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鶴見飯店の毛包炎

 ここ数日、ずっと頭が痛い。正確に言えば、頭皮が痛い。痛過ぎる。病院で診てもらった所、どうやらモウホウエンらしい。モウホウエン……? 入力しても、一発変換で出て来ない。調べてみると、“毛包炎”と書いてそう読むらしい。かっこいい。『星のカービィ』にバーニンレオってキャラが居て、そいつに漢字を当てがうと毛包炎っぽいなと思った。だから何だ。四川料理の名前っぽくもある。だから何だ。

 要は、ニキビと同じである。毛穴が膿み、炎症を起こして、痛みや痒みを引き起こしている。そう言えば「痛し痒し」と言う諺の誤用について聞いたことがある。本来「泣きっ面に蜂」的な意味ではなく、「利点と欠点がある」と言う意味だそうな。いや、どう考えても欠点と欠点だろ。「痒し」と「掻く」を同義にするなよ。ポリポリして「ぎんもぢぃぃぃ!!!」じゃないのよ、バカ。

 そんなバカはさて置き、この病気になってから、ある感覚に襲われている。何と言うか、頭から汗が滴り落ちるたび、膿が垂れているような気になるのだ。もちろん、そんなことは一切無い。実際は、シンプルに汗が伝っているだけだ。しかしながら、そう分かっていても一度浮かんだイメージを取り払うのは難しい。感覚としては『ゴールデンカムイ』の鶴見中尉に近い。興奮すると髄液が溢れるあの様子。それを思って「オレ、なんか鶴見中尉みたいじゃない?!」とウキウキしながら嫁に伝えた所、「(鶴見中尉)みたいじゃない」と一蹴された。オレは、ただのハゲランケニシパ。もしくはオソマ。

 とりあえず、しばらくは安静にしないといけない。と言うことで、ジョギングやサウナのような、汗を多くかく趣味は一旦お休み。少しの間、我慢だ。ちなみに、この病気が直接の原因となってハゲることはないらしい。いっそのこと、逆境を乗り越えて強くたくましく生え替わってくれ、オレの毛。こんな思いは、毛たくさん。そんな現実頭皮。

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