒
9月3日 佐渡国際トライアスロン 12時間41分39秒
10月7日 アイアンマンマレーシア 12時間24分51秒
12月3日 湘南国際マラソン 3時間27分37秒
12月29日 Beyond2023 DNF(30km 2時間30分)

改めて見て・・・頭おかしいな。このほかWTRLデュアスロンもだいぶ走ったし(まぁあれは無理やり強度あげる練習会の位置付けだけど)。しかしいくらなんでもやり過ぎた。レースの経験値が爆上がりして、やたら場慣れしたのは確かだけど、練習のリズムがズタズタになるのはいただけない。年末に調子おとして風邪ひいたのも、トラの神様の「たいがいにせんとこうなるで」という戒めだったのだろう。

来年はもうちょっと絞っていこうと思います。界隈の皆様、どうぞ良いお年をお迎えください。

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