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【未来が過去を殺すのよ】 お芝居 「パンドラの鐘」

未来が過去を殺す

歴史の試験で試されるのは、全て勝者の私見だ。

敗者の歴史は全て闇に葬り去られて忘れられてしまう。歯医者が虫歯を埋めていくように、時空の底無し沼に埋められてしまう。

でもそれでいいのか。

私の未来は私の敵。未来が断言するだけで、私は消える。

過去の眼差しを感じずにはいられない。

そしてその眼差しを具現化するのは、未来と過去を繋ぐネジとなるのは、想像力だ。

奪うことしかしなかった王国が、奪われる側になった途端、その歴史は忘れられても良いものなのか。そこから学ばねばならぬこともあるのではないのか。

二度と過ちを繰り返さないように。もう二度と、ピカと共に多くの命が黒こげにならないように。

「水を、水を」の呻き声が最初の記憶だからと幼い子がそれを自分の名前だと思い込まないように。

みなしごは、皆、死後にできる。

歴史のみなしごは、一生みなしごのままなのか。

- どの音も、皆同じ。
- 今、どの音でドの音を言ったの?
- 音の身にもなってやれ
- 今、どの音でミと言ったの?

こういう野田さんの言葉遊びが好き。もっとあるはずなのに、言葉の渦はいつもあっという間に私の中を過ぎ去ってしまう。

1999年以来の再演。

当時、ただただ度肝を抜かれたのを覚えている。

その再演ともなれば、ミズヲならずも見ずにはおられない。

でも、春の東京公演は緊急事態宣言で中止になってしまった。

それがstreamingで見られたことには、本当に感謝。

でも、やっぱり生で見たかったな。また再演してくれますように。

明日も良い日に。





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