昨年は邦画をよく見たので今年は洋画を同じくらい見たいなと思って明けた新年、兎年最初はやっぱり洋服関係の映画なりました。

『ミセス・ハリス・パリへ行く』時代背景は1950年代

  戦争未亡人となって家政婦をしながら細々と暮らしているミセス・ハリス　ある日掃除中の家で目にしたディオールの服に恋をしてコツコツ貯金をする。数か月後溜まったお金を持ってパリへ
 親切な輩などの助けもあってアトリエへ　貧乏人は帰れと言われたが、現金を見せたら背に腹は代えられないマネージャーが渋々ドレスの作成指示をする。しかし、今度は縫製士がやりたがらない。この場面が一番面白くて、是が非でもドレスが欲しい彼女、追い出したと思った縫製士、その彼がアトリエを闊歩していると白衣を着た彼女が縫子達に混じって針仕事をしていてびっくり！家政婦だからね、お手の物なの針仕事が。

 服が出来るまで時間、彼女はアトリエのモデルや、アシスタントマネージャー、縫子さんたちの良き相談相手となってクチュールの世界に風穴を開ける、このくだりが話の中心でとてもいい映画になっている。新年早々良い映画を観ました。

『ケイコ目を澄まして』

　題名で心を奪われて観に行きました。耳が聞こえないボクサーってどうなのだろうか⁈と思ったのですが、聴覚障がい者でも車の運転は出来るし、上手く話せないだけで可能だわとすぐに思い直しました。題名の通り、目を澄ませば（よく見れば）パンチもよけられる、リングの振動も感じられる、健常者よりも視界がかなり広いから出来る技もあるしね。

　年季の入ったボクシングジムでプロボクサーを目指して日々トレーニングをしている主人公、仕事をしながらなので中々勝てないし、障がい者なので対戦を断られることも。そんな中オーナーが倒れて経営も悪化、仕方なくジムをたたむ事に。新しいジムに行く者、止める者、主人公は新しいジムで地道に頑張ることに、何故なら自分を信じて育ててくれた前オーナーに報いるため。最後の河川敷のシーンが良い！シャドーボクシングしながら何も求めず、ひたすら打ち込んでいる姿、良いですよ。全編通して自然、日常の音のみが流れて来て、見終わった後に静かな映画だったと気が付きました。

『ドリーム・ホース』

　イギリスの実話、障害レースに出場する馬を育て優勝させるサクセスストーリー
　昼はスーパー、夜はパブで働く中年の主婦、関節を悪くして働けなくなった夫の代わりに家計をきりもり。そんなある日、パブに見知らぬ客が、聞き耳を立てていると馬で儲けた話が出てきた。その話に興味が沸いた主人公は色々と話を聞き、村で馬を買って競走馬を育てないかと皆に話を持ち掛ける。最初に買った雌馬の種付けにも必死、かわいそうなことに仔馬を出産したら亡くなってしまったのだけど、この仔馬が後のスーパースターになる。
　途中けがをして再起不能かと思われたが、大金をかけて治し最後は優勝する。このかわいらしい主婦はとんでもない強運の持ち主だった。最後のシーンは鳥肌ものだけど、それ以外にも見どころが沢山ある楽しい作品でした。トニがトーストをかじるシーンとかスーパーでレジ打ちする動きとかも面白かったです。

『ひみつのなっちゃん』

　ポスターを見て観たくなった映画です。プリシラみたいな作品かなと思ったら、少し違っていました。ドラッグ・クイーンで踊るシーンはほぼなくヒューマンドラマに仕上がっていました。
　中年になりその世界から身を引きＯＬとして働いている主人公の元に突然の訃報。遺族に頼まれてお葬式に参列しなければならなくなった主人公は仲間と一緒に郡上八幡へ行く。その道中が面白い。喪服に着替えた3人の恰好がいいこと！最後になっちゃん役が分かったのだけど、吹き出してしまったわ。また、滝藤賢一さんのＯＬ姿が素敵だった。板について違和感なかったはいい過ぎか。

『シャイロックの子供達』

　シェークスピア「ベニスの商人」に出てくる金貸しがシャイロックですよね。銀行とくれば池井戸潤さんです。初めて彼の作品の映画を観たのですが、銀行ってそうなっているのだと裏側が知れて勉強に⁈なりました。今から入行するわけではないので深い情報は要らないのですが。
　都市銀行に勤める主人公は日々係長として窓口業務に携わる。支店長がする大掛かりな詐欺をこの主人公が暴いていく。色々と問題のある不動産を持っている爺さんと知り合い閃く、最初はそんなつもりはなかったが真相がわかるにつれこのままでは終われないと仲間を助けるべく（結果自分も助かる）ある詐欺を計画する。それが最後は上手くいき、ハッピーエンドになる話。誰の台詞か忘れたが、「借りた金は返せば済むってものじゃない、返し方が問題」何故かこのセリフがずっと残っている。そういえば、「倍返し」って台詞もでてきた。

　やっぱり映画はいいですね。特に劇場は特別感があって好きな場所です。
上映予定の映画が沢山あって楽しみですが、無理のない範囲でより多く今年も鑑賞していきます！