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耳鳴り潰し17

 所用で妻と出かける。電車の中ではあまり耳鳴りが気にならない。走行音と相殺するのか。少し時間があったので、目的地の近くにあった大阪府中央公会堂に入り、少し展示物を見た後座って休む。いろいろな椅子があった。

 用事のあった事務所があるのはビルの8階。エレベーターで上がるだけでは頭痛は起きず。しかし用件の最中、柔らかめの電子音といったらいいか、新種の耳鳴りが、常駐する耳鳴りより大きく響き始め、恐怖を感じる。「この新たな耳鳴りが一生続くのか」という恐怖である。幸い一時的なものであった。思わず耳を塞いだ様子を、相手様と妻に心配される。自分では「全然大丈夫」と思って、そう振る舞えているつもりでも、随所で相手に心配されてしまうことがある。いつの間にか具合悪そうな様子になってしまっているようだ。

 あいにくの雨。妻の傘を娘に貸して、小さな折り畳み傘を妻が使っていたので、そちらはたたみ、私の傘に二人で入るようになる。人混みでなければ手を繋いで歩く。妻と二人で出かける際はたいていそんな感じである。

 帰りに梅田の地下街を歩いた際も、地形の具合によって、横殴りのような頭痛に襲われる場所がある。公園でも経験したような、地形による気圧の具合が影響するものか。かつては歩き慣れた梅田の街も、十数年前と比べて様変わりしている部分が多くある。記憶の上書きが追いつかず、過去の情景の上まで一緒に歩いてしまう。帰りの電車でぐったりと疲れを自覚する。

「バッタを倒しにアフリカへ」読了。バッタの大群の先頭に全身緑づくめの服装で立ち、自らを犠牲にしてバッタを止めようとする場面でまた吹き出してしまう。

 そして次に読む本を探そうとしたら、市川沙央「ハンチバック」がKindle Unlimited入りしているのを発見。読み始める。

入院費用にあてさせていただきます。