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ドラマ「セックスエデュケーション」が最高に素敵!

ネトフリで人気のイギリスドラマ「セックスエジュケーション」を観た。


あらすじは…セックスセラピストを母に持つオーティスが、ひょんなことから、学校で誰とも馴染まない一匹狼の美しいメイブと、生徒向けの秘密のセックスセラピストを始める、というものだ。

高校生達の「性」の問題を通して、思春期の複雑な心境や親との関係性、ジェンダーについてなど多様な切り口が見事に描かれてる!
性の問題を、正しく真っ直ぐ清く描く本作はイギリスでも大変な話題になったらしく、こんな作品が日本版であったら良いなと思った。
(例えば、自慰を通して自分を知る、とか。学校は性についても語れる安全な場所であるべきだ、とか。恥ずかしがって安全なセックスの方法をパートナーに聞けないのは愚かだ、とか。こんなこと誰も教えてくれないようなことが描かれてる。)

教訓じみていたり、エロ過ぎるわけではなく、なんならハリーポッター並な楽しい学校ドラマだなと思って楽しく観れるのも素晴らしい。
登場人物たちがみんなコンプレックスを抱えているのがまたリアリティで、魅力的だ。

特に素敵なのはエリックとだ。
オーティスの親友のエリックはゲイを公言していて、ドラッグクイーンのような派手な外見に憧れている。明るく、友達思いなエリックだが、自分のそういった志向のことでひどく傷つく事件が起きる。
そんな時に、厳粛な父が言う。
自分らしくいたいなら、強くなれ。というようなセリフには痺れた。

そう来たかー!と思った。日本の高校生のドラマだったら、そんな父はでてこない。古い価値観を押し付けるタイプとして描かれることが多い気がするが、さすがイギリス。なんて、思慮深く子供思いなのに、きちんと多様性を受け入れようとしているんだ…。深い言葉だと思った。父がナイジェリアからの移民だから、マイノリティーの気持ちが分かるのかな?

また、メイブの親友のエイミーも良い。
あまり頭が良くなく、明るい、裕福な家庭に育った彼女だか、バスで痴漢被害にあったことをきっかけに女性の問題に敏感になる。
気にしなければ良いと話した彼女だが、自分では気づかない内に男性に恐怖心を持ってしまったり、女性が自分らしくいられることに関心を持ったりする。男性の問題で喧嘩する女同士に、男のために争わないでと怒る姿ははっとさせられたし、突然パン職人になると決めた彼女が色んな形の女性性器のカップケーキを作る姿は笑えたけど、魅力的だった。

私は女だから、彼女が気に入ったけど、男性が共感するような悩みを抱える少年たちも出てくる。父からの男らしさのプレッシャーに苛まれる不器用な少年、母からの干渉にストレスを感じ悩む姿も。

私は高校教員をしているので、元々多感な思春期の少年少女をテーマにした作品が…中二病なもの?が大好きなんだけど、
それを爽やかに有益に描いてるこの作品は、学生たちだけでなく、世代を問わず、みんなにおすすめしたいものだと思った。

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