見出し画像

これぞ圧巻の”エンターテイメント ”。 『竜とそばかすの姫』を観た。

エンターテイメントが好きだ。

私にとっての「エンターテイメント」それは、

心を揺さぶるもの、総て。

思い出す、今でも言葉にできず、ただ涙になって溢れ出てくる、

それでしか表現できないような体験をしたのは 人生で3回(※)。


2016年、知っていたのは一部関係者のみ。事前告知一切なし。

CDショップに足を運んだ人だけが知る、Hi-STANDARDのゲリラリリースの日。


2017年、19年ぶりに音楽活動を再開した小沢健二がリリースした

2枚目のシングル『アルペジオ (きっと魔法のトンネルの先)』のパッケージ(初回限定仕様)を手に取った時。



そして今日、2021年7月24日 『竜とそばかすの姫 』を観た日。


(※) 正確にはもっとあった。たった3回のはずがない。でもこの3回に共通すする胸の高鳴りが確かにあった。恐らくそれは「常識」を覆し、「未来」への限りない期待を体感した瞬間だった、ということ。(ここまで書いて、やっと言葉にできた。)


『竜とそばかすの姫 』を観て思い出された 大切な記憶について。


scene#1  事前告知一切なし。伝説のゲリラリリース。


2016年10月17日、Hi-STANDARDが約16年半ぶりの新譜『ANOTHER STARTING LINE』をゲリラリリース。

当時 CDショップでバイトしていた私、知らされたのは当日の朝礼。

この情報化時代、まして音楽はダウンロードが主流になろうとしていたこのタイミングに、まだ「CD」にできることがあったのか。

店頭に足を運んだ人だけが知る、伝説のバンドの新譜リリース。

今でも忘れられない光景、午後6時頃、仕事終わりと思しきサラリーマン、入口からレジに向かって全力で走ってくる。

「ハイスタのCDありますか!?!?」

ヨレたスーツ、高揚した表情、息切れから伝わる止め処ない期待。

きっとこの先何年経っても、鮮明に思い出せる。


ゲリラリリースのアイデアもさることながら、このリリースが本当に、

店頭に並ぶ当日の朝まで、どこからもリークされることなく遂行されたこと。

全力のオトナが、全力でやりきる。

エンターテインメントにはいつだって、かっこいいオトナがたくさん関わってる。


scene#2  「パッケージ」に未来はあるのか、なんて不毛な議論だった

画像1

「音楽はただのデータ?」

違う。人の血が通った、カタチある「作品」。

エンボス加工が施されたこのパッケージ。歌詞の一部に色がついて、もう1つの文章が浮かび上がる。


未来があるとかないとかじゃない、「つくる」


私も、”ドキドキしてるよ”


scene#3  『竜とそばかすの姫』 圧巻のエンターテイメント。

スクリーンショット-2021-07-25-0.08.23

(millennium parade - U MVより一部抜粋)

今日のレイトショーで、『竜とそばかすの姫』を観た。

(できる限りネタバレは避けますが、敏感な方はご注意ください)



まず冒頭。というか後にも先にも冒頭。

やられた。

そんな主題歌の使い方があったか。

millennium parade × Belle (中村佳穂) 『U』

上手く言葉にできないけど、この曲が大好きな私。

これは圧巻。

その演出、引き込まれないわけがない。

いや、この曲が好きとか好きじゃないとかに関わらず引き込まれる圧倒的な音楽と壮大なスケールの映像美。

冒頭のシーンが終わったら、もう2時間はアと言う間。

生と死、多様な家族の形、青春、恋愛、社会問題などなどなど、

どれがメインストーリーでもサブストーリーでもなく、当たり前に存在しているのが妙にリアルで。

内容についていきながら、いろんなこと考えたり思い出したり(というよりは考えさせられたり思い出させられたりっていう受動的なイメージ)していたら、アと言う間にエンドロール。

(っていうのはちょっと端折りすぎで、制御できないほど感情が大忙しになって 気づいたら呼吸を忘れるくらいのめり込んでいた)


あと、「新しいな」と思ったのが、インターネットの世界を否定していないこと。

何か事件や社会問題が起きた時、因果関係があってもなくてもとりあえずメディアが出してくる「SNS」。(それ言っとけば、「あ〜SNSはよくないよね」の世論でまとめられるってどっかのテキストに書いてあるのか?と思うほど)←急に毒舌

この映画では、インターネット世界=仮想世界《U》が肯定的なものとして描かれているのが印象的だった。

12年前の『サマーウォーズ』と比べても、現代はインターネットがより生活に欠かせないものになり、特にSNSは、若い人にとって“もう1つの現実”です。さらにこのコロナ禍で一気にリモート化が加速。ネットの役割が変化したことで、どんな新しい物語が生まれるか。
ネットやSNSで人格が変わったり、現実と振る舞いが違う人もいる。でも、どちらが本当でどちらが嘘かというより、1人の人がやっている以上どちらも本当。〈略〉 人間は多面体でできていて、本当はみんなそうした異なる側面を持っているんです。〈略〉もう1人の自分と出会って変化が起き、現実の自分も強くなっていく――そんな効果もあると思うと、若い人がSNSやインターネットに求めるものの重要さが分かってきます。ただ批判するだけではなく、肯定的に“寄り添う”目線が必要ではないか。

=====

と、評論家気取りでいろいろ書いたけど、

この映画、私にとってただただ「エンターテイメント」だった。

そのビジュアルの美しさと、圧倒的存在感の音楽と、ミュージカル映画みたいな構成と、音楽(歌)がキーになったストーリー。

制作には、監督はじめ、絵、画の人/音楽の人/キャスティングの人/声優/広報などなどなど、私には想像もつかないほどの「全力のかっこいいオトナ」が携わっているということ。

全部全部ひっくるめて、圧巻のエンターテイメントだった。

この高揚した気持ち、忘れたくないし、忘れられない。

=====

あ〜ちょっと、この駄文どうやって締めくくったらいいのかわからなくなってしまった。

とにかくこの気持ちを忘れたくないので、現在 午前3時半。意のままに綴りました。

「エンターテイメント」それは、

いつまでも、憧れのまま。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?